ヒットプロデューサー・小脇美里「2人目の離乳食は、頑張りすぎないことを目標に」
2児の母であり、エディターや整理収納アドバイザーとしても活躍中の小脇さん。今回は、ママ友から相談されることが多いという「離乳食」について。
第1子のときに苦労した自身の経験を振り返りながら、ホンネを語ります。SNSじゃ話せない。小脇美里の「子育てのホンネ」Vol.12です。
手の込んだ離乳食を作ろうと頑張りすぎていた1人目育児
第1子を出産したママからよく相談を受けるのが「離乳食」のこと。離乳食を始めるのが不安、始めたけど作るのが大変など、悩んでいる方がとても多いと感じます。私も第1子のときは、超心配性な性格がゆえに離乳食関連の本を20冊くらい買い込み、それこそ「ひよこクラブ」はもう教科書のようにこまかく読み込んで、ものすごくまじめに取り組んでいました。
その結果、ちょっとグラム数が違うだけで不安になったり、手の込んだものにしようと頑張りすぎて疲れてしまったり。せっかく作っても息子にお皿を飛ばされ、床に飛び散った離乳食を見て途方に暮れたことも…。そんな思い出があったので、娘の離乳食も正直気が乗らず、6カ月を過ぎてようやく重い腰を上げ、スタートしました。
今回は自分の中で、「頑張りすぎない」ことを目標に掲げ、手を抜けるところは抜くため、便利グッズや調理の技について調べました。初期は、全部ゆでてつぶすだけなので、野菜はまとめてゆで、ハンドブレンダーでガーッとすりつぶす。時間のあるときに一気に作って、ブロック状のトレーに入れて冷凍し、日替わりで組み合わせを変えて解凍する、というシンプルな方法に。こうすると、ストックが無くなったらたせばいいので、負担がほとんどなく。あれ、こんなに離乳食ってラクだっけ?と思いました。
「食べない日があってもOK」とおおらかに構えています
思い返せば、息子のときはすり鉢ですりつぶしていて準備に時間がかかり、その上食べてくれないとガックリと肩を落としていたなと。でも、赤ちゃんからしたら準備に時間をかけたかなんて、知ったこっちゃないですよね(笑)。 “安全に適切なものを食べられればそれでよし “と考えを改め、無理をしないことで、娘がもう食べない!となっても、そっか今はおなかいっぱいか〜ミルクにしよっか〜と簡単に気持ちを切り替えられました。
とはいえ、朝はあまり食べたがらなかったり、スープが好きなのでかたくなにスープが出るまでおかずを食べなかったり、5分経過すると椅子から脱け出し、部屋をうろうろしながら食べたり食べなかったり。それなりに大変ですが、大人だって、今日は食べたくないなとか、肉じゃなくて魚の気分だったなんてことありますよね。赤ちゃんにも、今日はこの気分じゃないんだよねって日があっても自然なこと。「まあ、そんなこともあるよね」とこちらが気持ちをおおらかに持つことで、笑って過ごせるような気がしています。
娘が離乳食を全然食べなかった日に、私が「あれ〜今日は全然食べないな、どうしたんだろ?」と言っていたら、5才のお兄ちゃんが「まあ、そういう日もあるよ!」とわかったふうに言いつつ食べさせてみたら、娘がパクパク食べ始めた、なんてことも。育児書にあるような「正しい離乳食」とは違うかもしれないけれど、なんだか娘は楽しそうだし、私も気がラクに。ママにも赤ちゃんにも楽しい時間なのであれば、それがいちばんの栄養かなと思います。
初めての育児は、初めてのことだらけ。悩むのはそれだけ子どものことを真剣に、大切に思っているからこそ。でも、できればママが楽しいと感じる時間をもっと増やしていけたらいいですよね。なのでもし選択肢の中に、ラクできる方法があれば、自信を持ってラクなほうを選んでみてください。それがきっと、ママと赤ちゃんにとっての「楽しい」につながると思います。
文/小脇美里 撮影/辻田美咲[miicha_photo] 構成/ひよこクラブ編集部
小脇美里さん(こわきみさと)
Profile
アパレルプレス&デザイナーを経てファッションエディターに。整理収納アドバイザーや商品企画のプロデュースなど多岐にわたり活躍。2015年に第1 子、19年8 月に第2 子を出産。19年の経済部門ベストマザー賞を受賞。