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「うちの子、発達障がい?」エンタメ系ライターが抱いた息子への違和感

シングルマザーとして、健常児の娘「みいちゃん」と表出性言語障害、知的障害を持つ息子「ぽんちゃん」を育てるエンタメ系フリーライターの吉田可奈さん。息子ぽんちゃんが「ほかの子とちょっと違うな」と感じ始めたのは0才児のころだったそう。どんな様子に違和感があったのかをありのままに語ってもらいました。

手がかからない子の代名詞のようだった息子

――0才のときの息子さんの様子で、違和感があったのはどんなことですか?

吉田可奈さん(以下敬称略) 初めは何か障がいがあるのでは?と疑っていたわけではなく、上の子と比べてのんびりやさんなのかな、と思っていた程度でした。娘のみいちゃんは「うにゃうにゃうにゃうにゃ」とよく喃語(なんご)(※1)が出ていたし、立つ、歩くといった発達も早かったんです。それに比べて息子のぽんちゃんは反応はあるけれど、いっさい喃語(なんご)が出ないし、まったく歩く気配がありませんでした。寝返りも遅く、おすわりも今思うとあまりできていなかった感じで、いつも背中に授乳クッションを挟んで立てかけていた姿が印象に残っています。

ほかにも娘との違いでいうと、全然泣かない。常にニコニコしていて、泣くとしたらおむつが汚れたときやおなかがすいたときくらい。ギャン泣きされたこともほぼ記憶にありません。とにかく穏やかで、まわりからも「かわいいね」と言われて、本当に手がかからない子の代名詞のような様子でした。

娘のみいちゃんを出産した2007年ごろから、「発達障がい」という言葉がたくさん耳に入るようになったこともあり、「ぽんちゃんもそうなのかな」と頭をよぎったこともありますが、みいちゃんは別に普通に育っているし、ぽんちゃんもまあ大丈夫だろうと思っていたんです。

※1 「アー」「ウー」などの意味のない声のこと。生体の使い方や発声される音を学習しています。

きっかけは保育園の先生の「成長曲線にのってる?」のひと言

――息子さんがやっぱりほかの子と違うかも、と感じたのは何がきっかけでしたか?

吉田 きっかけは1才で入園した保育園で、お迎えの時に保育士さんに言われた「ところでぽんちゃん、成長曲線にのってる?」というひと言でした。「すごく小さいし、顔色もめちゃくちゃ悪いわよ」と。私から見たら、そうやって生まれて、育っている姿を見ているので、それまで全然気にしていなかったんです。でも、保育士さんにそう言われて急にすごく不安になって…。その足で小児科に駆け込みました。

医師に相談すると「確かに言われてみたら小さいね」と言われ、週に1回外来に通うことになりました。その時点でぽんちゃんの体重は6㎏ほど。それから約1年間、医師の指導でぽんちゃんの体重を増やすために栄養価の高いジュースを飲ませ、外来では、発育・発達(※2)をチェックしてもらうということが続きましたが、2才を過ぎても体重はほとんど増えず、言葉もいっさい出ないということで、紹介状を書いてもらい、大きな病院で検査をすることになったんです。

※2 1才~1才1カ月未満の平均体重は男の子で7.68~11.04㎏、女の子で7.16~10.48㎏。2才~2才6カ月未満の平均体重は男の子で10.06~14.55㎏、女の子で9.30~13.73㎏(厚生労働省 平成22年 乳幼児身体発育調査より)

検査結果はまさかの白! 私にできることは?

――検査をし、息子さんに何か異常は発見されましたか?

吉田 紹介されて受診した病院では、内分泌検査や遺伝子検査など、できるものはすべて検査しました。「どんな結果でもすべて受け入れる」と決意していましたが、1カ月後に出た検査結果はすべて異常なし。2才を過ぎてようやく歩けるようにはなったけれど、発育曲線からは外れているし、言葉も出ない。病名や障がい名がつかないことで、ぽんちゃんのためにどう動けばいいかがわからない、ということがとても歯がゆかったです。インターネットでぼんちゃんの症状を検索しても悪いことしか書いていないし、障がいを断定されていないから「もしかしたら違うかもしれない」という気持ちにもなるし…。すごく行き詰まっていました。

その後、ぽんちゃんが3才になり、3才児健診を受けた際に、まずは発達を支援してくれる「療育センター」に行くことをすすめられました。
健診後すぐに問い合わせましたが、最初の面接までまさかの半年待ち! 当初は「そんなに待たないといけないの?」と思いながら過ごしていたのですが、ある日かかりつけの小児科の医師に「保育園で、ほかのお友だちと刺激しあったり、コミュニケーションを取ることがいちばんの療育になるよ」と言われたんです。

それを聞いて、「確かにそうだな、もんもんと悩んで何もできなくて、外にも出なくてうちの中でずっと過ごすというのがいちばん大変だし子どもも何も楽しくないだろうな」と気持ちが切り替わりました。
「面接を待つ半年間、子どもたちは楽しく保育園で過ごし、私は好きな仕事をしよう」と。毎日を普通に楽しく過ごすことで、心の均衡がとれていた気がします。

私のように、子どもの発達障がいを疑って療育を受けさせたい、一度しっかり見てほしいと思うママ・パパは増えているなと思いますし、本当に今困っていて「これ以上この子と一緒にいたら虐待してしまうかもしれない」というところまで追いつめられているママ・パパもいます。

一方で、そこから療育につながるまではすごく時間がかかりますし、そこから診断が出るまでには、さらに時間がかかります。ぽんちゃんの場合は、3才から療育に通い始め、コミュニケーション障害のひとつである「表出性言語障害」だとわかったのは、6才になる目前でした。世間の認知が広がったことに合わせ、相談・面接・療育ができる施設が一緒に増えていってくれたらいいな、と感じています。

お話/吉田可奈さん イラスト/ワタナベチヒロ 取材・文/本間勇気、ひよこクラブ編集部

「2才の検査で障がいがあるんだったらあるって言ってほしかった」と話す吉田さん。発達障がいと診断されるまでには長い時間がかかるのだと感じました。「ほかの子と違う」が正常の範囲内なのか、それとも違うのかを、赤ちゃん時代に気づくことは難しく、自己判断できるものではありません。子どもの様子が気になるときは、必ずかかりつけの医師や乳幼児健診で相談しましょう。

吉田可奈さん
(フリーライター)
Profile
音楽・映画などを中心としたエンタメ系ライター。23才で結婚し、2人の子どもを授かるも、29才で離婚。現在はシングルマザーとして、中学1年生の娘「みいちゃん」と表出性言語障害、知的障害を持つ小学4年生の「ぽんちゃん」を育てながら、インタビューを中心にさまざまな雑誌やWEB、書籍などを執筆。『うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる(扶桑社)』が好評発売中。

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