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コロナ禍で産後うつが倍増!?こんな時だからこそ、ママのSOSに気づいて【専門家】

赤ちゃんに飽きた若い母親の肖像
※写真はイメージです
IgorTsarev/gettyimages

産後は心身の健康状態が不安定になりやすい時期ですが、さらに現在コロナ禍の状況が重なり、産後うつが増えているともいわれています。
感染拡大防止の観点から、子育てひろばなどのコミュニケーションの場が減少し、産後のママが孤立しやすい状況が続く今、心の不調が現れたらどうすればいいのでしょうか。
産後ケアや周産期のメンタルヘルスに詳しい東京医療保健大学の米山万里枝先生に聞きました。

コロナ禍で産後うつが倍増!?

――コロナ禍で妊産婦の孤立化が心配されています。産後うつはコロナ前より増えているのでしょうか?

米山先生(以下敬称略)東京医療保健大学は、2016年から品川区より委託され日帰り型産後ケアを行っており、2018年には産後ケア研究センターを開設し、宿泊型・訪問型の産後ケア事業や電話相談などを行っています。その中で、2016年から現在まで、品川区の産後ケア利用者、約1000人を対象にエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS※)による評価を行った結果が上のグラフです。日本ではEPDSのスコアが9点以上がうつ病の可能性が高いとされています。スコア9点以上が通常時期では7.3%であるのが、コロナ禍では14.7%となり、うつの可能性がある人は倍増していると考えています。

国立成育医療センターの調査では、2015〜2016年の2年間で、妊産婦の最も多い死亡原因は自殺で、そのうち9割が出産後1年以内と発表されました。この結果からもわかるように、産後は通常時期でもメンタルヘルスケアが大事な時期です。新型コロナウイルスの影響で、さらに専門家によるフォロー体制が必要だと感じています。

アフターコロナの状況悪化が懸念される

――産後ケア研究センターは無料電話相談を行っているそうですが、新型コロナ前とあとで相談内容に変化はありましたか?

米山 コロナ禍で在宅ワークをする人が増えましたね。在宅ワークや育休取得でパートナーが一緒にいてくれてうれしい、という人もいる反面、産後のママの負担が増えてしまったという側面もあったようです。ママからは、リモート会議に生活音が響かないように気をつかう、お世話をする人が赤ちゃんのほかにもう1人増えて身体的負担が増えた、という相談内容もありました。

最近のパパたちは二極化しているのかもしれないと感じます。夫婦で対等に分担しあい、産後のママを気づかって一生懸命やっているパパもかなり増えました。一方で、家事や育児に対して同等ではなく、「やってあげている」と代行意識で家事や育児をするパパもいます。パパなりに気づかっているつもりが、ママが期待している結果にならず、「気づかっているのになんで気に入らないんだ」と夫婦の思いがうまくかみ合わないことも。

男性育休などの制度もでき、子育ては夫婦2人でするものという意識は広まってはいます。しかしコロナで在宅時間が増えたことで、パパが家にいるからといって、必ずしもママの状況がよくなるとは限らないということがわかりました。

産後のうつは孤独・孤立感で増します。ウィズコロナの現在で、産後うつの状況が改善していないとなると、アフターコロナにはさらに悪化するかもしれないと危惧しています。

パートナーの変化を感じたら、専門家に相談を

――コロナ禍で妊娠・出産をしたママたちは、体の変化に加えて感染のリスクの不安も抱えながら、人との出会いや会話が減り、気持ちを打ち明ける場がないとも聞きます。モヤモヤを抱えたらどうすればいいですか?

米山 心身の状態が変化しやすい産後は、モヤモヤを1人で抱え込まず、ぜひ専門家を活用してほしいです。
まずは出産した病院・産院の医師や看護師、助産師に連絡をしてみる。そこから必要であれば精神科医につながることもあります。

母子健康手帳に付属の新生児訪問を申し込み、助産師に相談してみるのもいいでしょう。また、妊娠中から、地域の区報や、自治体のホームページなどをチェックして、いざという時に産後ケア事業などを利用できるように備えておくことが大切です。最近ではオンライン相談や育児教室を行っているところもあります。


――全国的にどの地域でも産後ケアのサポートを受けられるのでしょうか?

米山 厚生労働省によると産後ケア事業に取り組む自治体は年々増え、2020年度は全国で全1741市区町村のうち1158市区町村(67%)が実施しています。
品川区の産後ケア事業の日帰り型を例に紹介すると、ホテルの1室で4時間のんびり過ごせ、助産師に相談をしたり、赤ちゃんを預けて1人でゆっくりホテルのランチを楽しめる、という内容でとても好評です。

また訪問事業は、連絡をもらって訪問日を決めますが、ハイリスクと思われる人にはその日のうちに訪問したこともあります。必要であれば保健所と連絡を取りながら継続的にかかわっていくなど、行政や地域支援でも、相談者を支援するさまざまな対策を考えています。どの自治体も感染対策はしっかり管理しているので、心配せずにぜひ住んでいる地域の産後ケア事業を利用してください。

また、産後うつは自覚できないものです。気持ちが落ち込んでいる本人は、その気持ちをなかなか外に出せない、相談先を調べる気にもなれないことがあります。パパや家族は、ママの様子を見て、いつもと少し違うな、笑顔が見られないな、よく泣いたり怒ったりするな、などの変化に気づいたら、ぜひ代わりに連絡してあげてください。

取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

お話・監修・画像提供/米山万里枝(よねやままりえ)先生

産後は赤ちゃんのお世話であわただしくなることや、ママ自身の心身の変化や疲れも重なり、時間的にも余裕がなくなってしまいます。ぜひ妊娠中に、地域の産後ケアや手続きなどを調べ、利用できるように準備しておきましょう。ママの気持ちのサポートも含め、育児は家族みんなでかかわることが大切です。

※エジンバラ産後うつ病質問票(Edinburgh Postnatal Depression Scale)…英国で開発された産後うつ病のスクリーニング票

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