ママに人気のヒットプロデューサーが考える「ママになったその次は…?」
2児の母であり、エディターや整理収納アドバイザーとしても活躍中の小脇さん。今月は、5才の息子さんからの思いがけない質問に、「ママの将来の夢」について考えた、ホンネを語ります。 小脇美里の「子育てのホンネ」 Vol.14 です。
息子からの思いがけない質問に、ドキッとしました
先日、「ママは大きくなったら何になりたい?」と息子に聞かれました。どうやら保育園で“インタビューごっこ”がはやっていて、好きな食べ物や得意なことなどをお友だちと聞き合いっこしているそう。私にもよく質問をしてくれるのですが、突然こう聞かれてドキッとしました。もうとっくに大人だし、将来の夢を語れる年齢ではないと思っていたけど、キラキラした目で「ママは何になりたい?」と聞かれたら、すぐには答えられませんでした。
答えに詰まってしまった私は、「じゃあ、あなたは何になりたいの?」と聞いてみました。すると「うんとね〜、まだ決めてない。仮面ライダーになりたい気もするけどそれって高校生くらい(※息子が好きな『仮面ライダージオウ』は、普通の高校生が仮面ライダーになるという物語)でしょ? まだママみたいな大人じゃないし、お仕事じゃないから、高校生で仮面ライダーになるとして、大人になったらなんだろうな〜。おれってさ、レゴを作るのが天才的に上手だから、レゴ作る人もいいな。あと、絵も上手だから絵描きさんか、車も好きだから車を造る人。パパのお仕事も楽しそうだよね! ママみたいに本を作るのもいいな〜。おれって本読むのも上手でしょ? 悩んじゃうな〜」と答えたのです。
「大人になったら仕事をする」と認識していることや、「仕事ってなんか楽しそう」と思ってくれていること。何より、「なんでもできそう!」と自分を信じる力がものすごく強いことにびっくりしました。
自己肯定感の高い子に育ってほしい、と子育てをしてきましたが、もう彼には備わってきているんだなぁと、すごく感動した出来事です。
ママになったその次は、何になりたいのだろう?
「あなたならなんでもできるよ。なんにだってなれる! 好きなこと、楽しいこと、大人になるまでにいっぱい見つけてね」と息子に返したら、「うん!」とニッコリ。この先、挫折することや傷つくことだってもちろんあると思います。でも、「僕はなんだってできる」という自信をいつまでも忘れずにいてほしいなと感じました。親として、この自信の種を大きく伸ばしてあげることを、忘れずにいたいなと。
私は小さいころから本が大好きで、今こうして本の編集をしているということは、ありがたいことに夢はかなっているのかなと思います。でも人生100年時代といわれる今、まだ私は37才。100才まではさすがに生きていないかもしれないけど、80才くらいまでは生きられるかなと考えたら、まだ人生の折り返し地点で。想像していた「大きくなったら」は、もう通り過ぎていると思っていたけれど、まだこれからなのかもしれません。私が80才のときには、息子と娘は立派な大人で、大切な人と出会って、もしそこに命が生まれて、孫を抱っこできたら、子どもが大好きな私としてはそれ以上の幸せはないだろうなと。でもそれは息子・娘の人生の選択次第。だからそれを目標にするのは違うなと。あくまでも希望であり、夢ですよね。なので、50才くらいに照準を合わせて、そのころには「ママは何になりたい?」の答えを見つけられていたらいいなと感じました。
今は子育てと日々のことに追われて、それどころじゃないけれど(笑)。ママにもまだ「何か」になれる未来の時間はたくさん残っていると、息子のひと言で気づかされました。
「ママ」になった今、さて、次は何になりたいですか? そんなことをたまには考えてみるのもいいなあと思いました。
文/小脇美里 撮影/羽田 徹[memories photostudio] 構成/ひよこクラブ編集部
小脇美里さん
Profile
アパレルプレス&デザイナーを経てファッションエディターに。整理収納アドバイザーや商品企画のプロデュースなど多岐にわたり活躍。2015年に第1子、19年8月に第2子を出産。令和初のベストマザー賞経済部門を受賞。