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あごの骨が小さく華奢(きゃしゃ)な今の子ども、歯並びのためにできることは【歯科医師】

女性彼女の歯を示すヘルシーミルクの歯のオフィス
※写真はイメージです。
zlikovec/gettyimages

歯並びがいいと歯磨きがしやすく、反対に歯並びが悪いとどうしても磨き残しが多くなります。健康的な歯を保つためにはきれいに並んだ永久歯が理想的。ところが近年は、食生活の変化からあごの発達が進まず、歯並びに影響するケースが出ています。どのような点に気をつければいいでしょうか? 30年以上、子どもたちの歯を診療している歯学博士の倉治ななえ先生に聞きました。

あごの骨が小さく成長する現代っ子

近年、子どもたちの歯並びが悪くなっている、ということは多くの歯科医師が感じているところです。現代の子どもたちの問題は、あごの骨が小さく華奢(きゃしゃ)になっていること。あごの成長が進まなくなった理由のひとつに、食生活の変化が挙げられます。戦後、生活が豊かになるにつれて、やわらかくて食べやすい食事が食卓に並ぶようになりました。その結果、今の子どもたちの咀しゃく回数は戦前の半分以下に減少(※1)。骨は使わないと発達しないので、同じようにあごも小さくなったと考えられます。
一方で、栄養状態は良好なことなどから平成生まれの子の永久歯のサイズは大きくなっています。「小さなあごに大きな歯」であることが、歯並びに影響を与えているのです。
※1出典 齋藤滋・柳沢幸恵「料理別咀嚼回数ガイド」風人社

乳歯と乳歯にすき間があればあごが育っているサイン

あごの骨は、骨を成長させる「骨芽細胞(こつがさいぼう)」が増えることで、育ちます。骨芽細胞を増やす方法のひとつが「かむこと」。かむとあごの骨がたわみ、細胞が伸縮します。細胞は伸縮しながらアミノ酸などの栄養を吸収し、骨芽細胞もどんどん増加していきます。
発育中の子どものあごは粘土のようなもの。よくかむことを習慣づければ、あごの骨は成長します。
あごが育っているかどうかは、乳歯を見るとわかります。20本の乳歯が生えそろうのが4~5才ごろ。このとき、すべての前歯の乳歯と乳歯の間にすき間があればあごの発達が進んでいるサイン。永久歯のサイズは乳歯の約1.2倍で、合計28本あります。そのためスペースが必要で、乳歯がくっついていると幅がたりず、永久歯は曲がって生えてきます。さらに、乳歯の状態で凸凹のある歯並びだと永久歯はほぼ確実にふぞろいになります。
乳歯列が心配なときは、小児歯科医や矯正歯科医に相談しましょう。

理想的なすき間がある乳歯の状態

永久歯が生えるのに十分なスペースがあります。

すき間がない乳歯の状態

スペースが足りず永久歯が凸凹に生える可能性が高いです。

乳歯の段階でスペースがなく、歯列が乱れている状態

ほぼ確実に永久歯は凸凹に。矯正歯科に相談を。

ひと口30回以上かんで。繊維質の多い和食がベター

あごを育てるためには、ひと口につき、右側で10回、左側で10回、両側で10回、ひと口30回ほどかむのが目標です。根菜類や乾物、海藻類など食物繊維が多いメニューを取り入れると自然と咀しゃく回数がアップ。さらにいろいろな食材を使うと、口の動きにバリエーションが生まれます。これらの条件を考えると、あごの発達には和食が向いているといえます。
ただし、いくらメニューを工夫しても子どもに食欲がないと、かむ回数は増えません。早起き・早寝をする、外でしっかり遊ぶ、食事の時間を守るといったメリハリの生活を心がけ、かんで食べる意欲を育てることも大切です。

床に足がつかない状態だとかむ力がダウン

しっかりかんで、もりもり食べているにあごが小さいまま、というときは食べる時の姿勢を見直してみましょう。足が宙に浮いていると、姿勢が安定せずかむ力が約15%落ちることがわかっています(※2)。食事のときは床にしっかり足をつけて食べられるように、テーブルといすの高さを調整しましょう。
※出典/「エステティックな永久歯列を獲得するために必要な幼児期における日常生活について」倉治七重、歯科審美11(1)1998

かむためには乳歯のむし歯予防は必須

むし歯になると歯が痛くなって、しっかりかまなくなります。またむし歯が進行して乳歯が抜け落ちると乳歯はすき間を埋めようとして、だんだん歯間が狭まってしまいます。あごの発達、歯並びのためにも乳歯のむし歯予防は必須です。

口呼吸は歯並びに影響も。まずは耳鼻科へ

歯並びの観点からすると、口呼吸の癖はやめさせたいもの。口で呼吸をする子は基本的に口が開いています。口を閉じるには、上下の唇の筋肉を締める必要がありますが、口が開いたままだと唇の筋肉が緩み、舌が前歯を押し出す力が強くなります。舌の圧力が長期間続くと、前歯が前に出たり上下の前歯にすき間が開いてしまうことがあります。
口呼吸の子は、鼻がつまっていることが多いです。まずは耳鼻科に連れて行き、鼻のとおりをよくしてから、口を閉じる練習をしてみるといいでしょう。

監修/倉治ななえ先生 取材・文/中澤夕美恵、ひよこクラブ編集部 イラスト出典:はじめての歯みがきレッスン(倉治ななえ著/PHP研究所)

よく遊びよく寝て、よくかんでよく食べる、といった生活習慣はすこやかな成長の土台。あごの発育にも効果的とあれば、早速実践したいものです。


倉治ななえ先生(くらじななえ)

Profile
テクノポートデンタルクリニック院長・日本歯科大学附属病院 臨床教授。
子どもが本来持っている“歯と口が健康になる力”を歯科医の立場で引き出す「子育て歯科」を提唱。

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