【○×でわかる】意外と知らない洗濯の基本_子育て家庭の洗濯“あるある”を洗濯ブラザーズが解決!
毎日する家事といえば…そう「洗濯」です。特に子どもがいるご家庭では洗濯の頻度、多いですよね。でも、家庭で行われている洗濯は意外と間違いが多いのだそう!
そこで、最近メディアに引っ張りだこの「洗濯ブラザーズ」に、洗濯にまつわる正しい知識を教えてもらう連載がスタートします!
第1回目は、「意外と知らない洗濯の基本」です。
洗い上がりへの不満や洗濯機・洗剤にまつわる疑問
口コミサイト「ウィメンズパーク」投稿された、洗濯にまつわる様々な悩みを取り上げてみると…
■ 普通に洗っているのにタオルが臭くなる!
「先日、洗剤自動投入、乾燥機能付きの洗濯機を購入しました。
が!!洗ったタオルが臭ーい! 枝豆のような匂いがするのです…。タオルの雑菌が問題なのでしょうか。漂白剤で変わるかしら…。匂わず、ふんわりと仕上がる洗剤や柔軟剤、洗濯のコツなどを誰か教えて!」
■ 新しい洗濯機の水の量が少なくて不安…
「買い替えたばかりの縦型洗濯機は、自動水量だと、ひどい時は洗濯物量の1/3〜1/4程度の水量にしかならないこともあり、洗った気がしません。
夫は『今の洗濯機は昔と違って、少ない水量で洗えるんだから、水を増やすのはもったいない』と言います。ドラム式なら少ない水量というのもわかりますが、縦型も今はそうなのでしょうか?」
■ 保育園児の靴下の泥汚れが凄すぎる!
「保育園に通っている息子は、靴下のまま、どこにでも行くからか、靴下の裏がいつも真っ黒。そのまま他の洗濯物と一緒に洗うと、なかなかきれいになりません。液体漂白剤などをつけてから洗うとキレイになるのでしょうか?」
■ 洗濯洗剤は粉と液体、どっちがオススメ?
「洗濯洗剤は粉と液体どちらを使ってますか?我が家は液体をずっと使用していましたが、粉洗剤の方が汚れ落ちがいいと、雑誌やネットで見かけてから、次は粉洗剤にしようかと考えています。
最近は高校生の息子のシャツの汗臭い匂いがとれず、つけ置きしてから洗濯している日々。粉洗剤にしたら、この手間は省けるのかしら…」
■ 娘の体育着の黄ばみがとれない!
「娘の学校では頻繁に体育着を着る機会があり、首の周りや脇が黄ばんできてしまいました。胸に刺繍が入っているので、ハイターなどでのつけ置き洗いをすることもできません。制汗剤を使っていると、黄ばみができやすいとも聞きました。何かいい洗濯法はないでしょうか」
洗濯ブラザーズ監修! 洗濯の常識○×クイズ
みなさん、洗い上がりに不満があったり、今の洗濯法に疑問があったりしているようですね。ここで洗濯にまつわる常識を見直してみましょう。
まず、以下の5つの質問に○×で答えてみてください。
1 汚れがひどい時は、洗剤をいつもより多めに入れて洗う
2 洗濯機のコースは、洗濯機に任せている
3 洗う時の水の温度は高いほうがいいので、風呂の残り湯を使う
4 袖口や襟周り、脇、足裏などの汚れが落ちにくいので、液体漂白剤をつけてから洗う
5 乾燥時間短縮のため、脱水時間を長めにしている
いかがでしたか? では、洗濯ブラザーズの長男である茂木貴史さんに解説をしていただきましょう。
「実はこれらの答えはすべて×。
1、2、3は洗い上がりに直結する問題ですね。
まず、洗剤はたくさん入れたからといって洗浄力が強くなるわけではなく、かえってすすぎきれずに繊維に洗剤が残って黄ばみや部屋干し臭の原因となります。
ちなみに最近の洗濯機は節水仕様のものが多いですが、水量が少ないと、汚れを落としきれなかったり、シワがつきやすくなったりします。水量は衣類を洗濯機に入れてこぶしで衣類を軽く押さえた時に、手首が水につかるのが目安です。
また、水温が高いほうが洗浄力は高まりますが、かといってお風呂の残り湯を使うのはオススメしません。お風呂のお湯には、皮脂やタンパク質が流れ出ているため、汚い水で洗っていることと同じになってしまいます。お風呂のお湯を使うくらいなら、常温の水のほうがキレイになりますし、イヤな臭いもしません」(茂木さん)
では、黄ばみなどがあって、なかなかキレイになりきらない場合はどうしたらいいでしょうか。
「プロと家庭の仕上がりの差は洗濯前の処理です。洗濯機で洗うだけでは繊維に染み込んでしまった汚れがたまって、やがて黄ばみや黒ずみになってしまいます。
かといって漂白剤を日常使いにすると生地にダメージが。オススメなのは、スプレー容器に弱アルカリ性の液体洗剤(セスキ水でも代用可)と水を1:1の割合で混ぜた前処理剤を作り、汚れの気になるところにプッシュして15分ほど置いてから洗う方法。
落ちにくい汚れは、放置の前に洗濯ブラシ(なければ他のブラシでも)などで叩いて皮脂を浮かせると効果的。
それでも汚れが落ちない時には、酸素系漂白剤を使いましょう。ただし、酸素系漂白剤は40℃以上の温度でないと効果を発揮しません。
粉洗剤と液体洗剤では粉洗剤のほうが洗浄力が高く、特に靴下などの泥汚れに効果的です。
脱水時間を長くすると、より水分が飛ぶので乾燥時間が短くなりますが、その分、シワが心配です。ある程度の水分があって、その重みでシワを伸ばすほうが後々の手間を省けます」(茂木さん)
節約と水温を優先して風呂の残り湯を使うより、水のほうがキレイになることや、酸素系漂白剤は40℃以上の環境でないと効果がないなど、新たな発見がありました。プロが教える正しい選択法で、洗濯の悩みをスッキリ解消しましょう。(取材・文/橋本真理子)
<プロフィール>洗濯ブラザーズ https://sentakulife.com
茂木貴史、茂木康之、今井良の3人で結成した、毎日の洗濯を楽しくハッピーにするために活動するプロ集団。横浜でクリーニング店「LIVRER YOKOHAMA(リブレ ヨコハマ)」を経営するかたわら、劇団四季、シルク・ドゥ・ソレイユ、クレイジーケンバンドなど国内外の有名アーティストの衣装クリーニングを行う。
初の著書に『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム刊)があり、「生乾きの臭い」「黄ばみ」「シワ」「シミ」などの洗濯の悩みは間違った洗い方で起きているもので、それらを解消するための工夫などを紹介している。
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。