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情緒不安定は当たり前?産前産後のメンタルヘルス

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からだが変化し、心が揺れやすくなります

 妊娠中から産後にかけては、からだも生活環境も変わる時期です。まず、エストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンの分泌が大きく変化します。
 
 女性ホルモンは、胎盤ができるとともに量が増え、出産するころには普段の月経期の約100倍の数値になります。そして、胎盤が出る産後に女性ホルモンの量は急降下します。このときに、女性ホルモンの分泌が急激に上下する変化に心とからだがついていけないと、さまざまな不調を感じてしまうのです。
 
 人によって感じ方は違うものの、おなかの中で成長する赤ちゃんを守り、出産に適応するためにからだが変化しているのですから、「自然なこと」と受け止めて、気持ちを落ち着かせられるといいですね。
 
 また、産後に気持ちの揺れが激しくなることを「マタニティブルーズ」といいます。わけもなく涙が出てきたり、気持ちがピリピリしたり・・・。赤ちゃんが生まれてうれしいはずなのに、戸惑いを感じることがあるかもしれません。でも、これも一時的なもの。産後数週間から1カ月くらいで自然に治まります。まわりの人にも理解してもらい、自分を責めたりしないようにしましょう。

心配しすぎず、リラックスして過ごす

 出産の疲労が残る中、赤ちゃん中心の生活になると、どうしても睡眠不足になります。赤ちゃんを守るために知らず知らずのうちに緊張を感じ、疲れもたまってしまいます。環境の変化に心も疲れやすくなりがちだからこそ、まずはママが心身共に元気になることが大切です。
 
 赤ちゃんが眠っている間に家事をしよう、育児も完璧にやろうと、あまり無理をしないこと。短時間でも眠ったり、休息を取って疲れをとり、気分を楽にして過ごせるようにしましょう。パパや家族の理解や協力も必要ですから、赤ちゃんのお世話や家事の分担など、産前から話し合って決めておくといいですね。また、1人で頑張りすぎないようにするためには、自治体や民間の子育て支援サービスを利用するのもよい手段です。住んでいる地域で受けられるサービスを産前に確認しておくと安心ですね。
 
 でももし、食欲がない、眠れない、子どもがかわいく思えない、心配や不安で頭がいっぱい・・・気分の落ち込みが続くようなら、「産後うつ」の可能性があります。早期に受診し、専門家の相談を受ければ回復も早くなります。気になるときはすぐ「ヘルプ」の声を上げましょう。



市川香織 先生
文京学院大学保健医療技術学部看護学科准教授 一般社団法人産前産後ケア推進協会 代表理事 日本助産師会出版 取締役、助産師

大学病院、助産師学校教員、厚生労働省、日本助産師会事務局長等を経て、2014年4月より現職。大学での教育・研究活動のほか、産前・産後の女性のケアをはじめとした、女性の生涯の健康を支援する活動を行っています。

※この記事は「たまひよコラム」で過去に公開されたものです。

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