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【産科医が解説】妊娠中から知っておきたい「NICU」の新生児ケア 

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iStock.com/praisaeng

ドラマ『コウノドリ』でもたびたび出てくる「NICU」。小さく生まれた赤ちゃんや、予定日よりも早く生まれた赤ちゃんのケアをしてくれるところです。「赤ちゃんは予定日近くに生まれるもの」と、だれもが思っています。でも今は妊娠経過が順調で、何の問題もない妊婦さんにも、赤ちゃんのケアが必要な状態になることもあります。妊娠中からぜひ知っておいてほしい「NICU」について、昭和大学江東豊洲病院・周産期センター長の大槻克文先生に伺いました。

NICUは24時間態勢で赤ちゃんをサポートします

「NICUとは、『新生児集中治療室』のこと。小さく生まれ、人工呼吸器の必要や、体温を維持する必要があるなど、生まれてすぐに集中的な治療やケアが必要な赤ちゃんを、24時間態勢でサポートする場所です。
NICUに入院した赤ちゃんの多くは保育器に入り、赤ちゃんの状態によっては人工呼吸器をつけて呼吸を安定させることがあります。保育器の中は温度や湿度が一定に保たれ、ママの子宮の中に近い環境に保たれています。NICUでは専門の医師やスタッフにより、医学的な治療はもちろん、発達のケアなども行われます」

NICUに入院する基準は?

「NICUに入院する基準は、施設や、赤ちゃんの状態によっても違いますが、一般的には
・赤ちゃんが早産で産まれてしまったり、2300g未満
・呼吸の状態が悪く、呼吸器が必要
・そのままでは体温が下がってきてしまう状態
などが基準とされています」

NICUのスタッフはどんなことをしているの?

「NICUのスタッフは、ママやパパがいない間、ママが搾乳して持ってきた母乳をあげたり、おむつを替えたりします。赤ちゃんは、スタッフからの愛情もたくさん受けているのです。
ママやパパが面会できる時間は施設によって違いますが、パパが仕事帰りでも訪ねることができるように、遅くまで面会できる施設も増えています。赤ちゃんの体調が落ちついたら、抱っこをしたり、母乳をあげたりすることもできます。
なお、赤ちゃんが退院できるのは、本来の出産予定日であることが多いようです。退院後も、引き続き通院して様子を見ていきます」

NICUで状態がよくなると、GCUへ移動します

「NICUで状態が安定してきた赤ちゃんは、GCU(新生児回復室)へ移動し、退院に向けて、赤ちゃんの成長や発達を見守ります。退院後の生活に自信が持てるように、ママやパパは沐浴(もくよく)やおむつ替え、直接授乳などのお世話を積極的に行います。施設によってはGCUがないところもありますが、NICUを出た赤ちゃんのケアは同じように引き続き見ていきます」

妊娠中、何のトラブルもないことがいちばんですが、いざ、赤ちゃんのケアが必要なことがあっても、しっかりサポートしてくれる施設があるのは、安心ですね。(文・たまごクラブ編集部)

■監修/昭和大学江東豊洲病院 周産期センター長 大槻克文先生

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