緊急避難時、子どもに何持たせる?乳児・幼児別の「避難用バッグ」を100均アイテムだけでママライターがつくってみた!
9月は防災月間。今年は例年以上に、地震をはじめ豪雨や台風など自然災害にまつわるニュースをよく耳にします。最近では100円ショップやホームセンターなどに専用コーナーがあったりと防災グッズを身近に手に入れることができるので、万が一のときに備えて準備されている家庭も多いのではないでしょうか。
とくにお子さんのいる家庭では、「子どもと一緒に避難する場合」をしっかり想定しておきましょう。大人と子どもとでは、避難時のポイントや用意しておきたい持ちものが異なります。
そこで今回は、ママライターが「子どもの防災バッグ」づくりを実践!まだ歩けない乳児と、1人で歩ける幼児のそれぞれ用に防災アイテムを用意しました。
【乳児の場合】「防災ポーチ」にまとめて親の防災バッグに
赤ちゃんは自分でバッグを持つことができないので、大人用の防災バッグに入れる「防災ポーチ」をつくりました。親と共用のものは親用のバッグに入れ、ポーチには赤ちゃんが使うものだけを入れることで、緊急時にも整理整頓がしやすくなるように。
100円ショップでそろうアイテム
ダイソーとセリアで以下のアイテムを調達しました。
・取っ手つき洗濯ネット(22×32×10cm)/ダイソー
・マイクロファイバースポンジ/ダイソー
・たためるシリコーンコップ/セリア
・圧縮タオル/セリア
・ビニール袋/ダイソー
ポーチはぬれてもすぐ乾くよう、取っ手つきの洗濯ネットを活用!セリアの圧縮タオルは水にひたすとふくらみ、タオルとして使える優れもの。本来のタオルに比べると薄いものの、ウェットティッシュより強度があるので手洗いすれば数回使えますよ。
シリコーンカップは哺乳びんがないときの代用品として。また、今回は100円ショップでビニール袋を購入しましたが、大規模災害時は地域のごみ収集機能が停止することもあるため、におい対策用として防臭タイプがよりおすすめです。
自宅にあるもの+日常づかいできる液体ミルクなど
・おむつ&おしりふき
・おもちゃ
・常備薬
・ベビーフード(レトルトの離乳食など)
・液体ミルク
・使い捨て哺乳びん
・おやつ
・着替え
ふだん持ち歩いているマザーズバッグの中身を参考に、使い捨て哺乳びんをはじめ、液体ミルクや開けてそのまま食べられる離乳食も準備しました。お出かけのときにも便利なので、自宅にストックしておくといいでしょう。
準備ができたら防災ポーチに詰める
すべての防災アイテムをポーチに詰めていきます。アイテム数自体は結構多いものの、伸縮性があるのでポーチにすっぽりと収まりました。これを、親の防災バッグに入れれば完成です。
小さく折りたためる「抱っこひも」も一緒にイン
わが家では、避難時にまだ歩けない乳児を抱えて歩き続けるシーンを想定し、親用の防災リュックには小さく折りたためる抱っこひもも入れました。
【幼児の場合】子どもと一緒に「防災リュック」をつくる
1人で歩ける幼児には「子ども用の防災リュック」を用意しました。中に詰めるときは、「これは軍手ね」「このホイッスルはこういうときにこう吹くんだよ」と、一つ一つアイテムの使い方を説明しながら一緒に詰めることで、子どもの理解促進につながりました。
最初はピンとこない様子だった娘も「地震で避難するときにはこれを背負っていく」「ママやパパとはぐれてしまったら、近くにいる大人にこの緊急連絡先を見せる」など、頑張って覚えていました。
100円ショップでそろうアイテム
・虫よけ/セリア
・アルミ温熱シート/セリア
・おもちゃ(折り紙、塗り絵)/セリア
・色えんぴつ/ダイソー
・除菌ティッシュ/ダイソー
・子ども用のマスク/ダイソー
・電池/ダイソー
・ホイッスル/ダイソー
・カラビナつき2WAYランタン/ダイソー
・携帯用トイレセット/セリア
・子ども用の軍手/セリア
・エチケット袋/セリア
・食料(ようかん、キャラメル、ふりかけ)/ダイソー
・歯ブラシ/ダイソー
携帯用トイレや温熱シートなどスタンダードな防災アイテムのほかにも、季節や周辺環境に応じて虫よけやカイロなどを用意しておくとよさそうです。
また、まだ小さい子どもの防災リュックに入れておきたいのが「音が出ないおもちゃ」。おもちゃがあると気持ちを落ち着かせやすいですが、音の出るものだと周囲への迷惑も心配です。避難所で数日間を過ごす場合を想定して、静かに遊べる折り紙やぬりえ、色えんぴつなどを入れました。
子ども用のおやつや食品は、ふだんから食べ慣れている&軽量なものをチョイス。今回は娘の好物でもある、ようかんやふりかけを入れました。
ここで気をつけたいのは消費期限。いざというときに「期限切れで食べられない!」ということにならないよう、わが家では定期的にチェックして、消費期限が近くなってきたら食べてまた買いたすローリングストック法を実践しています。
※ローリングストック法…蓄える→食べる→補充することを繰り返しながら一定量の食品が備蓄されている状態を保つ防災手法(政府広報オンラインHPより)
IDカードつきの「ホイッスル」には緊急連絡先を
ダイソーで購入したIDカードつきのホイッスル。中には、名前・電話番号・住所などが記入できる紙が入っており、緊急連絡先を記入しておけば万が一のときも安心ですね。吹き方に少しコツが必要だったので、リュックに入れる前に子どもと一緒に吹く練習もしました。
小銭などこまかいものはまとめておく
お金の理解があるお子さんであれば、小銭も入れておくと安心ですよ。ばんそうこうなどの応急処置セットと一緒に小さめの袋にまとめて入れておきましょう。
「名前・連絡先」を書いたネームキーホルダーをつける
ダイソーで購入した「ソフトネームキーホルダー」に、名前(表面)と電話番号(裏面)を記入してリュックのファスナー部分に付けました。
ダイソーにもセリアにも「防災」コーナーがあり、いざというときに便利なアイテムが豊富にそろっていました。今回は手軽に手に入るオーソドックスなものをピックアップしていますが、ご家庭によって必要なアイテムはそれぞれなので、お子さんの年齢や生活スタイルに合わせてアレンジしてくださいね。
また防災ポーチや防災リュックは、一度用意したら安心というわけではなく、子どもの成長に合わせて中身を定期的に見直したりアップデートしていく必要があります。とくに成長が早い乳児であれば、3カ月に一度くらいのペースで備えを見直す必要性を感じました。
【見直す際のポイント】
・食品の賞味期限
・服のサイズ
・おもちゃに興味を示すか...etc.
文・撮影/ふじたはなこ
日常が一瞬にして姿を変えるその瞬間、パニックに陥らないためにも、日ごろからシミュレーションをしておくことが大切です。お休みの日や時間があるときに、子どもと一緒に地域の指定緊急避難場所を下見に行くなどして、親子で防災意識を持っておきたいですね。
●この記事は個人の体験記です。
●記事の内容は2024年8月の情報で、現在と異なる場合があります。