この冬、春生まれの赤ちゃん「新型コロナウイルス感染症を予防するためのポイント」を医師に聞く
育児中、気になるのが新型コロナウイルス感染症の予防。家族が感染しないためには、どのようなポイントが重要なのか、小児科の先生にお聞きしました。
室内はとにかく乾燥させない!50~60%の湿度を保って
新型コロナウイルスは高温・高湿度には弱いという報告があるので、加湿は一定の効果があると考えられます。また、通常、ウイルスは湿度が50~60%で、不活性化(感染力を失う)しやすいといわれるので、お部屋の加湿は、ぜひ行いましょう。ただ、高すぎる湿度もNG。50%台をめざしましょう。
1 時間に1 ~ 2 回は換気を行い、室温は新生児期は20~25度、生後1カ月からは18~23度を目安に
換気は1 時間に1 ~ 2 回でOK。 2 つ以上の窓を開け、風の通り道をつくります。窓が1つの場合は、部屋のドアを開けましょう。冬は、窓を開けると部屋の温度が急激に下がるので、赤ちゃんが寒くないように、掛けものなどを使い、体温調整をしてあげて。夜間はわざわざ起きてまで換気をしなくてもいいでしょう。
室温は新生児期は20~25度、生後1 カ月からは18~23度を目安に
新型コロナウイルスは風邪の原因となるウイルスのひとつなので、気温&湿度が低い場所では活性化しやすいといわれています。湿度を保つほかに、室温も低くなりすぎないように注意を。とくに新生児期は体温調節機能が未熟なため室温は20~25度を目安に。それ以降は18~23度を目安に調整しましょう。必要であれば一日中エアコンを使ってOK。ただし、換気を小まめにし、エアコンの風が直接赤ちゃんに当たらないように気をつけましょう。
自宅内での除菌は神経質にならなくてOK。代わりに玄関にアルコールを置こう
ウイルスは主に、手指や顔、髪の毛などに付着し、家庭内に持ち込まれます。中でも、ウイルスがいちばんつきやすいのが手指。そのため、玄関に手指消毒用アルコールを置いておき、外出から戻ったら必ず使って除菌すれば、室内にウイルスを持ち込む可能性はグッと低くなります。これと手洗いの習慣があれば、室内を小まめに除菌しなくてもいいでしょう。
コートは手洗い前にハンガーにかけてつるす
上着にウイルスがついた場合、脱ぐ際に手指につく恐れが。そのため、手洗いは上着を脱ぎ、ハンガーにかけたあとに行いましょう。服についたウイルスが気になる場合は、服にアルコールスプレーを吹きかけても〇。
マスクは帰宅したら手洗い前にはずす
お出かけ後のマスクには、外側にウイルスが付着している可能性があります。外出時に使ったマスクを、そのまま室内で使うのはNG。帰宅後すぐにはずして破棄をします。その後、手洗いを行いましょう。
家事をしたあとにお世話する場合は事前に手洗いor 消毒を
お世話するたびに消毒をする必要はありませんが、家事をした、トイレに行った、テレビやエアコンのリモコンを触った、上の子のおむつ替えをした、などのあとに赤ちゃんに触れる場合は手を清潔にしてからお世話をしましょう。手洗いか、アルコール消毒、どちらかで問題ありません。
赤ちゃんのお世話専用のアルコールを用意すると◎
玄関のアルコールを赤ちゃんのそばに持ってきて使用することは、避けたほうがベター。赤ちゃんのお世話セットの中にも専用のものを置いて使うことで、自宅内の物の交差が減り、ウイルスが侵入する可能性を極力減らすことができます。
上の子がいる場合も注意
上の子がいる場合は、外でいろいろなところを触っている可能性があり、ウイルスを持ち込む確率が高くなるので注意が必要です。また、おむつを替えるなど体液を触った場合は、下の子に触れる前に手洗いか手指消毒をしましょう。
密な状態で会食したら、帰宅後は濃厚接触を避けよう
外に出る機会が多い人のほうが、ウイルスを持ち込む可能性が高くなるので注意を。3密空間にいた場合は、手指だけでなく、顔や髪の毛、服にウイルスが付着している可能性が。帰宅後は、手洗いや消毒はもちろん、1週間ほどは家族と濃厚接触しないようにするなど、自覚を持った行動をしましょう。
監修/水野泰孝先生 取材・文/たまごクラブ編集部
気温が低い時期は新型コロナウイルスが流行りやすいもの。手洗い・消毒、マスクを使ってできる限り、予防しましょう。
参考/『たまごクラブ』2020年12月号「出産準備グッズこれが必要!全リスト」付録
水野泰孝先生
Profile
東京慈恵会医科大学大学院修了。東京医科大学准教授、同大学病院感染制御部長などを歴任。2019年より現職。日本感染症学会指導医、日本小児科学会指導医。専門は熱帯感染症、渡航関連疾患、予防接種。
グローバルヘルスケアクリニック院長