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ママエディターが専門家に聞くSDGs ジェンダー平等や、環境問題を子どもにどう教える?

子育てとも深くかかわるSDGs(=持続可能な開発目標)。ママを代表して、育児雑誌「ひよこクラブ」連載中のファッションエディター小脇美里さんが国際協力・ジェンダー専門家である大崎麻子さんと対談しました。
SDGsとは具体的に何か、私たちが今できることはどんなことがあるのかについてお伝えします。

そもそもSDG sとはどんな意味?

大崎さん(以下敬称略)SDGsとは、2015年の 国連サミットで、 国連加盟国である193カ国の首脳が集まって全会一致で採択された、2030年までに達成すべき 17の目標のことです。背景には、紛争や貧困、気候変動など、世界が抱えるさまざまな問題があります。SDGsとは、英語の”SustainableDevelopmentGoals“の略ですが、重要なのはSustainable=続くようにする“というキーワード。

私たちが今のままのライフスタイルを続けると、世界は続かない。それを続く世界に転換するために、何をすべきかを定めたのです。なので、17の目標の内容は、社会・経済・環境を柱に、多岐にわたります。

SDGsと子育てってどうかかわる?

大崎 子育て中のママやパパこそ、できることがたくさんあります。まず、赤ちゃんが大人になったときに、世界はどうあってほしいか想像してみてください。

SDGsの期限の2030年だと、赤ちゃんは小学生ですよね。この2030年までがまず第一歩。ここでSDGsを果たせないと、いろんな問題がふくれ上がります。たとえば、環境破壊による地球温暖化が進むと、生態系が崩れてしまい、動物を宿主としていたウイルスの寄生先がなくなり、人間のほうにやって来るかもしれない。未来の世界は未知の感染症だらけの可能性もあります。そう考えると、未来のために、今、何ができるかが見えてくるはず。


小脇さん(以下敬称略) わが家では、5才の息子が本の影響で、プラスチック製品を使うことに疑問を持っているんです。エコバッグをなぜ買い物に持っていくか、ママが子どもに説明するのも、子育ての中でできるSDGsの取り組みですね

大崎 子どもがいちばん先に触れる社会は家庭です。ママやパパが言ったことは子どもに大きな影響があります。だからこそ、親の発言や振る舞いが大事になる。SDGsに関する意識づけにおいても、とても影響があると思います。

SDGsが示すジェ ンダー平等の実現。できることは?

大崎 SDGsの5番はジェンダーの平等を掲げており、このジェンダーの問題の解決は、私のライフワークでもあります。

小脇 私も産後、ジェンダーの問題をより身近に感じるようになりました。たとえば、私の知人が長男に「男の子だから泣かない!」と言ったことがあるんです。でも、本当は男の子も悲しいときや痛いときは当たり前に泣いていいはず。今でもたくさんの人が、“男=強いもの”と刷り込まれているんだと・・・。みんな悪気なく、口にするのが怖いですね。

大崎 本当にそう。SDGsのジェンダー問題についていうと、性暴力の問題はとくに重要です。ジェンダーの発展途上国の日本では、性教育がきちんとなされておらず、誤った知識から性暴力の加害者・被害者になるケースも多い。

性教育は単に生理のしくみや避妊のしかたを教えるのではありません。男性と女性がお互いに尊重し合うことや、”自分の体のことを決めるのは自分“ と伝えるのが人間教育。海外では、水着が覆う部分はプライベートゾーンと呼び、自分以外に触らせてはダメと小さなうちに学びます。この„自分で決める力“ をはぐくむ働きかけを親は意識したいですね。

「自分で決める力」 をはぐくむため、赤ちゃん時代にすべきことは?

大崎 普段から赤ちゃんによく声かけをすることや、日々のお世話をしていれば、大丈夫。そうするうち、赤ちゃんは自分がすごく大切にされているんだな、安全な環境にいるんだなと感じて、根っこの自己肯定感=自分を大切に思う気持ちがはぐくまれていきます。すると、人の顔色に左右されずに自分の意思を尊重できる子に成長していけるはず。

小脇 私も自己肯定感は大事に考えていて、子どもに「大好きだよ」や「大切だよ」と、事あるごとに伝えていますが、それが間違いではなかったと安心しました。そのせいか、息子をたくましく感じることも多いです。

大崎 子どもと会話が成立するようになったら、好きなものの話をよく聞いてあげるのもおすすめです。子どもの好きな対象を、ママやパパがどう思うか、感想も伝えましょう。

私もライオンキングに夢中な息子に 「自分が (主人公の) シンバなら、 どうする?」と話しかけたりしていました。そういうやりとりの中で、子どもは自分で考える力をつけ、気持ちを伝える表現方法を学びます。すると将来、自分で物事を決める段階に入ったときにスムーズですし、自分の人生を自分で舵取りする力の土台になります。

SDGsとコロナ後の世界…この2つをどう考える?

大崎 ポストコロナは、もっと人と人が助け合って生きていく時代になると思います。そういう他者を助ける視点こそ、SDGsのめざすところ。だけど、自分が大切にされた経験がないと他者に手を貸せません。なので、小さなうちにたくさんの人に大切にされる経験を積んで、いろんな人と平等に話せる機会をつくってほしい。

小脇 息子は保育園に入園後、先生やお友だち、お友だちの親など、親以外の人に大事にされる経験が増えて、それが彼の強みになっていると思うんです。まわりに自分を大切にしてくれる味方を多くつくれるって重要。それって何があっても自分に打ち勝つ強さにつながるかなと。と言っても、入園前は、預けること自体に抵抗もあったんですが(苦笑)。

大崎 それもジェンダーの問題ですね。日本には、子育ては、母親の責任“ という風潮があるし、ニューヨークにいた私でさえも罪悪感がありました。ただ、当時の職場・国連本部には、育児経験のある上司たちがいて、「アサコ、仕事も育児も頑張って偉い。それで大丈夫!」といつもほめてくれた。 本当にありがたかったですね。ママの自己肯定感もとても大事なものだから。

SDGsはこれからのママの生き方にどうかかわる?

小脇 職場の人がほめてくれるってとても素敵。やはり、日本のママの自己肯定感は、低いように感じます。あらゆる場面で謝ってばかり。私自身も子どもを預けて仕事することに、罪悪感だらけでした。ただ、これからの社会は、働くママがさらに増えていくはず。みんなが働きやすい社会をつくるために、SDGsについてかみ砕いて伝えていくことも、私のできることの一つなのかな。0才の娘が大きくなったときに、女性だからと選択肢が狭まることのないような社会をつくりたいですね。

大崎 小脇さんのように、親が学ぶ姿勢や働きかける姿勢って、子どもが„自分で決める力“ をはぐくむためにも重要ですよね。SDGsのことも、単に「この本を読みなさい」ではなくて、「一緒に読もうね」って、大人がともに学ぶ姿勢を見せてほしい。すると、”ママも知らないことがあるんだな“ 、知らないことを知るって楽しいことなんだ”って、本人の学びのモチベーションにもつながると思います。そういう意味でもSDGsは、親子で取り組むのにいい題材ですよね。関連したワークショッですよね。関連したワークショップや塗り絵なんかもあるので、ぜひ赤ちゃんがもう少し大きくなったら、一緒に取り組んでみて。

ひよこクラブの読者にメ ッ セージをお願いします!

大崎 ひよこクラブを読んでいるママって、育児生活の中でも、きっと今が肉体的にも精神的にもいちばん大変な時期。まずは、人と比べないでくださいね。赤ちゃんのこともそうだし、ママ自身のこともそう。それがいちばん大事だと思います。

子どもの成長スピードってその子によってかなり違う。いつ歩くかとか、いつ言葉が出るかとか、そのときは一大事だけども、あとから振り返れば小さなことなんですよね。適したスピードは、子ども自身がよくわかっている。それを信じて、その子の持つ花を咲かせてあげてください。

わが家にも子どもが2人いるけども、 2人とも、それぞれ違う花を咲かせています。面白いですよ。どんな花が咲くかはまだわからないけど、楽しみにして、今を頑張ってくださいね。


小脇 SDGsって、壮大でひとごとのように感じてしまうけど、そうではないんですよね。今日の対談にも出てきたとおり、子どもにかける言葉一つが、SDGsの取り組みとなる。 私たちの行動が、世界をよくすることにつながると思うと、すごい!そういう意識を持つ人が増えると、暮らしやす社会になるんじゃないかな。一緒に頑張りましょう!

取材・文/江原めぐみ、ひよこクラブ編集部

大崎麻子さん

Profile
国際協力・ジェンダー専門家。元国連開発計画(UNDP)職員。2人の子どもを育てたママ。著書に「エンパワーメント 働くミレニアル女子が身につけたい力」(経済界)など。

小脇美里さん

Profile
アパレルプレス&デザイナーを経てファッションエディターに。整理収納アドバイザーや商品企画のプロデュースなど多岐にわたり活躍。5才と0才児のママ。2019年経済部門ベストマザー賞を受賞。

ひよこクラブ7・8月合併号

ひよこクラブ7・8月号ではママやパパのためのSDGs記事を掲載。ほかにもムーミンベビーのBIG保冷マグバッグや、カレンダー式離乳食フリージング別冊などの付録がついています。

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