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2020年10月から、ワクチン接種間隔の法律が改正に【小児科医が解説】

新生児 - 生後2日眠っている人間の年齢
Mitsuo Tamaki/gettyimages

吉永先生のクリニックでは、予防接種を受けると、次はいつ、何のワクチンを受けるかの相談をするといいます。あるお母さんと次の接種について相談をしていたときのこと、小児科ではどうして予防接種を受けられる診療日が決まっているの? という疑問から、話は2020年10月1日のワクチン接種間隔に関する法律改正に…。

赤ちゃんやママ・パパにいつもやさしく寄り添う陽ちゃん先生こと、小児科医の吉永陽一郎先生が、日々の診察室で起きた、印象深いできごとをつづります。先生は育児雑誌「ひよこクラブ」でも長年監修として活躍中です。「小児科医・陽ちゃん先生の診察室だより」#20

小児科によって、予防接種の接種日や時間が決まっているのはなぜ?

2020年9月の初めごろ、2回目の予防接種を受けた、3カ月の赤ちゃんと、そのお母さん。次回の予防接種の計画について、相談していたときのお話です。

「私の仕事の休みが、なかなか取れなくて…。医院で指定されている接種日に時間を作ることが大変なんですよね。予防接種って、いつでも受けられるようにできないんでしょうか?」

小児科によって異なりますが、当院では予防接種を受けられる日時をあらかじめ決めているため、このような相談をいただくこともあります。

――そうですか。確かにお仕事をされていると、時間に自由がききませんよね。いつでも予防接種を受けられるというのは、便利でいい面もありますが、気をつけないと病気で来院している患者さんと一緒になってしまい、病気をもらってしまうリスクがあるんです。

ですから、予防接種の指定日を決めておき、そこには病気の患者さんの予約が入らないようにしているんです。

「なるほど。そういう理由があったんですね」

――予防接種の予定で来る人にも、ちゃんとその予防接種を受けられる月齢になっているのか、前回との間隔が正しく空 いているのか、最終的にご家族の希望する予防接種は何か…など、間違わないよう入念にチェックをします。

スタッフ全員が忙しくしていますので、病気の患者さんでごった返しているときには、間違いが起こりやすいかもしれません。もちろん、あってはいけませんけどね。なので、予防接種専用の予約時間帯を設けているのです。

「そうですか。理由がよくわかりました。小児科の予定日に合わせて来られるようにしますね」

2020年10月、ワクチンの接種間隔に関する法律が改正に

お母さんに接種日について納得していただいたところで、次の予防接種の予定日を相談しました。

「来月のこの日なら、たまたま仕事が休みなんですが、その日でもいいですか?」


――その日はまだ打てませんよ。

「え、でも一カ月近く先ですよ?」

――それが、今の規則では、生ワクチンを打ったり飲んだりした後は27日以上、その他の不活化ワクチンの後は6日以上、間を空けないといけないと決まっているんです。その日だとちょっと足りません。

「27日とか、変な日数ですねえ」

――27日というのは、ほぼ4週間後です。前回予防接種を受けた日と同じ曜日に打てるように、4週間でなく、27日間空けると決められているんです。6日間を空けるというのも、一週間後の同じ曜日にうつことができるので、間違いが少ないようになっているんですね。病院も予防接種の曜日というのを設定しやすくなります。

「今日受けたのは、肺炎球菌と、ヒブと、B型肝炎と、ロタウイルスと…」

――そのうち3つは不活化ワクチンですが、ロタウイルスワクチンは生ワクチンですからね。次の予防接種まで間が27日間必要です。

「そうなんですかあ。じゃあ上の子は、麻疹風疹の生ワクチンを打ったので、他の予防接種まで同じように27日待つんですね。」

――10月以降なら、待たなくてもよくなるんですけどね。

「え?どういうことですか?」

――2020年10月1日から、予防接種の接種間隔に関する法律が改正になるので、このあたりが変わってくるんですよ。

先ほど説明したように、これまでは注射でも経口でも、生ワクチンのあとは27日以上間を空けること。不活化ワクチンのあとは6日以上間空けることと決められていました。

しかし、2020年10月の法律改正に伴い、注射の生ワクチンを連続で受ける場合を除いて、接種間隔の制限がなくなります(注射の生ワクチン→注射の生ワクチンの場合は、これまで通り27日間以上の間隔が必要です)。また、飲む生ワクチン、不活化ワクチンを接種した次の接種は、種類にかかわらず間隔の制限がなくなるんですよ。

「ということは、何度も打つ予防接種を短期間で全部進めることもできるんですか?」

――いえいえ、そうはいかないんです。それぞれの予防接種には、どのくらいの間隔で、何回打つのが理想的か決まっていますから、おおまかには今までと変わらない間隔で接種することになります。

それに、同じ予防接種どうしでは、接種間隔が決められているものが多いんです。たとえば、飲む生ワクチン→飲む生ワクチンの間隔の制限はなくなりますが、飲む生ワクチンであるロタウイルスワクチンの場合、1回目と2回目の間隔は4週間空けると決められています。

このような場合もあるので、一概に短期間で進めやすくなるとは言えませんが、種類によっては、数日前倒しをして接種をすることも今後はできるようになりそうです。

「なるほど。親にとっては融通が利きやすくなるので、助かりますね」

――これまで、数日早く接種してもお子さんに健康被害もなく、予防接種の効果もしっかりあるのに、医療ミスだと問題になることがありました。もちろん、これからも注意は必要ですが、医者としては少しホッとしているんです。

「教えてくださってありがとうございます。みんなにも教えちゃおう」

――いえいえ。でも繰り返しますが、それぞれのワクチンで決められた間隔と、回数は変わりませんから、その点は理解しておいてくださいね。

そうして、お母さんと9月終わりごろの予防接種の日を約束しました。当院の予防接種の予定日にはどうしても都合がつかず、今回はこの子だけ特別に日時を設定しました。そのあとの接種は10月を過ぎるので、今後は多少働くお母さんの都合に予定を合わせやすくなるかもしれません。


文・監修/吉永陽一郎先生 構成/ひよこクラブ編集部  

吉永陽一郎先生(よしながよういちろう)

Profile
吉永小児科医院(福岡県久留米市
)・院長。国内初の子育て専門診療科である聖マリア病院母子総合医療センターの「育児療養科」科長などを経て、現職。

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