胎児が大きすぎて骨盤に入らない!? 陣痛に耐えたけど最後は帝王切開へ
バイリンガル保育士、英会話講師をしながら、7歳と5歳の姉妹の子育てを楽しんでいるママライターの“Ami”です。26歳で1人目を妊娠し、つわりもなく6ヶ月まで保育士として働きました。順調だった妊娠中から、まさかの難産になりました。
大きめベビー、出産予定日より早く会えるかな?
妊娠11週目の健診の時、エコー写真を見て「大きめだね」と先生から言われていました。胎児の大きさから算出されるエコー写真の出産予定日には、通常の予定日より1週間以上早い日付が表示されたほどで、「もしかしたら、予定より早く会えるのかもしれないね」と、私たち夫婦のワクワクは止まりませんでした。
成長の経過が常に大き目な我が子を、本当に私に産めるのか不安に思い始めた頃、骨盤のレントゲンを撮ることになりました。「通常分娩でいけそうだね」と診断され、私も「“鼻からスイカ”が体験できる!」と心待ちにしていました。
予定日当日、健診へ行くと胎児は推定3773g!
「あなたはいつ生まれるの?」「そんなにおなかにいると大きくなりすぎちゃうよー」なんておなかに話しかけながら、一日一日が過ぎていきました。
予定日超過4日目、遂に破水。長い陣痛の始まり
まだかまだかと陣痛を待って予定日から4日目の朝。いつものように布団から起き上がろうとすると、下着が異常に濡れていたことで病院へ。陣痛はまだ始まっていなかったものの、“高位破水”だと診断され、そのまま入院することになりました。
促進剤の錠剤を飲み、陣痛の痛みがどんなものか期待半分・不安半分。このまま陣痛が始まり、よくある出産のように通常分娩で生まれるのだとばかり思っていました。
夜9時過ぎ、遂に“生理痛の少し強めのようなもの”を感じ始めました。「これが陣痛というものか!そんなに大した痛みじゃないな」と余裕だった私は、後に“お産ほど大変なものはない”と思い知らされることになります。
陣痛開始から20時間が過ぎ、子宮口は少しずつ開いてはきましたが、なかなか全開にならない様子。その合間に寝落ちして、痛みで起きて、また寝落ちして、を一晩中繰り返し、精神的にも体力的にも疲れていた私は、“無痛分娩”という方法を選びました。
無痛分娩へ切り替えて間もなく、子宮口は全開になったものの、「朝から胎児の位置が変わっていない」と医師から告げられた私は、げっそりでした。
もしかしたら出生体重4000gに!? 急遽、帝王切開を希望へ
無痛分娩の麻酔で、今までの痛みがすーっとなくなり、会話ができるくらい楽になりました。もう一度エコーで診察し、医師が「大きすぎて骨盤に入らないのかもしれないなぁ」と呟きました。
「骨盤のレントゲンを撮ったときに、通常分娩が可能だと診断されたのに…」と内心思いつつ、陣痛で疲れきっていた私は、早く我が子に会いたいので帝王切開を希望しました。
手術台へ横たわると、不安というよりは、出産が終わりを迎える安堵と、赤ちゃんに会える楽しみの方が大きかったです。間もなくして、先生方が「おめでとうございまーす! 」と言う声と同時に、娘を見せてくれました。「ありがとうございます」と涙した途端、全身麻酔へ切り替えられ夢の中へ。
どんな出産方法だって、元気ならいい
病室へ戻り、夫や両親から「おめでとう」「お疲れ」と言われて、再び涙したことを覚えています。麻酔でまだ意識が朦朧とした自分と、出産後で興奮している自分とで、当日は寝たり起きたり落ち着きませんでしたが、言葉では言い表せられないほどの、人生で一番幸せな日でした。
廊下をスタスタ歩く経産婦さんたちを横目に、帝王切開だった私は、手すりにしがみつきながらの歩行でした。ベッドから起き上がる時に傷口が痛むので、“腹筋を使わずに起き上がるのが、どれだけ大変なことか“を実感した入院生活でした。
本当に痛くて、つらくて、長い、そして最終的には“鼻からスイカ体験”はできなかったけれど、いろんな経験をした初出産でした。我が子をこの腕で抱けた時の愛おしさは忘れられません。「一生見つめていられる~」と、出産後すぐに親バカが発動していました。
40週4日で、3562g・52cmの女の子を出産しました。思い描いていたお産とは違いましたが、どんな出産方法であれ、命懸けのお産の末、生まれた我が子は愛おしくてたまりません。「出産は何が起こるかわからない迷路のようだな」と思いました。どんな迷路にもゴールがあるように、どんな経路をたどったとしても出産にはゴールがあります。元気でかわいい我が子を見ると、何事にも代え難い経験をさせてくれたなと思います。
[Ami*プロフィール]
現在7歳と5歳の女の子二人のママです。次女が3歳を迎えたころからパートでバイリンガル保育士、英会話講師として復帰しました。子どもの事を第一優先に考えつつ、自分のスキルアップできる場を模索中です。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。