増えすぎも少なすぎもNG! 妊娠中の体重管理のキホン
妊娠中は赤ちゃんのために適度に体重を増やさないといけないけれど、増えすぎはNG。とはいえ、体重を減らすダイエットもよくありません。今回は、妊娠中の体重管理について、産婦人科医の幾石尚美先生と、管理栄養士の星麻衣子さんに伺いました。基本を知って、理想の体重をキープして!
ママと赤ちゃんのために、妊娠中の体重管理は重要です
数年前は、「妊娠中に太ってはいけない」といわれていましたが、最近はもともとやせている妊婦さんが体重を増やさないことで起こる早産や、低体重児が多くなっていることが深刻な問題に。一方で、太りすぎてしまうこともやはりよくありません。妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群になりやすく、お産も難産になりがち。また、急激に体重が増えると、体に負担がかかります。赤ちゃんの健やかな発達・発育のためにも、ママ自身の健康や安産のためにも、自分の目標体重を知って、ゆるやかな体重増加になるように管理することが大切です。
太りすぎのリスク
・妊娠糖尿病になりやすい
・妊娠高血圧症候群になりやすい
・難産になりやすい
やせすぎのリスク
・早産になりやすい
・赤ちゃんが小さく生まれるリスク大
・生まれた子が将来、生活習慣病になりやすい
BMIの計算方法を知って、自分の体形を把握しよう
妊娠前のもともとの体形によって、出産までに何㎏増えていいのかは変わります。まずは自分のBMI(体格指数)を知って、自分の体形と目標体重増加量をチェックしましょう。
BMI(体格指数)の計算方法
妊娠前の体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)=BMI
例:身長160㎝・妊娠前の体重55㎏の場合 → 55÷1.6÷1.6=21.484375≒21.5
BMIが25.0以上の人は、太め体形
BMIが25.0~30未満の人の目標は、妊娠前から+7~10㎏。BMIが著しく高い(30.0以上)場合は、産院の個別指導になります。自己流のダイエットは厳禁です。
BMIが18.5以上25未満の人は、標準体形
目標は妊娠前から+10~13㎏。ゆるやかに増えるのを目標にし、炭水化物は適量で、タンパク質と野菜を多めにとりましょう。間食はごほうび程度にとどめて、食べすぎ注意。
BMIが18.5未満の人は、やせ体形
目標は妊娠前から+12~15㎏。しっかり食べているのにやせている人は心配ありませんが、ダイエットや栄養不足でやせている人は要注意。極端に体重が増えない場合は産院に相談しましょう。
妊娠中は、つわり明けに食欲が増したり、食べづわりで食べずにはいられなかったり、おなかが大きくなると運動不足になったりと、体重管理が大変なことも。だけど、ママと赤ちゃんが健康で、無事にお産を迎えるためにはとても大切です。無理をせず、自分に合ったペースで、しっかり管理していきたいですね。(文・たまごクラブ編集部)
■監修
厚生中央病院 産婦人科部長 幾石尚美先生
管理栄養士 星麻衣子さん
■参考:『たまごクラブ』2019年2月号「STOP!体重の増えすぎ・体形崩れQ&A」、『たまごクラブ』2019年2月号「体重増えすぎニンプのNG行動&挽回テク」
※2021年3月に改正された「妊婦の体重増加指導の目安」に合わせて適正体重を修正しました(2021/8/31)