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帝王切開分娩の基礎知識~手術の流れを把握しよう【出産のための基礎知識】

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Milatas/gettyimages

予定帝王切開分娩の場合には、心の準備もできますが、緊急の場合は予期せぬ出来事に、とまどうことがあるかもしれません。でも、だれにでも可能性のある手術です。流れを把握しておきましょう。

1.事前準備

緊急か、予定かで変わってきます

施設によって多少違いますが、予定帝王切開分娩では多くの場合は前日に入院し、検査や手術の詳しい説明、同意書の提出、麻酔科医の診察などがあります。21時以降は絶食となります。赤ちゃんをすぐに取り出さなければならない緊急時には、説明だけであっという間に手術開始というケースも。

2.手術開始

麻酔します

産科医が数人、麻酔科医1人、看護師2人、小児科医、助産師など、数人が手術に立ち会います。当日は朝から絶食で、事前に麻酔を効きやすくするためと、緊張を和らげるための注射をします。名前の確認、血液検査の結果など、入室基準を確認後、手術着に着替えてストレッチャーで手術室へ移動します。

●麻酔の種類

全身麻酔

点滴に入れるので、すぐに麻酔がかかるというメリットがあります。そのため、一刻を争う緊急の場合は全身麻酔になることもあります。赤ちゃんが眠った状態で生まれる場合もあります。残念ながら産声(うぶごえ)を聞くことはできません。

腰椎麻酔(ようついますい)・硬膜外麻酔(こうまくがいますい)

背中の脊椎(せきつい)から麻酔を投入し、胸の下あたりから足まで麻酔をかけます。腰椎麻酔は即効性がありますが、持続時間が短めです。硬膜外麻酔は持続性があり、長時間の手術も可能です。ママの意識はあり、赤ちゃんの産声も聞けます。

3.皮膚の切開と子宮壁の切開

ママや赤ちゃんの状態で皮膚の切り方を選択

帝王切開分娩ではおなかの皮膚の切り方が2通りあり、下腹部の皮膚を縦か横のどちらかで切ります。どちらになるかは施設や医師の考え方やママや赤ちゃんの状況、緊急度によって選択されます。

皮膚を縦に切る

おへその下から恥骨に向かって切ります。皮膚から腹膜までは縦に切りますが、子宮壁は横に切ります。手術時間が短く、赤ちゃんを早く安全に取り出せるため、緊急時には縦切りになります。

皮膚を横に切る

一般的に行われる切開法です。皮膚から筋膜までを横に切ります。その下の腹膜は縦に切り、子宮壁は再び横切りに。縦に比べて時間がかかるので、トラブルの可能性の低い予定帝王切開分娩の場合に選択。

4.赤ちゃん誕生

手術開始から間もなく赤ちゃんが誕生

実際におなかを切り始めてから、赤ちゃんが生まれるまでは2~3分くらいです。ママの意識がある場合には、産声(うぶごえ)も聞けますし、誕生後、小児科医などのチェックを受けたのちに赤ちゃんの顔を見ることもできます。

5.処置~縫合

誕生後、胎盤を取り出し縫合します

赤ちゃん誕生後、ママは胎盤を取り出し、子宮内をきれいにしたあと縫合となります。ここで意識があるままだとつらいという場合は軽い睡眠薬などを投与してもらうことも可能です。通常、子宮の縫合には溶ける糸を使い、皮膚の縫合には糸を使うか、「ホチキス」のような医療用ステープラーが使用されます。30分から1時間程度で手術は終了となります。

●縫合には2通りの縫い方があります

医療用のステープラーで

帝王切開分娩で最も多いのが、この縫合方法です。時間も早く、針を抜くときも痛みをあまり感じません。

糸を使って

糸の場合は抜糸が必要な場合と、表皮より下を溶ける糸で縫い、表皮はテープで留めるだけの美容外科的縫合(真皮埋没縫合)をする場合があります。後者のほうが傷あとが目立ちにくいのですが、縫合に時間がかかります。

6.術後

状態を観察したあと入院室へ移動

全身麻酔は術後はすぐに起こしてもらえますが、麻酔が切れると傷の痛みを感じるでしょう。腰椎麻酔の場合は、睡眠薬で眠っている場合もありますし、2~3時間は痛みが和らいでいることも。もし麻酔が切れて痛みが強い場合は、痛みどめを処方してもらえます。

●出産後のスケジュール

術後の経過観察

麻酔科医が麻酔から覚めていく状態を確認し、血圧、脈拍を診ます。ママの体調に問題がなければ、入院室へ移ることができます。

入院室へ移動

入院室へ戻るのは、手術室へ入ってから1時間半~2時間後くらいでしょう。入院室へ戻ったら、面会ももちろん可能です。

ゆっくり休養

この日は、着替えなども医療スタッフが行い、ママはゆっくり休みます。導尿カテーテルが入っているのでトイレにも行きません。


藤井知行 先生
東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学 教授
1982年東京大学医学部卒業。同年、同大学医学部産科婦人科学教室入局。85年同大学医学部付属病院に習慣流産専門外来を開設、以後責任者として運営を担当。2012年より現職に。

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