【専門家監修】妻がつわりのとき、夫がやるべきこと、やってはいけない3大NG行動とは?
AntonioGuillem/gettyimages
妊婦さんの4人に3人程度が悩まされる症状が「つわり」です。つわりになると、吐きけがする、食べないとムカムカする、においが気になるなど、その症状や度合いもさまざまで、個人差も大きいものです。
夫にしてみれば、妻がどのくらいつらいのか、想像できないかもしれませんが、「つわり」の時期は、妊娠した妻の支えになれる最初のチャンス! 今回は、妻がつわりのときに夫ができること、してはいけないことについて、母性看護専門看護師・長坂桂子さんに伺いました。
まずは基礎知識から!つわりって何?
なぜつわりになるのか、原因はまだ明らかにされていません。ただ妊娠初期に胎盤から大量に分泌されるホルモンや、ビタミン不足による代謝障害、血糖の変動、精神的な影響などさまざまな原因があるとされています。
またつわりの症状は「吐きけ」だけではなく、以下のようにたくさんあり、その度合いにも個人差があります。症状は1つだけではなく、人と違うのが当たり前だということを知っておきましょう。
●吐きけ、嘔吐(おうと)
●食欲の低下
●食べないと気持ちが悪くなる
●食べ物の嗜好が変わる
●においに敏感になる
●眠けやだるさ
●眠れない
●唾液が増える
●胸やけ
●頭痛
つわりは、妊娠が判明して間もない妊娠5~6週ごろに始まり、妊娠8~11週ごろにピークを迎え、多くは妊娠12〜16週には落ち着きます。ただ、なかには妊娠中ずっとつわりが続くこともあります。
妻がつわりのとき、夫がやるべきこと3つ
つわりの妊婦さんにとっていちばん大切なのが、体を休めること。つわりの症状が見られる妊娠初期は仕事をしている妊婦さんも多く、体が疲れてへとへとになっています。“妻がまわりのことを気にせず休める環境を整えること”が、この時期のデキル夫の役割です。つわりは、いってみれば家族にとっての“非常事態”。以下3つをぜひ試してください! つわりの時期に夫にしてもらって助かったこと、ベスト3を紹介します。
1.とにかく家事 ~私が休めるよう、家事を担当してくれて助かった~
つわりの時期は想像以上にしんどいのです! つらい時期にまわりを気にせずに休めるよう、ごはんを作る(買う)、部屋を整える、掃除をする、洗濯物をたたむ、など、夫は率先して家事調整を。自分でできない場合は、実家や家事サービスなど外部サポートの利用も選択肢に入れて。
2.思いやりのある言葉 ~「休んでいいよ」などの言葉に救われた~
「大丈夫?」「休んでいいよ」などの気づかいの言葉は、つわりの時期の妻の心に染み渡ります。思っているだけではなく、ちゃんと言葉で伝えることが大切!
3.「今、何をしてほしい?」と聞く
何をしたらいいかわからない場合は、「妻がしてほしいことをする」のがいちばん。つわりの症状は多様なので、妻がしてほしいことは、その時々で変わります。昨日は快適だったことが、今日は不快なこともあります。「今してほしいこと」を聞くと、喜ばれます。会話の機会を増やすきっかけづくりのためにも、妻が望んでいるなら、背中や腰のマッサージをしても◎。
妻がつわりのとき、夫がやってはいけない3大NG行動
妻がつわりでつらい時期に、ついやってしまいがちな夫の行動。ちょっとしたことでケンカになってしまったり、産後どころか、一生妻に「あのとき、パパはこんなことしたよね」と言われ続けることになってしまうかも。多くのママたちが教えてくれた、つわりのときに夫がやってはいけないNG行動をまとめてみました。
【NG1】×妻の前でにおいのするものを食べる、食べ物のにおいをさせる
つわりの時期は、普段では考えられないほどにおいに敏感になります。また、食べられそうなものを試行錯誤しながら探しているため、嗜好(しこう)がその時々で変化し、昨日食べられたものが、今日は食べられないことはよくあります。
「スタミナをつけてあげようとニンニク料理をしたところ、妻から苦情を言われた」
「サンマなら食べられそうというので買ってきたが、次の日は、魚を見るだけで気持ちが悪くなるといわれた」
などの失敗談が多数。調理や食事をするときは要注意。基本は、においのしないものを選びましょう。ただ、すべてのにおいがダメなわけではありません。妻に、何のにおいがダメなのか、具体的に聞いておきましょう。また、食事のリクエストが日々変化しても、つわりの時期はしょうがない、今は非常事態だからと、大目に見てください。
【NG2】×脱いだものを片づけないなど、自分のことを自分でしない
妻がゆっくり休めるように、最低限、自分のことは自分でするようにしましょう。産後は赤ちゃんのお世話でママはもっと忙しくなるのです。そのためにも今からしっかり予行練習を!
【NG3】×自分だけ頻繁に飲み会に参加したり、趣味などに出かける
つわりのときの妻は、外に出かけたくても出かけられず、ずっと気持ち悪くて気分も沈みがち。そんなときにお酒やたばこのにおいをプンプンさせて帰宅したり、自分だけ趣味を楽しんだりしたら……? もしも自分が病気のときに、妻に同じようなことをされたら嫌ですよね。もちろん、上手に気分転換をしながらでいいので、妻をいたわりましょう。
つわりのときに夫が優しい声かけをしてくれるだけでも、ママにとってはうれしいものです。つわりの時期を一緒に乗り越えることが、夫婦の絆(きずな)を深めるいい機会になるといいですね。(文・たまごクラブ編集部)
初回公開日 2018/7/22
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