妊娠中に不足しがちな3大栄養素とは?サプリメントの上手な使い方を産婦人科医が解説

Antonio_Diaz/gettyimages
妊娠前からサプリメントをとっていたり、妊娠中の栄養が気になって、サプリメントをプラスしたいと考えている妊婦さんもいますよね。そこで今回は、サプリメントの上手な使い方と妊娠中のサプリメントで気になることをQ&Aで産婦人科医の小川隆吉先生にうかがいました。
サプリメントは食事でとりきれないものを補うものと考えて
「妊娠中に必要な栄養は、食事からとるのが基本です。サプリメントはあくまでも食事でとりきれない栄養を補うもの。サプリメントをとっているからと、食事がおろそかになるのは本末転倒です。摂取する際には、必ず医師に相談してください」(小川先生・以下同)
以下、妊娠中に不足しがちな3大栄養素を小川先生に解説していただきました。
妊娠中に不足しがちな栄養素1:葉酸
「ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれるビタミンB群の一種。妊娠前から妊娠初期に摂取することで、二分脊椎(にぶんせきつい)など、赤ちゃんの神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)のリスクを減らします。貧血を予防する効果もあります」
妊娠中に不足しがちな栄養素2:カルシウム
「骨や歯だけでなく、筋肉を動かすためにも不可欠な栄養素。乳製品や小魚、大豆製品、緑黄色野菜に多く含まれます。赤ちゃんの骨をつくるために優先して使われるため、不足するとママの骨にも影響します」
妊娠中に不足しがちな栄養素3:鉄分
「血液の材料になる栄養素。赤身の肉や魚、貝類や大豆製品・卵などに含まれ、妊婦さんに多い鉄欠乏性貧血の予防効果があります。ビタミンCには鉄分の吸収をよくする効果があるので、一緒にとるといいでしょう」
妊娠中の栄養・基本の考え方
妊娠中に、不足しがちな栄養を補給するためには、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。小川先生からの回答は、下記の3大原則です。
1.栄養は食事でとるのが基本!
2.1日3食、主食・主菜・副菜をそろえて食べる
3.サプリメントは食事ではとりきれない分を補うもの
サプリメントのメリット&デメリット
妊娠中に必要な栄養素を「サプリメントで補給する」ことに対するメリット、デメリットについて伺いました。
●メリット
たりない栄養素を簡単に確実にとることができる
●デメリット
手軽な分、とり過ぎてしまうリスクがある
葉酸サプリは多過ぎても胎児の発育に影響する恐れが。用量を守って飲んで!
「葉酸を摂取すると、胎児の神経系のトラブルを低減させる一方、とり過ぎると胎児に影響するリスクもあります。摂取量は1日900~1000㎍までの適量に抑えましょう」
ビタミンAやアントシアニンなど、とりすぎに注意が必要な成分も!
「ビタミンAは、妊娠初期に過剰摂取すると胎児に影響を与える可能性があります。いろいろなビタミンが複合的に入っているマルチビタミンをとる際には、確認しましょう。また、最近では妊娠後期のアントシアニンの過剰摂取が胎児に影響することがあるというデータも。いずれもとりすぎには注意が必要です」
そこが気になるQ&A 妊娠中のサプリメント編
気になるサプリメントについて、ちょっとした疑問に小川先生が回答します。不安なことや心配なことは、主治医にも相談しましょう。
Q ダイエット系のサプリメントは飲み続けていい?
A 胎児の成長には、バランスのいい食生活が必要です。妊娠中は、自己判断でのダイエットは厳禁。成分によっては、体に悪影響を及ぼすものを含んでいる心配もあるのでやめましょう。
Q サプリメント以外の栄養補助食品は、とってもいいの?
A 栄養補助食品は、食事でとれない栄養を補うためのものです。本当に必要なものなのか、どんな成分が含まれているものなのか、主治医に相談してからとるようにしましょう。
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1日3食きちんととると、栄養バランスがよくなります。栄養は食事でとるよう心がけ、サプリメントは食事でとりきれない分を補う程度と考えましょう。ビタミンAは妊娠初期にとり過ぎると、胎児に影響を与える可能性があるので注意しましょう。(文・たまごクラブ編集部)
■監修:小川クリニック 院長 小川隆吉先生
日本医科大学卒業。同大学産婦人科講師、都立築地産院産婦人科医長を経て、1995年より現職。セックスカウンセラーセラピスト協会会員、日本不妊学会会員。
■参考:たまひよブックス「いつでもどこでもHAPPY妊娠・出産ガイドBOOK」(ベネッセコーポレーション刊)
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