産休を利用して有資格者に!比較的短期間で取れる資格
Wavebreakmedia/gettyimages
産休をとった先輩ママさんの中には、赤ちゃんが生まれるまでや赤ちゃんが生まれてから少しずつ増えてくる自分の時間を活用して何か勉強したら良かった。こんなふうに後悔するママさんが案外多くいらっしゃいます。
そこで今回は、せっかくいただいた産休を生かした過ごし方として、比較的簡単に取れる資格をキャリアカウンセラーの瀧本博史さんに伺いました。
瀧本 博史
キャリアカウンセラー
安心できる熟練の国家資格キャリアコンサルタントとしてアドバイスを行なうだけでなく、心理カウンセラーとしても「心のケア」を行なう。他にも国立大学のキャリア講師や複数の人材業界大手企業へのキャリア関連記事への寄稿、監修も行なっている。
オフィスワークに最適!MOS 勉強期間1~2カ月
赤ちゃんが生まれてからは身体的な負担も考えて、事務職への転換を希望するママさんもいらっしゃいます。そんなときに良いのが、パソコンを使ったオフィスワークです。特に「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(以下、MOS)」という検定は、パソコンのスキルを証明できる国際的な資格でもあり、学生からシニアまでの幅広い年代の方が受検しています。
検定はMicrosoft社のワード(Word)やエクセル(Excel)、パワーポイント(Power Point)などの5つのアプリケーション(ソフト)について1科目ごとに受検することが可能で、自分に必要な科目だけを選んだり、毎月1回、日曜日に検定があるので、産休のタイミングを選ばず受検ができ、挑戦しやすい資格でもあります。合格のためには、テキスト1~2冊を完璧に仕上げることを目標として、繰り返し正しい操作を身につけ、ミスを減らしていくことがコツです。
MOSはパソコン教室で学ぶ方もいらっしゃいますが、パソコン上で操作する実技のため、通信教育を使って自宅で勉強をすることもできます。また、ハローワークでは職業訓練(ハロ-トレーニング)というものがあって、情報関連の訓練の授業の中で受検できる機会もあります。詳細はご自身のお住まいを管轄するハローワークへお問い合わせいただくと良いと思います。
マイクロソフト オフィス スペシャリスト
実生活にも応用できる!3級ファイナンシャル・プランニング技能士 勉強期間1~2カ月
赤ちゃんが生まれた後は、家族が増えることで今までとは違ったお金の使い方が必要となります。そんなときに役立つのが、お金の基本的な知識を身につけられる「3級ファイナンシャル・プランニング技能士(以下、FP3級)」です。この検定は学生からシニアまでの幅広い年代の方が受検しています。
検定は1年に3回あり、それぞれ1月、5月、9月の日曜日です。検定の実施機関は日本FP協会と金融財政事情研究会の2つがありますが、どちらを選んで受検しても同じ国家資格なので、ご自身の好みで選ばれる方が多いようです。出題内容はお金に関することなので、日ごろの生活に密着していて馴染みやすいところが多いのが特徴です。検定内容は、健康保険制度のしくみや住宅ローンについての知識、公的年金や介護保険、資産運用などが項目となっており、資格取得後もご自身やご家族のライフプランに生かすことができます。
FP3級は、市販のテキストと問題集を使って独学で勉強する方も多く、問題演習だけはスマートフォンのアプリを使って勉強している方もおられます。スマートフォンを使えば、家事の合間や移動時間などのスキマ時間も有効に使えて効率的ですね。独学が不安な方は、通信教育を使って自宅で勉強をすることもできます。
NPO法人 日本FP協会
一般社団法人 金融財政事情研究会
確定申告にも役立つ!日商簿記検定3級 勉強期間1~3カ月
出産にかかった費用は、その年に確定申告の医療費控除をすることでお金が戻ってくる場合があります。そんなときに役立つのが、経理の基礎力が身につく「日商簿記検定3級(以下、日商3級)」です。この検定は学生からシニアまでの幅広い年代の方が受検しています。
検定は1年に3回あり、それぞれ2月、6月、11月の日曜日です。簿記の検定には、主催する団体によって全経や全商などもありますが、一般的に簿記の検定としてメジャーなのは日商です。特に3級は日常業務を行なうための知識を問う内容で、経理に関連する書類の適切な処理や確定申告に使う青色申告書類の作成などの基本的な実務ができるレベルです。
日商3級は市販のテキストと問題集を使って独学で勉強する方も多く、通信教育を使って自宅で勉強をする方もいらっしゃいます。また、ハローワークの職業訓練(ハロ-トレーニング)の経理関連の訓練の授業の中で受検できる機会もありますので、詳細はご自身のお住まいを管轄するハローワークへお問い合わせいただくと良いと思います。
日本商工会議所 日商簿記検定試験
初めての医療事務に最適!医療事務認定実務者(R) 勉強期間4カ月
赤ちゃんが生まれる前と生まれた後に1番お世話になるのが病院です。受付や会計などで働く人の対応に癒される場面も多いですね。医療事務といわれるとハードルが高い感じがしますが、初めての医療事務に最適なのが、「医療事務認定実務者(R)」です。この検定は受検資格が必要なく、主に接遇とマナーなどの受付業務に必要な知識が出題の中心で、試験会場へは医科点数表や参考書、ノート等の資料、電卓の持ち込みもOKなので、安心して受検することができます。
検定は毎月1回、日曜日にあるので、この検定も産休のタイミングを選ばず受検ができ、挑戦しやすい資格となっています。検定内容は、接遇とマナーに関する知識、医療機関における各種制度に関する知識、医療事務業務に関する知識、診療報酬請求に関する知識を問う問題が学科試験として出題され、実技試験として診療報酬明細書(レセプト)の作成があります。
医療事務認定実務者(R)検定は協会指定のスクールの通信講座受講生であれば、自宅受験が可能となっています。リラックスできるいつもの環境の中で、赤ちゃんのそばにいながら検定を受検できることもこの資格の良いところです。
全国医療福祉教育協会
日常生活にも役立つ!整理収納アドバイザー資格 勉強期間7時間~4カ月
赤ちゃんが生まれると、その成長とともにさまざまなモノが増えていき、お部屋が散らかりやすくなります。お部屋の中にモノが増えてくると積んでいるモノが崩れて思わぬケガにつながったり、赤ちゃんが危険にさらされたりする機会も増えていきます。そんな心配をしたくないママさんに人気なのが、整理収納の知識が身につく「整理収納アドバイザー」です。この検定は、自身の片付かない原因や問題点を洗い出し、モノとの関わり方を見直すことで問題解決をしていく、お片付けのプロフェッショナルを目指すことができます。
講座や資格試験の開催日は協会が指定する日となりますが、受験する級によって異なります。
3級の場合は、約3時間の講座を会場で受講し、テストなしで資格取得ができるものに参加するか、パソコンを使って約1時間16分の動画講座を受講した後、整理前後のクローゼット、キッチン、リビングいずれかの写真を提出し、その添削を受けて合格すれば認定がされます。
2級の場合は、1日の講座(7時間)を受講し、基本的な整理の考え方や具体的な整理の方法、実践的な収納のコツについて事例を交えて詳しく学び、最後のまとめテストに合格するか、4カ月間の通信講座を在宅で受講して合格し、一緒に1級の受験資格も得る方法があります。
1級の場合は、2級認定講座等を受講後に2日間の予備講座を受講し(通信で2級に合格した方は必要なし)、半日の1次試験合格後に半日の2次試験を受験し、その合格後に認定がされます。
整理収納アドバイザー資格の3級合格者には、2級認定講座受講料が2160円割引となるチケットが送られてきたり、2級の4カ月の通信講座を受講した方は、1級の予備講座が免除になったりするなどの特典もあります。2級までは完全在宅で、資格取得ができるので家事や育児をしながらでも、無理なくチャレンジすることが可能で、学びやすい環境づくりに配慮がされています。
一般社団法人 ハウスキーピング協会
あなたの癒しにもなる!アロマテラピー検定 勉強期間3カ月
赤ちゃんへのリラックス効果やママさんのリフレッシュにも人気があるのが「アロマテラピー検定」です。香りは脳に直接届き、自律神経系をつかさどる視床下部と連携していると言われます。自律神経は、心身のリラックスと関係があり、良い香りに触れると心に安らぎが起こります。アロマテラピーは家庭だけでなく、ビジネスシーンや医療・介護の現場でも注目されてきている人気の資格です。
検定は1年に2回あり、それぞれ5月と11月の日曜日です。検定のグレードには2級と1級の2種類があり、検定時間の他に出題内容と深みに差があります。1級に合格するか、認定スクールが開催する資格対応コースを修了すると専門知識を持ったアロマテラピーのスペシャリストである、アロマテラピーアドバイザー、アロマテラピーインストラクター、アロマセラピストの本科資格などにチャレンジすることができます。検定の受検にあたっては協会発行の公式テキストがあり、検定対策だけでなく幅広くアロマテラピーを学ぶための教材としてもこれらを活用することができます。
アロマテラピー検定は1級・2級ともお近くにある協会の認定スクールで学ぶことができますし、通信講座で学ぶこともできます。通信講座で学んでも検定で出題される精油は全て手元に届くので、育児や家事をしながらでも楽しく学ぶことができます。
公益社団法人 日本アロマ環境協会
食育活動にもつながる!食育アドバイザー資格 勉強期間3カ月
赤ちゃんが健やかに成長することを願うなら、良い食事の習慣は欠かせません。そんな安心安全なものを摂って、健康ですくすくと育って欲しいと願うママさんにピッタリな資格が「食育アドバイザー資格」です。実はこの資格、赤ちゃんだけでなく、生活習慣病の予防やお年寄りの病気予防など、大人の健康的な食生活にも活かせる内容となっており、家族全員の明るく健康なライフプランに役立てることができます。
検定は協会指定の認定教育機関等が行なう教育訓練で、その全カリキュラムを修了し、在宅で受検ができます。協会指定の教育訓練も通信講座なので、すべて在宅で学ぶことができ、ご自身のタイミングで受験もできるので、産休のタイミングを選ばず受検ができ、挑戦しやすい資格となっています。勉強する範囲も、食育の基礎知識や食品の安全性についての基礎知識、食育活動について、これらに付帯する基礎知識となっており、食に関する知識の習得だけでなく、食育活動についても学べて実践できる内容となっています。
食育アドバイザー資格は、安心安全な食品が選べるようになるだけでなく、健康的に暮らしていくためには欠かせない食の知識を手に入れ、免疫力をつけて病気の予防や改善にもつなげられる即実践できる実用的な資格のひとつです。国でも食育基本法が制定され、今後もますます期待される資格となっています。
一般財団法人 日本能力開発推進協会
産休を利用して取得できる資格には、ビジネスに役立つものや日常生活に役立つものなどさまざまなものがあります。まとまった休みの期間を利用した自分磨きで、今後の暮らしをもっと豊かに過ごしてみてはいかがでしょうか。