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帝王切開分娩の基礎知識【出産のための基礎知識】

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monzenmachi/gettyimages

さかごや多胎妊娠などで予定帝王切開分娩になるケースのほか、お産の途中で帝王切開分娩に切り替わることもあります。だれにもあり得る出産方法ですから、事前にしっかり頭に入れておきましょう。

赤ちゃんと母体の安全のために行う手術です

帝王切開分娩とは、経腟分娩が難しいと判断されたときに行う手術で、おなかを切開して赤ちゃんを取り出す出産法です。最近では、出産のリスクを減らし、母子の健康と安全を優先する考えから、帝王切開分娩での出産は増加傾向にあります。

「予定」と「緊急」の2つのケースがあります

さかごや多胎妊娠など、妊娠中の経過において経腟分娩が難しいと判断された場合、予定帝王切開分娩での出産となります。事前に手術の予定日を決めます。

緊急帝王切開分娩は、妊娠中やお産の途中で母体や赤ちゃんになんらかのトラブルが起こり、一刻も早く赤ちゃんを取り出す必要があるときに行われます。

予定帝王切開分娩

事前に手術日を決めます

赤ちゃんの向きや胎盤の位置など、経腟分娩が難しいと予測される場合に検討されます。妊娠中に判断し、正期産に入る37週以降に手術日を決めます。予定帝王切開分娩になるケースは以下のような場合です。

多胎妊娠

双子の場合は赤ちゃんの位置や大きさによっては経腟分娩も可能ですが、お産の途中でトラブルが起こる可能性もあり、母子の安全を最優先に考え、帝王切開分娩になるケースが増えています。三つ子以上のケースはさらにハイリスクとなりますから、ほぼ帝王切開分娩と考えたほうがいいでしょう。

前置胎盤

胎盤が子宮口にかかっていたり、完全にふさいでいる場合、子宮口が開いたときに胎盤がはがれ、大出血を起こす恐れがあるため、帝王切開分娩になります。

子宮筋腫などの持病

子宮筋腫の位置や数にもよりますが、筋腫が子宮口をふさぐような位置にある場合は、帝王切開分娩の確率が高くなります。

妊娠高血圧症候群

重度の妊娠高血圧症候群の場合、胎盤の血流が悪くなり、赤ちゃんに悪影響が出ることがあります。母体の状態を見て予定帝王切開分娩が検討されますが、症状が悪化した場合は緊急帝王切開分娩になるケースも。

さかご

さかごのまま経腟分娩にした場合、いちばん大きい頭が最後に出るため、臍帯(さいたい)を圧迫して危険な状態になるため、帝王切開分娩になることが多くなります。

児頭骨盤不均衡

赤ちゃんの頭がママの骨盤より大きい場合や、骨盤の形に問題があり、赤ちゃんが産道を通過できないと判断されると帝王切開分娩に。小柄な人や狭骨盤のママ、赤ちゃんの頭が大きめと言われている人は、X線検査で児頭骨盤不均衡かどうかを調べます。

緊急帝王切開分娩

なんらかのトラブルがあったときに行います

分娩前や分娩中に赤ちゃんの心拍数が落ちたり、母体になんらかの異常が起きて早急に赤ちゃんを取り出す必要があるときに行われます。

胎児機能不全

分娩中に臍帯が首にきつく巻きついたり、胎盤機能の低下などで赤ちゃんに酸素が行き渡らなくなり、低酸素状態になると、赤ちゃんが弱ってしまい、危険な状態になる恐れがあるので、帝王切開分娩に切り替わることがあります。

回旋異常

分娩のとき、赤ちゃんは体を丸め、何度か回旋しながら産道を通過しますが、それがうまくいかない場合があります。すると、お産が停止して狭い産道で圧迫され続けたりして危険なため、帝王切開分娩になるケースがあります。

常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)

赤ちゃんが生まれる前に胎盤がはがれることで、酸素や栄養が赤ちゃんに届かなくなります。子宮内では大出血が起こり、赤ちゃんだけでなく、ママも危険な状態になります。

重症の子宮内感染

子宮内で感染を起こすと、赤ちゃんの状態が悪くなるので、帝王切開分娩により早急に体外へ取り出します。

遷延分娩(せんえんぶんべん)

お産が始まったものの、陣痛がなかなか強くならなかったり、子宮口が開かなかったりしてお産が長引くことを遷延分娩といいます。陣痛促進薬などの医療処置をほどこしても効果がなく、ママや赤ちゃんに影響がある場合に帝王切開分娩に切り替えます。

軟産道強靭(なんさんどうきょうじん)

子宮口、腟、外陰部にかけての軟産道はお産のときには赤ちゃんが通りやすいようにやわらかく伸びていきます。ところがかたく伸びが悪いことがあり、それを軟産道強靭といいます。お産が滞ることがあり、帝王切開に。

臍帯下垂(さいたいかすい)・臍帯脱出

へその緒が下がってきたり(下垂)、破水したあとに赤ちゃんより先にへその緒が出てしまう(脱出)と、赤ちゃんに酸素が届かなくなり危険な状態に。一刻も早い赤ちゃんの娩出が必要で、子宮口が全開大になっていない場合には帝王切開分娩になります。

帝王切開分娩の基礎知識 Q&A

Q.さかごのため、帝王切開分娩予定ですが、子宮口がすでに2cm開いていると言われました。手術までに気をつけることは?
A.張りがあったら即受診し、場合によっては管理入院も

初産婦が経産婦かによっても異なりますが、破水に気をつけることが大切です。破水をして、へその緒が何かの拍子で子宮口のすき間から脱落すると、赤ちゃんが危険な状態になります。おなかが張ったり、破水らしきものがあったら、すぐ受診を。

Q.帝王切開分娩の予定ですが、手術予定日前に陣痛が来たら、どうなるのですか?
A.危険な状態になれば、緊急帝王切開分娩になります

赤ちゃんの状態にもよりますが、陣痛が規則的に来て、赤ちゃんが下りてきているようなら、手術予定日より前であっても帝王切開分娩を行います。とくにさかごの場合、赤ちゃんが下りてくるときに臍帯が頭と産道の間に挟まって圧迫され、危険な状態になることがあるため、緊急帝王切開分娩となります。

Q.帝王切開分娩では、全身麻酔をすることもあると聞きました。どんなとき?
A.緊急に赤ちゃんを取り出す必要があるときに使われます。

帝王切開分娩では、区域麻酔が使われることがほとんどですが、緊急に赤ちゃんを取り出す必要があるとき、ママにもともと出血傾向があるとき、なんらかの原因で区域麻酔ができないときなどは全身麻酔が使われます。全身麻酔の場合、赤ちゃんが眠った状態で生まれることがありますが、麻酔の影響は一時的なもので、心配いりません。

Q.腹壁の「縦切り」と「横切り」は何が違うの?
A.横切りのほうが、傷あとが目立ちにくいメリットが

縦切りは、傷あとが目立ちやすいのですが、おなかに縦に走る腹直筋と同じ方向にメスが入るので、出血も少なく、手術時間が短い、さらに次のお産で帝王切開分娩になっても手術がしやすいメリットがあります。一方の横切りは、手術後、傷あとが目立ちにくく、痛みが軽い傾向があるようです。どちらになるかは医師の考えやそのときの状況によります。


監修:藤井知行 先生
東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学 教授
1982年東京大学医学部卒業。同年、同大学医学部産科婦人科学教室入局。85年同大学医学部付属病院に習慣流産専門外来を開設、以後責任者として運営を担当。2012年より現職に。

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