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コロナ禍の避難、防災のプロに聞いた、赤ちゃん・子連れの避難所ぐらし、知っておきたい3つのこと

自宅が被災してしまった場合、長期の避難所生活を強いられることになるかもしれません。避難所での暮らしは、大人でさえストレスも溜まり大変なもの。とくに小さな子どもやママ、パパにとっても、はじめての経験で戸惑うことも多いでしょう。そこで、アウトドア防災ガイドのあんどうりすさんに、避難所の現状や気をつけるべきポイントを聞きました。シリーズ「小さな子どものいる家庭で災害が起きたら…?」の連載3回目です。

<プロフィール>
あんどうりすさん
アウトドア防災ガイド。阪神大震災の被災体験とアウトドアの知識を生かし、2003年より全国で講演活動を行う。日常使いのバッグを防災仕様にするというアイデアや、子育てグッズと防災グッズをイコールにするアウトドア流のアイデアは、子育て中のママやパパに好評。

あんどうりすの防災・減災 りす便り

知っておきたいこと1 母子専用や遊具付きなど避難所※が進化!コロナ禍では車中泊も視野に

避難所としてよく使われている体育館などは、そもそも寝泊まりをする場所として作られていないので、夏は暑く、冬は寒い場所。子ども連れの家庭にとって、決していい環境とは言えないような……。東日本大震災以来、少しずつ避難所の環境は改善され、最近は母子専用や遊具付きの避難所が増えてきたり、国立病院や大学の施設などが避難所として解放されていると聞きますが、実際はどうなのでしょうか。

(あんどうさん 以下敬称略)「東京都文京区は、区内の大学と協働して、災害時「妊産婦・乳児救護所」の開設を実施。その他にも埼玉県東松山市では子育て支援センターにまず避難できるようになってきました。ただ、多くの自治体は、まず、普通の避難所内での対応や、普通の避難所に行ってから母子専用の場所が紹介されるなど地域により差があります。また、避難所に子どもの遊び場を確保する事は、内閣府の避難所運営ガイドラインにも書かれているので、どこでも設置が必要なものです。子どもたちは遊ぶことで心を回復させていくことがわかっているからです。そのため、子どもの遊び場を自治体の避難所運営マニュアルに明記したり、遊具施設がある場所を避難場所とする自治体もあります。ただ、新型コロナウイルスの影響もあり、遊び場の確保まで手がまわっていない状況もあります」

※避難する場所は大きく分けて主に2つあります。
一つは、「避難場所」です。避難場所は、地震などによる火災が発生し、地域全体が危険になったときに避難する場所で、火災がおさまるまで一時的に待つ場所です。基本的には食料や水の備えはありません。具体的には、大規模な公園や緑地、大学などが指定されています。
もう一つは「避難所」です。避難所は、地震などにより家屋の倒壊や焼失などで被害を受けた方、または現に被害を受ける恐れがある方が、一定の期間避難生活をする場所です。飲料水やトイレなどを備えています。具体的には、小中学校や公民館などの公共施設が指定されています。

子どものための遊具がある避難所

(あんどう)「小さな子どもがいると、周囲に気を遣って、親戚や知人の家を含めた在宅避難や車中泊を選ぶ家族も少なくありません。台風など数日の避難ですむなら、旅行気分で早めにホテルに行くこともおすすめです。また、コロナ禍では避難所で密を避けるという意味でも、車中泊を選択肢の一つとして考えたいところなのですが、車中泊の場合には、いくつか気をつけたいポイントがあります。

車中泊の場合、夏はとても暑く、冬はとても寒くなります。そのため、窓ガラス、床、ドアなどに銀マットをあらかじめ窓サイズに切っておき、養生テープなどで貼ります。また、動かずに同じ姿勢のままでいると、エコノミー症候群になるリスクもあるので、車内で寝る場合にはベッドのようにフラットになるようにして、不自然な姿勢のまま寝ないように工夫しましょう。また、車中泊は場所選びも大切です。停めていた場所が浸水区域だったといったことがないように、ハザードマップで確認を。コインパーキングの立体駐車場などに避難できるところもあるので、事前に調べておくと安心です」

あんどうさんいわく車の場合は電気が使えるのもメリットのひとつ。エンジンをかければ、体を一時的に冷やしたり、暖を取ることもできます。カーチャージャーがあれば、スマホの充電も可能。台風が近づいていて避難する可能性がある場合は、早めにガソリンを満タンにしておくとよいそうです。

知っておきたいこと2 災害時もいつもどおりを続けられるように工夫をコップで飲ませる方法も

災害が起こった時にママにとって気がかりなのが、赤ちゃんの栄養問題。授乳中の赤ちゃんにしっかり飲ませられるか、不安に思うママも多いかもしれません。

(あんどう) 「ミルクやオムツなどの支援物資は、最近の局地的な災害では、1日後までに避難所に届けられるようになってきました。ただ、クルマが壊れていて避難所に取りにいけない、停電で情報が得られないなどの場合は手元に届けられるまでにはなっていませんし、大規模な災害が起こることもあります。自宅に最低1週間分の備蓄を置くと同時に、親戚や知人宅にも備蓄したり、避難の際の持ち出し用に最低3日分は確保しておきます」

授乳スペースが設置された避難所

画像提供 あんどうりす

(あんどう)「2020年5月に公表された内閣府男女共同参画局のガイドラインには、母乳育児をしている人で、災害時もそのままでいたいと思っているのであれば、『母親がリラックスして母乳が継続して与えられる環境を整え、必要な水分・食料や休息を取るための支援が必要です』と書かれています。母乳を少しでもあげることで、感染症予防につながりますが、母乳をあげなければいけないという話ではなく、避難所、避難場所でママが母乳をあげたいと思った時、授乳室や安心できる部屋を求めることは、けしてわがままではないということです。避難所の授乳室設置は国の方針であることから、設置する避難所も増えてきています」

災害時で知っておきたい、赤ちゃんの栄養

画像提供/あんどうりす

また、ミルクを飲んでいる赤ちゃんが災害時も衛生的な環境でミルクが飲めることがとても大切とあんどうさん。以下の点を災害時には注意する必要があります。


<ミルクをあげる時に気をつけたいポイント>
・粉ミルクの場合は、70度以上で殺菌すること(カイロなどで温めるのはNG)
・液体ミルクの保管状況が35度以上になるような場合は、常温を超えてしまうので、保管場所に注意する(保冷剤入りのクーラーバックに入れる)
・ミルクはよく混ぜて、よく振ること(割り箸などがあると便利)

さらに、哺乳瓶や乳首が消毒できないこともあるので、紙コップでミルクをあげる方法もあるので覚えておいてください。赤ちゃんを縦だっこし、コップで少しずつ与えてください。また、飲み残したミルクは必ず捨ててください。



避難所生活では、赤ちゃんがぐずってしまったり、思うように飲んでくれなかったりと、さまざまな悩みも多いそう。

(あんどう)「災害時は、災害というだけで不安なのに、 赤ちゃんもいつもと違うことを感じ取ってぐずってしまうことも増えます。そんな時、困っているのは自分だけじゃないからと我慢しがちですが、先ほどから紹介しているガイドラインには、『育児中の女性は平常時から、「子供のため」として我慢したり、周囲からそうした価値観を押しつけられることも少なくありませんが、災害時は、そうした状況がより強まる傾向にあります』と書かれているのです。そして、さらに、『災害時には、より一層、母親の意思を尊重し、不安や悩みをはき出しやすい環境を作っていくことで、母親の回復に繋がり、最も脆弱である乳児の支援に繋げていくことが重要です』と書かれています。だから、今は我慢せず、周りに助けを求めても大丈夫ということを覚えておいてください。避難所の中で相談できる人を探すほか、LINE を使って、赤ちゃんの授乳や栄養に関する相談(災害時の乳幼児の栄養・授乳オンライン相談)もできるので、ぜひ活用してみてください。

知って置きたいこと2 身近なアイテムを使って、避難所生活でのストレス解消を

内閣府は、避難所には必ず遊び場を作るようにという方針を出していますが、自治体によっては、まだまだ整っていないところも多いようです。そんな中で、子どもがストレスを溜めないように、あんどうさんが提案するのは、身近なものを使って遊ぶ方法です。

(あんどう)「いつも使っているおもちゃを持っていく方法もあるのですが、それが魅力的すぎて奪い合いやけんかになってしまい、親のストレスになったという話もあります。身近なものを使って遊ぶ方法だと、奪い合いが起きにくいので、普段から慣れておくといいですよ。タオルを使って風を送り合ったり、引っ張りっこする遊びもいいですね。折り紙があれば、生活で使えるコップや入れ物を子どもと一緒に作るなど、お手伝いをさせながら遊ぶのもおすすめです」

また、避難所生活が長くなると、子どもがストレスを抱えないか、周囲に迷惑を掛けていないか、心配ばかりするママも多いもの。でも、避難所生活を乗り切るには、ママ自身も自分を大切にしなくてはとあんどうさん。

(あんどう)「被災すると、乳幼児の栄養状態や衛生状態が心配だったり、今後の生活再建の不安など、心配事が増えます。避難所にいる場合はもちろん在宅避難でも車中泊でも今は支援の対象になっているので、我慢しないで声をあげてください。ママの精神状態が悪くなると、子どもに当たってしまうこともあり、悪循環に。そして、頑張りすぎないようにしようと思ったり、自分に優しくしようと思っても、いっぱいいっぱいになってしまうのが災害時なのです。大切なのは、子どもを預けるなど自分だけの時間を確保できるようにすることです。また、避難所運営にママの意見が反映されているところは、ママたちが運営に関わっています。事前に行政とつながって声をあげておくことも大事です。最近は、行政もママの参加を歓迎しているので、一緒に過ごしやすい場所が作り出せるといいですね」

取材・文/内田あり


避難所での生活は、誰にとっても未知のこと。避難所がどんな場所なのか、何に気を付けたらいいのかを事前に知っておけば、それに対して対策しておくことができ、それだけでも気持ちに余裕が生まれますね。

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