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良かれと思ったアドバイスが時代遅れ? 【小児科医に聞く】赤ちゃんのお世話、祖父母世代と今とで変わったこと15

アジアの祖父母と赤ちゃん
※写真はイメージです
monkeybusinessimages/gettyimages

育児の考え方は時代によって変わるので、ばあば・じいじが子育てした時代と今では、異なることがいろいろあります。とくに授乳・離乳食のお世話については、その違いが大きく現れる部分。そこで、今どきの育児事情に寄り添い、的確なアドバイスをしてくれる慶應義塾大学医学部・小児科教授の高橋孝雄先生に、今と昔で変わったことを教えてもらいました。

おっぱい・ミルク 今と昔のお世話の考え方で変わったこと

赤ちゃんにとっては母乳がいちばんで、とても大切なものです。「ミルクの性能が非常によくなり、母乳に近づいていることも事実です。家庭の事情も育児の状況も多彩になるなか、母乳育児に取り組みながら、必要なときには上手にミルクも利用していければいいでしょう」(高橋先生)

違いその1【昔】母乳を出したいときはおもちを食べなさい

【今】栄養バランスの取れた食事がすすめられています

おもちは手軽なエネルギー源として、昔から母乳がよく出る食べ物として伝えられてきました。でも、ママの栄養状態が向上した今は、必ずしもおもちである必要はありません。「鯉やあんこが母乳にいい」というのも同様です。今は栄養バランスのいい食事をとることが大切。こまめな水分補給も心がけましょう。
「その上で、赤ちゃんが飲みやすい抱き方や乳房のくわえさせ方で授乳することも重要。そして赤ちゃんが欲しがるたび、吸わせてください」(高橋先生)

違いその2【昔】1才を過ぎたら断乳しなさい

【今】1才以降でも無理に母乳をやめる必要はありません

昔は1才までに食事から十分に栄養がとれるようになり、離乳を完了するのが理想とされていました。今は離乳食を進めつつ、1才以降も無理に母乳をやめなくていいという考えになっています。2002年以降、母子健康手帳に断乳を確認する欄もなくなりました。

違いその3【昔】1才を過ぎると母乳の栄養がなくなる

【今】母乳の成分は変化するけれど栄養はなくなりません

1才以降になると飲む量に対し、母乳の分泌量がたりなくなるため、栄養が少なくなると言われていました。母乳の成分は赤ちゃんの成長に合わせて変化しますが、栄養はなくなりません。
ただし、この時期は母乳栄養だと鉄分が不足します。ママが鉄分の多い食事をとっても、母乳中にはあまり分泌されないので、離乳食でしっかり鉄分をとれるように、食材を選ぶようにしましょう。これを意識すれば、離乳食を進めつつ1才過ぎも母乳を飲ませてもOKです。

違いその4【昔】泣くのは母乳がたりないから。ミルクをたしなさい

【今)まずは体重やおしっこなど赤ちゃんの様子をチェック

昔は、授乳後すぐに泣くのは、母乳がたりていないからと考えるのが主流でした。
でも、満腹でも泣くことがあります。また、母乳を飲むと、母乳中のオキシトシンの効果で赤ちゃんは気持ちよくなり、眠るのですが、ベッドに寝かせると起きて泣いてしまうようです。
こうしたことから、ミルクをたすかどうかは、授乳後に泣いただけでは判断しないのが今の考え。体重の増え方やおしっこの量などで総合的に判断します。
「ママは母乳のにおいがするので、授乳後に泣いたときにママが抱っこしても、赤ちゃんは落ち着かないかもしれません。パパやほかの家族が抱っこして落ち着かせるのも手です」(高橋先生)

違いその5【昔】母乳は3時間おきに飲ませなきゃダメ

【今】欲しがったら飲ませる「自律授乳」の考えになっています

病院や産院で3時間ごとにミルクを飲ませたことから、授乳の目安として「3時間」がいわれ始めたようです。今は赤ちゃんが欲しがったら飲ませる「自律哺乳」の考え方が主流になっています。
「ただし、最初の1カ月は、母乳の分泌を促して維持するためにも、赤ちゃんが欲しがっていなくても3〜4時間ごとに吸ってもらい、母乳を分泌させる必要があります」(高橋先生)

違いその6【昔】体重が増えすぎたらミルクを薄めて飲ませる

【今】決められた濃度で調乳して飲ませるのが基本です

かつては月齢によって濃度を変える調乳方法がとられていましたが、今のミルクは月齢や体重にかかわらず、一定の濃度で調乳するのが基本です。ミルクは赤ちゃんの腎臓に負担がかからないように絶妙に濃度が設定されているので、自己判断で薄くするもの濃くするのもNGです。

違いその7【昔】母乳よりミルクのほうが栄養がある

【今】母乳は赤ちゃんにとって最良の食品。ミルクは上手に利用しましょう

1960年代から欧米でミルクが普及し、ミルクのよさを盛んに宣伝したことから、日本でもミルクのほうがいいと言われたことがあります。しかし、その後赤ちゃんの栄養の研究が進み、母乳が赤ちゃんにとって優れた食品であることがわかりました。
そのため、ミルクは母乳の栄養バランスを目標にして、作られるようになりました。パパやばあば・じいじなどに赤ちゃんの授乳をお願いしたいときなどは、冷凍母乳などでお世話をお願いしてもいいですが、難しい時にはミルクを上手に利用してもいいでしょう。
「災害時用の備蓄として液体ミルクもストックしておくといいですね」(高橋先生)

違いその8【昔】母乳を飲ませる前はママの乳首を消毒する

【今】ママの乳首の消毒は必要ありません

授乳前にママの乳首(乳頭)の消毒は不要、という考えが今は一般的。汗ばんでいて気になるときなどは、タオルで軽くふけば十分です。

離乳食 お世話の考え方で変わったこと

食べさせ始める時期や、食べさせるものなどはいろいろと研究が進むにつれて変わっています。
「市販のベビーフードはとても進歩していて、栄養、味、衛生面ともに優れています。赤ちゃんが食べる喜びを味わえるように、ベビーフードを活用するのもいいですね」(高橋先生)

違いその9【昔】親が使ったスプーンを赤ちゃんに使うのは当然

【今】食具の共有はすすめられませんが、親の口内環境も大事

昔は大人が食べ物をかみ砕いて赤ちゃんに与えたり、大人が口をつけたスプーン・フォークで赤ちゃんに食べさせたりすることは、当たり前に行われていました。でも今は、むし歯菌などの感染の恐れがあるため、食具の共有は避ける考えになっています。
とはいっても、食具の共有を禁止しただけで赤ちゃんのむし歯を完全に防げるわけではありません。ママやパパの口内環境をよくすることも大事です。家族みんなで歯の健康を守りましょう。

違いその10【昔】1才を過ぎたら大人と同じものを食べさせていい

【今】薄味でそしゃくしやすいもの以外は、まだ無理

以前は離乳食開始が4~5カ月ごろと今より1カ月ほど早く、完了も早いほうがいいという考えでしたが、今は離乳食の完了は1才~1才6カ月ごろです。
大人の食事が薄味なら1才の子に取り分けられますが、通常の味つけだと塩分と糖分をとりすぎてしまいます。
「やわらかさの問題もあります。歯の生え方やかみ切る力には個人差があるので、うまくそしゃくできないとオエッとなり、その後、その食材を嫌いになってしまうことがあります」(高橋先生)
赤ちゃんが「食べることは楽しい」と感じられるよう、食べやすいものを用意してあげましょう。

違いその11【昔】健康にいいからはちみつをなめさせる

【今】1才未満の赤ちゃんには、はちみつを食べさせるのは絶対禁止

母子健康手帳にはちみつの注意喚起が載ったのは1987年以降。はちみつにはボツリヌス菌の芽胞が混入している場合があり、1才未満の赤ちゃんが食べると腸内で毒素を出すことがあるため、絶対にNG。もしも誤って少量食べさせてしまったときは様子を見て、便秘などの症状があれば受診してください。

違いその12【昔】既成のベビーフードを使うのは手抜きしすぎ

【今】ベビーフードや冷凍食品を上手に活用して

離乳食を手作りしないと愛情不足になるということはありません。今は働くママも増え、ベビーフードや冷凍食品などを上手に活用する時代です。ベビーフードや冷凍食品の種類も増え、使い勝手がよくなっており、とても便利になっています。

違いその13【昔】おふろ上がりには湯冷ましを飲ませる

【今】離乳食開始前はおっぱい・ミルクでOK

昔はおふろ上りは汗をかいてのどが渇くという考えで、赤ちゃんに湯冷ましを飲ませるのが一般的でした。今はおふろ上りの水分補給は、母乳・ミルクで行うという考えに。離乳食開始後なら水や麦茶を飲ませてもいいでしょう。

違いその14【昔】離乳食開始前に果汁でスプーンに慣れさせて

【今】果汁を与える必要はないという考えになっています

離乳食の準備で3、4カ月ごろの赤ちゃんに薄めた果汁などを飲ませていた時代がありました。しかし、2008年に栄養学的には意味がないとされ、母子健康手帳から奨励する文は削除されました。
そのため、今は果汁を与える指導はなくなりましたが、絶対に飲ませてはいけない理由もありません。

違いその15【昔】食物アレルギーなんて一部の人がなる病気

【今)食物アレルギーのリスクがある子は離乳食開始前に専門医に相談を

食物アレルギーへの配慮が「授乳・離乳の支援ガイド」に盛り込まれたのは2007年。近年、食物アレルギーの常識は10年スパンで変わっています。家族にアレルギーの人がいる、あるいは、赤ちゃんに湿疹(しっしん)がある場合は、離乳食開始前に専門医に相談するのが、今の離乳食の進め方です。

監修/高橋孝雄先生 取材・文/東裕美、ひよこクラブ編集部

今は、ママとパパが協力して赤ちゃんをはぐくんでいく時代。そのためにはどうすればいいかを、2人でよく話し合うことが大切です。「わが家流の育児」を自信を持って行うためにも、今の「常識」を知っておくことが大切です。

高橋孝雄先生
(慶應義塾大学医学部・小児科教授)

Profile 
医学博士。専門は小児科一般と小児神経。1982年慶應義塾大学医学部卒業。1988年から米国マサチューセッツ総合病院小児神経科に勤務。ハーバード大学医学部の神経学講師も務める。1994年より慶應義塾大学小児科で、医師、教授として活躍。著書に『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』、最新刊は『子どものチカラを信じましょう 小児科医のぼくが伝えたい子育ての悩み解決法』

高橋孝雄先生総監修の「最新!初めての育児新百科」は、生まれてすぐから3才までの赤ちゃんにしてあげたい育児のすべてを、わかりやすく解説しています。

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