前駆陣痛は“少し重い生理痛”くらい?本陣痛は?陣痛が始まったらすること
前駆陣痛かどうかを判断しよう
陣痛には、前駆陣痛(ぜんくじんつう)と本格的な陣痛があります。“前駆陣痛”とは、お産が近づいてくるときに起こる、不規則なおなかの張りや痛みのこと。本格的な陣痛が始まる前の練習のようなもので、すぐに本格的な陣痛が始まる場合もあれば、数日間繰り返すケースも。前駆陣痛か判断がつかない場合は、一度産院に相談を。
前駆陣痛ってどのくらいの割合で起こるの?
前駆陣痛は、すべての妊婦さんに必ずしも起こるわけではありません。たまごクラブが先輩ママ300人に行ったアンケートでは、約8割が「なかった・わからなかった」と回答しているとおり、ない場合も多くあります。また、痛みが弱くて気がつかない場合もあります。
前駆陣痛ってどんな痛み?
では、前駆陣痛の痛みはどのような痛みなのでしょうか。さまざまな事例がありますが、主に下記のような痛みがあるようです。
●例1
少し重い生理痛のような痛みが10~20分間隔で来たが、なくなる
●例2
張りが10分間隔で来たけど、その後、なくなった
●例3
3~30分間隔でおなかがゴロゴロする感じが1日続いたが消えた
前駆陣痛は結果的に痛みがなくなる
前駆陣痛は、上記にあるように「来た」と思った痛みが結果的になくなってしまい、あとで「前駆陣痛だった」とわかります。規則的だけれど、痛みが軽くて、結果的になくなってしまうケースも。まずは安静にして、1時間くらい様子を見ましょう。痛みが消えてしまうようなら、基本的に産院への連絡は不要ですが、判断がつかない場合は産院へ電話で相談してみましょう。
規則的な陣痛が来たら、お産スタート
本格的な陣痛は、赤ちゃんを押し出すために子宮が収縮するときの痛み。痛みに波があり、その波が規則的になったら、本格的な陣痛です。お産の進行とともに陣痛間隔は短くなり、痛みはだんだん強くなっていきます。最初は自宅待機、お産が進むと産院へ移動します。
本格的な陣痛ってどんな痛み?
本格的な陣痛の始まりは、前駆陣痛とほとんど変わりませんが、時間がたつにつれ陣痛間隔は短くなり、痛みはだんだん強くなってくるのが特徴。陣痛の痛みは、下記のような場合が多いようです。
●例1
生理のいちばん重いときの痛み
●例2
下痢でおなかが痛いときのような痛み
●例3
腰が重く、立っていられない感じ
●例4
子宮がキューッと締めつけられる
陣痛と思ったら、間隔を計ってみよう
陣痛間隔とは、痛みが始まってから、次の痛みが来るまでの時間。「痛いな」と思ったら、間隔を計って記録してみて。紙にメモするほか、スマホの陣痛アプリを利用する方法もあります。痛みの波が10分間隔でやってくる、1時間に6回以上ある、など規則的なら、本格的な陣痛です。
産院に行くまでは積極的に動いてお産を進めよう
じっと動かないで陣痛に耐えるより、痛みがない間は簡単な家事をしたり、近所を歩いたりして体を動かしたほうがお産が進みます。破水していなければ入浴も◎。
時間がたつと通常は痛みがだんだん強くなりますが、微弱陣痛だとなかなか変化しないことも…。痛みの強さにかかわらず、規則的な痛みが初産婦(しょさんぷ)は「5~10分間隔」になったら、経産婦(けいさんぷ)は「10~15分間隔」になったら、産院へ連絡を。ただし、妊婦さんの状態、家から産院までの距離などによって連絡するタイミングが異なるので、事前に産院に確認しておきましょう。
陣痛が始まったときのパパの心構え
お産が始まれば、妻は未体験の出来事の連続であわてがち。そんなときは、パパだけでも普段どおり、冷静に行動しましょう。陣痛がまだ弱く余裕がある場合は、自宅待機の可能性も。痛みを逃すためのマッサージや、身のまわりのお世話など、サポートに徹して。離れている場合は、まめに励ましの連絡を。
妻と一緒にいる場合はサポートに徹しよう
陣痛は、最初は弱かった痛みが、徐々に強くなっていきます。妻は痛みや緊張で体が硬直しやすいので、一緒にいる場合は話しかけたり手を握ったりしてママをリラックスさせましょう。
また、陣痛中は積極的に動いたほうが陣痛が強くなり、お産が進みやすくなります。散歩に連れ出したり、階段の上り下りを一緒にしてあげると◎。腰や背中など痛いところをマッサージしてあげるのもいいでしょう。
サポートの合間に出発の準備を!
産院へ出発する前、妻は気が動転していることがあるので、パパが持っていくものの最終チェックをするとスムーズです。事前に何がどこに入っているかチェックしておくと、なおGOOD。
産院への移動は自家用車やタクシーでの移動がベター。陣痛タクシーは登録していてもつかまらないこともあるので、3社以上の連絡先を自分の携帯にも入れておきましょう。
ママと離れているときはまめに連絡を
携帯やスマホの電源はなるべく入れておき、いつでも連絡がつく状態にしておきましょう。「早く帰ってきて」と連絡が来たときは、事実であっても「仕事で帰れない」などと結論のみ伝えるのはNG。「何とか段取りをつけて帰る」という姿勢を見せると妻も安心します。すぐに駆けつけられなくても、電話やラインで励ましのメッセージを送りましょう。
陣痛が始まったときにあわてないためには、夫婦で事前に知識を高めておき、お産が始まったらどうするかを事前に話し合っておくことが大切です。2人で話し合い、疑問点があれば健診で聞くなどして、少しでも安心材料を持っておきましょう。(文・たまごクラブ編集部)
■監修/NTT東日本関東病院 母性看護専門看護師 看護学博士 長坂桂子さん