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10月1日から定期接種に!小児科医が教える“ロタウイルスワクチン”の話

彼女の腕の中に生まれたばかりの赤ちゃんを抱いている美しい女性
写真はイメージです
tonefotografia/gettyimages

生後2カ月になった赤ちゃんを抱き、初めての予防接種を受けに来たお母さん。「ロタウイルスワクチンの接種が無料になるっていう話を聞いたんですけど…。うちの子も対象になりますか?」との質問に、陽ちゃん先生の答えは…?

赤ちゃんやママ・パパにいつもやさしく寄り添う陽ちゃん先生こと、小児科医の吉永陽一郎先生が、日々の診察室で起きた、印象深いできごとをつづります。先生は育児雑誌「ひよこクラブ」でも長年監修として活躍中です。「小児科医・陽ちゃん先生の診察室だより」#20

2020年10月、ロタウイルスワクチンは定期接種に

8月初旬ごろ、生後2カ月になった赤ちゃんを抱き、つき添いのおばあちゃんと一緒に、初めての予防接種を受けに来たお母さんがいました。

「あの、ロタウイルスワクチンの接種が無料になるっていう話を聞いたんですけど…。うちの子も対象になりますか?」

――ロタウイルスワクチンの接種が無料になるのは、2020年8月1日以降に生まれた赤ちゃんが対象です。お子さんは5月末生まれですから、残念ながら公費の対象にはなりませんね。

「そうらしいですね。ロタウイルスワクチンは値段が高いから、もう悔しくって…。今日、接種を受ける予定なんです」お母さんは残念そうな口ぶりで話します。

2020年10月1日、ロタウイルスワクチンは、任意接種から定期接種に変わります。よって、今年の8月1日以降に生まれた赤ちゃんは、10月から公費で予防接種を受けられることになりました。

自治体によっては、8月以前に生まれた赤ちゃんにも補助が出たり、無料で受けられたりするところもあります。当医院がある久留米市では、2020年4月2日生まれの赤ちゃんから、公費で受けられるようになりました。

しかし、この赤ちゃんの住所は久留米市ではなく、誕生日も国が定めた時期の対象外でした。

「生まれたタイミングで、損をするようなこともあるのでしょうか」お母さんは肩を落とします。

――そんなことはないでしょう! 元気で生まれてきてくれたのですから、いつだって幸運な日だったと思っていいと思いますよ。

もっと昔であれば、受けられない予防接種もたくさんありました。肺炎球菌も、ヒブも、B型肝炎も、今では定期接種です。1才から接種できる水痘(水ぼうそう)ワクチンも、無料になったのはそんなに前の話ではありません。決して損なことはありません。

「そうですか。そう考えると、今の時代に生まれてよかったのかな。…ちなみに、ロタウイルスワクチンはこれまで任意接種だったものですが、やっぱり受けたほうがいいんですよね?」

――世界では、多くの人がロタウイルスに罹患(りかん)すると言われます。赤ちゃんのころから繰り返しかかり、激しい下痢や嘔吐の症状が出ます。重症化すると、点滴が必要になったり、入院したりしますし、中には命の危険をともなう人もいました。日本ではロタウイルスが原因で亡くなる人が少ないですが、海外では亡くなってしまうほど重症化する人がいる、怖い病気です。

「なるほど…。ロタウイルスワクチンの接種後に、何か気をつけることはありますか?」

――ロタウイルスワクチンを飲むと、腹痛と嘔吐の発作が起きたり、血便が出たりする腸重積のリスクがあると考えられています。これから一週間くらいの間、ひどく機嫌が悪いとか、便に血が混じるとかの症状がないか、気をつけて見ておいてください。そのような症状が出たときは、すぐに来てくださいね。

「腸重積…。そんな怖い病気があるのですね…」

――そうですね。接種が遅れるとその分リスクが高まるため、リスクを低くするために、ロタウイルスワクチンは、生後14週と6日までに受け始めるのがいいと言われています。

ただし、もちろん腸重積の可能性がすごく高いわけではありませんので、ワクチンを受けるメリットの方が大きいと思いますよ。受けることをお勧めします。

ワクチンの同時接種、していいの?

それまで話を聞いていたおばあちゃんが、孫の顔を見ながら心配そうに言いました。

「先生、今日はいろいろな注射を打つんですよね。私が子育てをしていたときは、一度に一本だったんですけどねぇ…。一度に何本もの予防接種をしても、本当に大丈夫なのでしょうか?」

――昔と比べて、日本で受けられる予防接種の種類はぐっと増えています。そして、一本だけ打っても、何本か一緒に打っても、効果も副反応も差はないのです。今では、同時接種をするのが積極的にすすめられているんですよ。

今はたくさんの予防接種を受けないといけないので、1回に1本ずつ打っていくと、何度も通ってもらわないといけませんし、種類や接種間隔の間違いも起きやすくなりますしね。むしろ、同時に受けたほうが安全だと思っています。

「そうですか。それじゃあ先生、よろしくお願いします」

――大丈夫ですよ。間違えずにきちんと打ちますからね。
そう説明すると、おばあちゃんは納得してくれたようですが、孫の顔を痛々しそうに見ています。

そして、このお母さんも、赤ちゃんにロタウイルスワクチンを受けさせることに決めました。私は、なんとか赤ちゃんがワクチンを吐きださないよう、気をつけながら飲ませました。

文・監修/吉永陽一郎先生 構成/ひよこクラブ編集部  

吉永陽一郎先生(よしながよういちろう)

Profile
吉永小児科医院(福岡県久留米市)・院長。国内初の子育て専門診療科である聖マリア病院母子総合医療センターの「育児療養科」科長などを経て、現職。

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