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吉田明世 2020年12月に第2子出産、さかごで帝王切開でのお産を振り返る

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「コロナ禍により、例年とは異なるクリスマスムードの中、第2子となる男の子を出産しました! 今回は、さかごのため帝王切開での出産。私なりの体験談をお伝えできればと思います!」と話してくれたのは、2020年12月に第2子を出産し、2児のママになった、フリーアナの吉田明世さん。

吉田明世さんの育児エッセイ第15回は「2020年12月に第2子出産。帝王切開でのお産を振り返る」です。

知らなかった! おなか以外が痛む“関連通”

帝王切開で出産と聞くと、麻酔が切れたあとのおなかの傷の痛みが最大の難関、と思っていた私。しかし、麻酔をすることでほかのところが痛む、関連痛というものがあることを、今回の出産で初めて知りました。

私の場合、とくに力を入れすぎたりしたわけではないのに、なぜか右の肩のあたりがズキンズキンと激しく痛み、なんとその痛みは赤ちゃんが生まれたタイミングから、朝方まで続いたのです。

おなかの傷の痛みは、座薬や飲み薬などの痛み止めでなんとかなるのですが、肩の痛みは薬も効かず…
ひょっとしたら、傷口の痛み以上にしんどい痛みだったかもしれません。まさかおなか以外のところに痛みを感じるなんて、想像すらしていませんでした。

「みんな頑張れ!」痛いのは自分だけじゃない!

出産当日、麻酔と肩の痛みとで身動きが取れない私は、赤ちゃんのおむつ替えや授乳の補助だけでなく、トイレや悪露の処理など自分のことすらなにもできず、すべてを助産師さんが担ってくれました。毎度のことではありますが、精神的にも身体的にも支えてくださる助産師の皆さんには感謝してもしきれません。

そんなわけで助産師さんの偉大さをかみしめながら、ひたすら天井を見上げて右肩の痛みと闘い、赤ちゃんと過ごした初めての夜。その日はたまたま出産ラッシュだったようで、次から次へと陣痛が始まった妊婦さんが来院し、産院は大忙し! 

院内には陣痛に耐える妊婦さんの叫び声が響きわたっていました。今回、私は陣痛を体験することはなかったものの、そのあまりに悲痛な叫びを聞き、「痛みの種類は違えど、痛いのは自分だけではないのだ…」と実感。

出産中の妊婦さんを勝手に同志のように感じ、「がんばれー!がんばれー!!」と応援しながら、赤ちゃんの産声を聞いては心の中でガッツポーズをするのでありました。

過酷なリハビリ…。でも、頑張った分だけ結果はついてくる!

産院にもよると思いますが、私が出産したところでは「手術後はなるべく早めに歩いたほうが身体の回復も早くなる」という方針のもと、2日目には無理のない範囲で、自分で立ち上がり、歩行練習を始めることになっていました。手術前に産後のスケジュールを確認した際は、「まぁ2日目なら、立ち上がってゆっくり歩くくらいはできるだろう…」と思っていたのですが、これがもう、笑っちゃうぐらい痛かったのです。

あれ?人間ってどうやったら起き上がれるんだっけ?どこに力を入れたらいいの?あれあれ、傷口全開しそうだけどこのまま起き上がっていいんですか??とそのあまりの痛みに戸惑いを隠し切れませんでした。

しかも2日目からはリモコンで起き上がる電動ベッドではなくなってしまったので、一度寝っ転がると起き上がるどころか、体勢を変えることすら困難に。それでもなんとか頑張ってみるのですが、起き上がるだけで1分はかかります。そんな具合なので、ペンやスマホの充電コードなど、物が下に落ちてしまった時の絶望感は今でも忘れられません。

しかし先生の言うとおり、痛みに耐えながらもリハビリを重ねていくうちに、徐々に痛みの逃し方のコツをつかみ、どんどん回復していくのが感じられ、おむつ替えや座りながらの授乳など、赤ちゃんのお世話もやっとできるようになったのです。もちろん絶対に無理をしてはいけませんが、リハビリを頑張れば結果はついてくるのだ、と身をもって実感したのでありました。

さかごが直らなかったのには、理由があったのかもしれません

28週ごろからさかごだった息子。さかご体操にお灸、整体などなど、できる限りの対策をしたものの、その努力もむなしく、出産当日まで回転することはありませんでした。ほとんどの赤ちゃんが出産までには回転するのに、どうして自分のおなかの子は…と思い悩んだことも。

しかし驚いたことに、出産後何人かの助産師さんに「この頭の形だと、さかごが直っていたとしても産道を通るのは難しかったかもしれないですね!」と言われたのです。どうやら後頭部が大きめだった息子。1ミリでも頭の角度がズレてしまうと、産道を通るのが難しい形だったそう。

ひょっとすると息子もそのことをわかっていて、最後の最後まで回転しなかったのかもしれません。今となっては、これも息子の母への思いやりだったのかなぁ、なんて思っています。

「どんな形であっても出産は奇跡!」とあらためて感じました

そんなわけで、身体の痛みも、回復の遅さも、計画無痛分娩で産んだ第1子とは何もかもが違った今回の出産。それでも変わらず感動的だったのは、わが子と初対面した瞬間でした。赤ちゃんの安全が第一のため、生まれてすぐに抱き上げるということはかないませんでしたが、呼吸が落ち着いたタイミングで私の顔の近くまで連れてきてもらいました。

初めて目にするわが子の姿、初めて触れ合う頰と頰。このときばかりは、「生まれてきてくれてありがとう。」と涙を流さずにはいられないほど、感動的な体験であり、感謝の気持ちでいっぱいでした。
産む前はあんなに不安に感じていた帝王切開での出産も、いざ経験してみるとそれはそれは素晴らしいお産体験となり、今となってはおなかの傷跡を見るたびになんだか息子と一緒に手に入れた勲章のようで、誇らしく思えるほど。

私のようにさかごが直らなかったり、ふたごちゃんだったり、出産中に緊急で帝王切開となったり…帝王切開で出産される方はそれぞれいろんな事情があるかと思います。もちろん、傷口の痛みなど、帝王切開ならではの苦労は多くありますが、帝王切開だからこそ気づけること、経験できることもたくさんあることを知りました。

文/吉田明世 構成/ひよこクラブ編集部

帝王切開での第2子出産を振り返って、リアルな体験談を語ってくれた吉田明世さん。最後に「まだまだ新型コロナウイルスの影響は続きそうですが、全国の妊婦の皆さんが、前向きに出産の日を迎えられたらいいなぁと思います」とメッセージをくれました。

吉田明世(よしだあきよ)
Profile
1988年生まれ。2018年5月に女の子を、2020年12月に男の子を出産した。TBSのアナウンサーを経て、19年にフリーとなり、テレビ・ラジオ・イベントなど幅広く活動。保育士資格のほか、絵本専門士の資格も取得。

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