年100万貯めてる人は、できなくても悲観しない! 自己評価で見えたある力とは?
5歳以下の子どもがいるママ349人に、「暮らし」と「お金」に関するアンケート調査を実施。貯まる人が心がけている習慣ややりくりの特徴とは、果たしてどんなものなのか? 調査結果をベースに、1000人以上の貯まる人を取材し続ける大上ミカさんが解説します。
貯まる人の特徴として明らかで、大上さんも太鼓判を押す習慣は、ママたちが取り入れたい「お金が貯まる習慣」。毎回、記事の最後にリストアップしていくのでお楽しみに!
今回取り上げるテーマは、「家計管理の自己評価」。皆さんは、ご自分のやりくりに点数をつけるとしたら、100点満点中で何点ですか? 「脱・貯まらない習慣」#6
調査概要
2020年3月実施「あなたご自身に関するアンケート」。全国。インターネットリサーチ。対象者は、5歳以下の子どもがいる25〜44歳の既婚女性349人。
調査企画・データ提供:株式会社カクワーズ
貯まる人は、自己評価も高め。ですが……
5歳以下の子どもがいるママに、「あなたのやりくりは何点?」と質問したところ、平均は51.84点という結果に。意外と、みんな厳しめ!?
貯蓄額別に見てみると、年100万円以上貯めてる人は、66.23点。年100万円未満の人では52.98点。貯蓄ができていない人では、34.17点と、貯蓄額が高いほど評価も高い傾向です。です、が……。
年100万円以上も貯めていれば、80点以上はあってもよさそうなものなのに、そこまで高い点数ではないという不思議!
コメントを読んでいくと、「ここがアカン」、「ここは直さねば」と、課題を感じるポイントが続々……。さっそく、抜粋してご紹介しましょう!
Q. ご自身の家計管理や貯蓄の状況は、100点満点中、何点だと思いますか?点数でお答え下さい。
100点満点中で自己採点した平均点
年100万円以上貯めてる人は「課題」を前向きにとらえていた!
100点-90点(年100万円以上貯めてる人)
年100万円以上貯めてる人のうち、自分のやりくりに「100点」をつけたのは、わずか7名ですが、さすがにコメントもゆとりが感じられます。「90点」をつけた人も、「十分できている」と自信がある様子。
100点 「ゆとりがあり、将来のことも考えて貯蓄ができているから」(39歳ママ・千葉県)
100点 「貯まったお金は使わずにキープできてる。やりくりの予算で毎月暮らしています」(36歳ママ・香川県)
90点 「決まったお金は毎月貯蓄できているし、ムダ遣いもしていない。十分だと思う」(40歳ママ・福岡県)
80点-70点(年100万円以上貯めてる人)
80点台以下になると、課題を感じるコメントが増えてきます。ただし、あまりネガティブな内容ではなく、課題に対して「ここを直せばもっと貯まるはず」と、前向きにとらえているニュアンスが。
80点 「貯蓄はできるようになってきたが、食費が高め。もう少し削りたい」(39歳ママ・東京都)
80点 「固定費の見直しはできているが、つい浪費することがあるから気をつけたい」(34歳ママ・広島県)
75点 「赤字になることはないけど、もう少し計画的に貯蓄したい」(27歳ママ・岡山県)
60点-50点(年100万円以上貯めている人)
60点台以下では、「家計簿が安定していないから」など、自分自身のやりくりに自信がまだ持てない様子がありますが、課題を具体的にとらえている印象があります。
60点 「たまに家計簿をつけ忘れ、不透明なお金があったりするから。ここを直せばもう少し貯まるはず」(29歳・東京都)
60点 「まだ家計簿のつけ方が安定していないから」(27歳・静岡県)
50点 「予算がざっくりしすぎている。もう少し細かく振り分けたい」(31歳・東京都)
貯めてる人は、言い訳する前に動く。だから課題が具体的!
貯めてる人が感じている課題は、とても具体的! 大上さんによれば、貯めてる人はとにかく行動する力があるので、課題の把握が早い。だからやりくりの上達も早いのだとか。
「貯まる人はたとえ収入が少なくても、”お金がないから”などと言い訳はせず、とりあえず動きます。家計簿をつけたり、貯蓄を仕組み化したり、実際に動いてみると、自分のお金をより深く理解できるし、弱点も分かる。改善すべき点が明確になれば、どうすればいいかを考えられ、よりよい家計管理へと発展していくのです」。
貯まる人はいつも前向きに家計に取り組んでいるからこそ、進むべき方向も分かってくるんですね。
「その通り。一方、貯まらない人は、これまでの調査結果でも見えてきた通り、貯めたい気持ちはあっても行動を起こしていない人が多数。生活費の把握をしたいのに家計簿はつけない、貯蓄をしたいのに先取りはしない、などがその表れです。
たとえば”お金がない”と言いつつ、実際どのくらい足りないのか、いつまでにいくら必要なのかを把握していないと、漠然とした不安が広がるだけ。これではさらに動けなくなったり、間違った方向に努力することになってしまうのです」。
では貯まらない人のやりくり評価は? 点数とコメントをチェック!
貯まらない人の自己評価と理由
貯蓄ができていない人(年間貯蓄額が40万円未満)の自己評価に「100点」はおらず、ほとんどが60点以下。「貯蓄が少ない」、「思ったように貯蓄できていない」と、貯蓄額が少ないことを理由にあげていますが、課題はぼんやり。夫を理由に上げる人もチラホラいました。
50-60点(貯蓄は年40万円未満の人)
60点 「毎月決めた貯蓄額を、達成できないことが多い」(29歳ママ・青森県)
50点 「カードを使いすぎている気がする」(31歳ママ・千葉県)
50点 「貯蓄がなかなかできない。もっと節約を頑張らないといけないんだと思う」(28歳ママ・埼玉県)
40点以下(貯蓄は年40万円未満の人)
40点 「忙しくて、お金まで手が回らない」(34歳ママ・東京都)
30点 「私の浪費癖がなかなか治らない」(30歳ママ・静岡県)
20点 「夫に協力してほしいけど、金くれ旦那で使いたいだけ使ってしまう」(29歳・愛媛県)
15点 「予想外の出費が多く、思うようにやりくりできない」(29歳ママ・愛知県)
0点 「夫の小遣いが高い。教育費が心配なのに、これでいいのか……」(36歳ママ・高知県)
貯まらない人は、あきらめて言い訳しがち!?
貯まらない人のコメントから感じられるのは、「貯まらないのは、○○だから仕方がない」という、あきらめのような心境。そして、言い訳や開き直りに近いコメントも見受けられます。
「あきらめて言い訳し始めると、行動しなくなるので、家計はそこから改善していきません。貯まる人も、夫が協力的ではなかったり、かつては浪費家だった人も大勢います。そこからなぜ貯まる家計になったのかといえば、”文句を言っても、お金が増えるわけじゃない”と、できることを探し、行動にうつしていったからなんです。どんな環境であっても悲観せず、前向きに努力する姿勢が一歩前進していく力になるのだと思います」。
つい、言い訳したくなるけど、それじゃなにも始まらない! まずは行動あるのみ、ですね!
貯まる習慣に「やりくりの自己採点」を追加!
貯めてる人も、貯めてない人も、やりくりを自己採点することでコメントが充実! いい振り返りになっていることが分かりました。
「評価するときはダメ出しするのではなく、できている部分をまずしっかり見ることがポイント。たとえば、自己評価が50点なら50点分はいいところがあるはず。ここはできているから、あとはこことここを直せば100点に近づく、と考えると、言い訳しないですみます。取り組むべき課題を具体的にでき、行動につなげやすくなりますよ」。
やりくりのスキルアップにつながる、「自己採点」を貯まる習慣に追加しましょう!
□ 早起きする
□ 夫婦でお金の話を、最低でも月1回以上する
□ 家計簿を書く
□ 「保険料」と「子どもの服代」を見直す
□ 水道や電気のことで、家族にガミガミ言わない
□ 先取り貯蓄する
□ やりくりを、月に1回「自己採点」してみる(NEW!)
監修/大上ミカ 文/たまひよONLINE
大上ミカ
Profile
ライター・ファイナンシャルプランナー。女性誌を中心に全国の貯まる人を1000人以上取材。その暮らしややりくりの共通点を数多く見出す。著書に「お金が勝手に貯まりだす暮らし」(リベラル社)など。
大上ミカ
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ライター・ファイナンシャルプランナー。女性誌を中心に全国の貯まる人を1000人以上取材。その暮らしややりくりの共通点を数多く見出す。著書に「お金が勝手に貯まりだす暮らし」(リベラル社)など。