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発達が気になる子どもの園生活においては、加配の先生がいたほうがいいの? 【専門家】

幼稚園で遊んでいる子供たち
※写真はイメージです
maroke/gettyimages

2020年4月に厚生労働省から発表されたデータ(※1)によると、保育所等を利用する児童の数は294万人となり、前年と比較すると約5万8000人の増加となりました。
そして、保育園を利用する子どもの数が増加すると同時に、配慮が必要な子どもの利用率も増加傾向にあります。
立教大学現代心理学部教授で、臨床心理士・公認心理師であり、特別支援を専門とする大石幸二先生に話を聞きました。

※1「保育所等関連状況取りまとめ(令和2年4月1日)」

加配保育士確保に予算も倍増

保育園等で受け入れている配慮が必要な子どもの数は年々増加し、2018年度に約7万8000人という調査結果(※2)が出ています。
数字が増えた背景には、働く女性が増えて保育所利用そのものが増えたこともありますが、配慮が必要とされる発達障害の子どもが増えていることもあります。ママやパパとしては、発達が気になる子どもたちを安心して保育園に預けたいと考えていると思います。

※2令和2年版 障害者白書

「発達障害の子どもが増えているということには、診断の概念が変化したことが要因のひとつにあげられます。
たとえば自閉症スペクトラム障害に関してですが、従来は米国精神医学協会が定めている診断の基準が3つありました。“コミュニケーション”、“こだわり”、“想像力”です。しかし、2013年にその基準が変更され、“こだわり”、そして“社会性”と大きな枠組みとなったのです。それにより自閉症スペクトラム障害の割合は、35年前までは1万人に4~5人といわれていたのですが、今では、57人に1人(米国疾病予防対策センター調べ)という割合になっています」(大石先生)

障害がある、配慮が必要である子どもとそのほかの子どもたちが、同じ教育、保育を受ける環境のために大切なことは何でしょうか。
国は、障害を持つ子どもたちが充実した生活を送れるように、2018年度以降から、障害児の保育に対応する職員の加配に係る地方交付税措置として、措置額を2017年度までの約400億円から約880億円に倍増させました。
この予算は効果的に使われているのでしょうか。

「配慮が必要な子どもに加配の先生をつけてもらうには、その子どもが療育手帳や身体障害者手帳を持っていることがひとつの判断基準になりますが、最終的には自治体によるところが大きいです。審査がありますので、お母さん・お父さんが必要性を感じていても、認められなければ、加配の先生をつけることはできません。認められなければ、加配の先生をつけることはできません。子どもたちの状態(どのような場面で、どの程度の支援を必要とするのか)によって、園児1人に対して1人なのか、2人に対して1人なのかというのが自治体で判断されます。判断の際は、専門家の意見も参考にしながら、過不足のない支援について慎重に検討する必要があります」(大石先生)

ともに集団生活を送るためには

障害がある、配慮が必要な子どもに対して加配の先生がつくということは、本人にとってもほかの子どもたちにとっても、園全体にとってもいいことで、必要なことのようです。
加配の先生がついたとして、配慮が必要な子どもを持つお母さん・お父さんはどのようなことに注意をすればいいでしょうか。

「いかにほかの子どもたちと一緒に園生活を送ることができるか、ということです。お母さん・お父さんが、加配の先生と担任の先生とともに、その子が“今できていること”“少しの手助けでできそうなこと”“当面は難しいと考えられること”を綿密に相談することをおすすめします。
“難しいこと”もそこで終わるのではなく、代替えを考え、その子がどうすれば、集団に参加できるかを検討しながら決めていく。面談を行うのは国によって決められているので(個別の支援計画といいます)、お母さん・お父さんたちが必要と感じていれば、園に提案してみてもいいかもしれません」(大石先生)

スモールステップで成長の喜びを

サポートが必要な子どものママやパパたちが笑顔でいるためには、どんな考え方をしていたらいいのでしょうか?

「お母さん・お父さんたちには、“ものさしを変える”ことをおすすめしています。メートル単位で見ているものさしを、ミリメートル単位にして、こまかい育ちのステップを見てあげる。見る視点を変えてみるのです。また、第3者的に子どもの成長を見てもらえる、信頼が置ける人たちを作るのもひとつの案です。親子の思いをくみ取り、親子とともに、共感する。今の目の前の小さなステップが将来どのように結びつくか、目先だけではなく将来まで見込める信頼が置ける人々を作ると、親御さんの不安も少しは解消され、親子ともに成長できるはずです」(大石先生)

お話・監修/大石幸二先生 取材・文/中西美穂、ひよこクラブ編集部

配慮が必要な子どもが増えていることで、保育園の現場の改革が求められています。設備面に対する、改善は比較的スムーズに行われていますが、加配の先生を必要としている園児に対し、すべてニーズが満たされているとは言いきれないのかもしれません。

大石幸二先生(おおいしこうじ)

Profile
東京学芸大学大学院修士課程・筑波大学大学院博士課程満期退学。臨床心理士・公認心理師。臨床発達心理士。筑波大学、明星大学を経て、2006年立教大学現代心理学部に着任。専門は、応用行動分析、行動コンサルテーション。著書に『通常学級のユニバーサルデザインと合理的配慮』(金子書房(児童心理)、分担執筆、2016年)、『スクールソーシャルワーク実践技術』(北大路書房、分担執筆、2016年)、『ケースで学ぶ行動分析学による問題解決』(金剛出版、分担執筆、2016年)など

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