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【小児科医提言】外遊び、お友だち遊びは、ウィズコロナの生活でもなくしてはいけないもの

家族で運動し、公園で一緒にジョギング。アジアの家族の父の母と娘は、草の上にスポーツの後にストレッチ。スポーツヘルスケアと医療の自由は、コンセプトをリラックス。
paulaphoto/gettyimages

ウィズコロナの新しい生活様式は、だれもが初めて経験するもの。すべてが手さぐり状態なだけに、子育て中のママやパパの不安や心配はつきません。そこで、37年間子どもたちとママやパパに寄り添う医療を続けてきた慶應義塾大学医学部・小児科教授の高橋孝雄先生に、ウィズコロナの子育てについて聞きました。

外遊び、お友だち遊びは、ウィズコロナの生活でもなくしてはいけないもの

――公園が使えるようになるなど、外遊びがしやすい環境が戻りつつありますが、感染が心配で外遊びを控えている家庭も少なくありません。ウィズコロナの外遊びについて、先生の考えを教えてください。

高橋先生(以下敬称略) 新型コロナウイルスは今まで世界のだれもが経験したことのない新しいウイルスです。専門家がいろいろな意見を述べていますが、「これが正解」という対処法は残念ながら今のところありません。
一方、ずっと家に閉じこもっていることが、子どもにとっていいことではないのは確かです。外で自由に遊ぶことは、子どもの自然な欲求で、すこやかな成長と発達のために必須のことです。子どもも、そしてママ・パパも、体調が悪くないのなら、積極的に外遊びをさせてあげてください。

――同年代のお友だちと遊ばせたいけれど、濃厚接触のリスクを考えると…と悩むママやパパも多いです。お友だち遊びについてはいかがでしょうか。

高橋 社会性やコミュニケーション力、適応力、共感力を身につけるためには、子ども同士で自由に遊ぶ時間が欠かせません。それはウィズコロナの新しい生活であっても、なくてはならないものです。
大人にとって、経済活動が感染対策とともに不可欠であるのと同じように、子どもたちにとっては子ども同士での遊びは不可欠なものです。
ですから、大いにお友だちと遊ばせてあげてください。風邪やインフルエンザと同じように、感染症対策をしっかり行えば、外遊びも、お友だち遊びも怖いものではない、というのが私の意見です。

ところで、子どもが感染症にかかる原因のひとつが一緒に住む家族からの感染。ママやパパをはじめとする同居する大人が、外から新型コロナウイルスを持ち込まないように感染予防を行うことも重要です。

デジタルの体験は、実体験が伴ったものに限定して

――緊急事態宣言が解除されたとはいえ、コロナ前より外出の機会は減っています。そのため、どうしてもスマホ・タブレットで遊ばせる時間が増えてしまうと、悩むママやパパもいます。スマホ・タブレットとは、今後どのようにつき合っていけばいいでしょうか。

高橋 スマホ・タブレットは使い方によってはとても便利なものですから、「絶対に子どもに使わせないで」というつもりはありません。
でも、デジタルの世界は仮想空間で、実生活と結びついていません。「仮想空間での出来事は、実際の体験の代わりにはならない」ということは決して忘れないでおいてください。
たとえば、動物園で実際にゾウを見たことがある子に、「ゾウさんのお耳は大きくて、うちわみたいで、風がビュンってきたよね」などと話しかけがら、スマホの中のゾウの動画を見せるのはOKです。
反対に、本物のゾウを見たことがない子に「ゾウって耳が大きいんだよ」と説明しながら、ゾウの動画を見せるのはおすすめできません。実体験を伴っていない映像は子どもの心に響かず、想像力をはぐくむことができないからです。

――ゲームをしているとおとなしいからと、幼児期からゲーム機を与えてしまうこともあります。ゲームについては、先生はどのように考えますか。

高橋 テレビゲーム・ネットゲームは、スマホ・タブレットで見る映像と同じく疑似体験です。すべての疑似体験は実体験を踏まえて行うべき、というのが私の考えです。実際に野球をしたことがある子なら、野球ゲームをしたときに、実体験に基づいて充実感を味わうことができるでしょう。でも、実体験がない子にとっては、ただの勝ち負け、駆け引きにすぎないからです。
バーチャルな遊びを子どもにさせる前に、「この子は、このことを実際に体験したことがあったか?」ということを考えて、判断してみてはいかがでしょうか。

子どもの心はしなやかで強い。まずはママやパパが元気になりましょう

――新型コロナウイルスへの脅威によって、生活のしかたがそれまでとガラリと変わり、大人でもとまどうことばかりです。こうした変化は、子どもの心にどのような影響を与えるのでしょうか。

高橋 子どもたちの心は、大人よりもしなやかで強いと思います。苦境から立ち直る力も同じです。それに、子どもは経済の心配をする必要もありませんよね。ママやパパが心配するほど、コロナ禍による直接的なダメージは大きくないのではないでしょうか。
一方、子どもの心に悪影響を与えるのは、コロナ禍による大人のイライラや不安のとばっちりを受けたときでは。残念ながら、自粛ムードが長引く中で、虐待に苦しむ子どものたちも増えているのです。
いちばん身近にいて、頼りにしているママやパパが元気がなかったり、不安気な顔をしたりしていると、そのマイナス感情はダイレクトに子どもに影響します。

コロナ禍でもすこやかに成長してほしいと願うのなら、まずはママやパパが元気を出すことです。そしてお子さんとの時間を楽しんでください。
それが、ウィズコロナの育児でいちばん大切なことだと思います。

お話・監修/高橋孝雄先生 聞き手/東裕美、ひよこクラブ編集部

ウィズコロナの生活は始まったばかり。不安や心配を感じずに過ごすことは難しいかもしれませんが、子どもの生きる力を信じましょう。そして、親子ともに笑顔で過ごせる時間を作ることが大切です。

高橋孝雄先生
(慶應義塾大学医学部・小児科教授)

Profile 
医学博士。専門は小児科一般と小児神経。1982年慶應義塾大学医学部卒業。1988年から米国マサチューセッツ総合病院小児神経科に勤務。ハーバード大学医学部の神経学講師も務める。1994年より慶應義塾大学小児科で、医師、教授として活躍。

2020年6月25日に発売された高橋先生の著書

「子どものチカラを信じましょう 小児科医のぼくが伝えたい 子育ての悩み解決法」(マガジンハウス)には、「『最高の子育て』とは何か」のヒントが詰まっています。

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