妊婦が“食べ過ぎ注意”な高カロリーメニュー、NGにならない食べ方は?
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妊娠したら意識したいのが、日ごろの食生活。おなかの子のためにも、何をどのくらい食べていいのか、気になる人も多いのではないでしょうか。アルコールはもちろんNGですが、生ものや、カロリーが高いもの、塩分の多いものなどは、食べ方を工夫すれば「絶対に食べちゃダメ」っていうことでもないんです。その中でも今回は、カロリーの高いメニューについて、知っておきたいこと、食べ方のコツを、産科婦人科舘出張佐藤病院・
院長の佐藤雄一先生にうかがいました。
妊娠中に高カロリーメニューを食べ過ぎると、どんなリスクがある?
「カロリーの高いものを食べ過ぎてしまうと、体重が急激に増加する可能性があります。妊婦さんの体重の急激な増加は、体に負担がかかります。また、血糖値が上がり、妊娠糖尿病になる恐れも。そして妊娠糖尿病は、妊娠高血圧症候群や、流産、早産を引き起こすこともあリます。また体重が増加しすぎると、産道に脂肪がつきやすくなり、お産のときに、スムーズにお産が進まなくなることも。
外食メニューは味つけの濃いものが多く、糖質や脂質をとりすぎないように、かしこくメニューを選びましょう。また、ビタミンやミネラル、食物繊維のとれる副菜を一緒に食べるようにして、食事のバランスがかたよらないように心がけましょう」(佐藤先生・以下同)
カロリーの高そうなメニューはどうやって食べたらいい?
実際に、高カロリーメニューについて、“何に気をつけたらいいか”、また“どのようにして食べたらいいか”、佐藤先生に解説していただきました。しっかりとチェックしてくださいね。
1.サーロインステーキ→加熱したものを200g以内
「妊娠中に必要なタンパク質や鉄分がとれます。また、腹もちがいいので、100~200g程度でも満足感を得られるはずです。
また、食べるときは、中までよく焼いてあるか確認しましょう」
2.スペアリブ→130g程度を2本まで
「できれば脂身が多い部分は避けて、食べる分も少量にするといいでしょう。大きいサイズのものは1本まで。また、つけ合わせに野菜をとりましょう」
3.フライドチキン→小さめを1~2本程度
「小さいから揚げは3~4個、フライドチキンは大きいので1~2本にしておきましょう。パーティーなどで勧められても、自分の分だけ先に小皿に取り分けて、それ以上は食べないように工夫を」
4.しゃぶしゃぶ→野菜を多めにしてバランスよく
「まずは野菜から食べるようにしましょう。しゃぶしゃぶは肉の脂肪分が落ちてヘルシーなメニューです。お肉の部位など選ぶことで、カロリーコントロールもできます」
5.クリーム系のパスタ→具だくさんのものでソースは少量に
「クリームソースはカロリーが高く、塩分も気になります。野菜で具だくさんにして、ソースを少なめにするなど、調整して食べましょう」
6.ピザ→直径25cmの大きさなら2切れまで
「乗っている具材にもよりますが、少量食べるだけでも高カロリーなメニューです。2切れ程度にしておきましょう。また、アンチョビなどは十分に火が通っていないだけでなく、塩分過多にも注意。魚介系の具材が乗ったピザは、具材にしっかりと火が通っているかも注意して」
7.うな重→うなぎは1日に40~50gまで
「ビタミンA(レチノール)が多く、脂質も高めです。たまに食べる程度は大丈夫ですが、妊娠初期は、ビタミンAをとりすぎることで、胎児の成長に影響が出ることも。続けて食べないようにしましょう」
8.天ぷら→副菜と共に4~5品まで
「油を多く使用しているメニューなので、食べ過ぎには注意しましょう。しかし、素材は低カロリーなものが多いので、少量なら問題ありません」
9.フォアグラ→1~2口程度まで
「パーティやディナーなどで食べるときは、1~2口程度にしましょう。ビタミンA(レチノール)を多く含み、脂質が高いので食べ過ぎは要注意です」
10.ケーキ→量を減らしゆっくり食べて
「糖質と脂質がとても多いので、小さいものを選ぶか、家族や友人とシェアするようにしましょう。また、空腹時を避けるなど、食事のデザートとして少量にとどめて」
11.アイスクリーム→1日に150g程度まで
「夏につい手が出てしまうアイスは、カロリーと脂質が高いので、少量にしておきましょう。量としては、1日に小さめのカップアイス1つまで。また、冷たいものを食べて、体が冷える心配もあります。最近よく見るトッピングが豪華なかき氷などは、糖分の過剰摂取につながることもあるので、気をつけて」
以上、高カロリーメニュー11品について、佐藤先生から食べ方のアドバイスをいただきました。「妊婦だから高カロリーなものは食べちゃダメ」というわけではなく、食べ方に気をつけて、食べ過ぎないようにすれば大丈夫、なんです!今回紹介したメニューはもちろん、普段からどのようにして食べたらいいかを意識して、バランスのよい食事を楽しんでくださいね。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:産科婦人科舘出張佐藤病院
院長 佐藤雄一先生