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【医師監修】妊娠線って予防できるの? 知っておきたい本当のところ&効果的ケア術

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GOLFX/gettyimages

できてしまったら消えない!?というウワサの妊娠線。できやすい人・できにくい人、その差はどこにあるのか、何をどう気をつければいいのかなど、予防と対策など、みんなの気になる妊娠線のことを、産婦人科医の北島米夫先生に伺いました。

妊娠線ってどんなもの? いつ、どこにできるの?

妊娠線とは、皮膚にできる断裂線のことです。皮膚は、表面から表皮、真皮、皮下組織の3層からなっているのですが、表皮は伸びやすく、伸びにくいのは、真皮と皮下組織。妊娠して急激におなかが大きくなったことで、その成長スピードに真皮の伸びがついていけず、亀裂が生じてできたものです。できはじめは、表皮から透けて見えるために赤っぽい線に見え、最初は短い線ですが、ひどくなるとすいかの線のように長くのびてしまうこともあります。

いつ、どこにできる?

いつできるのかは、個人差があるのですが、妊娠中期以降にできる人が多いようです。できやすい場所は、おなかの下で、そのうち最もできやすいのは陰毛の近く。妊娠後期になっておなかが大きくなってくると陰毛近くは見えない部分なので、いつの間にかできていて、ある日鏡で見たらできていた!という声をよく聞きます。また、妊娠すると、おなかだけでなく体全体に脂肪がつきやすくなるため、胸、二の腕、わき腹、太もも、おしりなどにもできることがあります。

産後は、妊娠線は消える?

できたばかりのころは赤紫色の線でかなり目立つためにショックを受ける人が多いですが、産後は次第に白っぽい線になっていき、だんだん目立たなくなっていきます。断裂して伸びてしまっているため、完全には消えませんが、徐々に目立たなくなっていく人が多いでしょう。

妊娠線は予防することができるの?

妊娠線のできる・できないは、個人差があり、これをすれば絶対に予防できるという方法はありません。ただ、妊娠線は皮膚が一気に伸びてしまうことが原因ですから、急激な体重増加には気をつけたほうがいいでしょう。とくにつわりの症状が治まった後は、食事がとてもおいしく感じられ、食べすぎてしまいがちですし、妊娠後期になると、食欲が増す人が多くなります。自分の体重に合った適切な体重増加を心がけましょう。また、保湿も大事。乾燥している肌は皮膚の柔軟性が低下して断裂しやすくなりますが、皮膚がしっかりと保湿されていれば、皮膚の柔軟性や弾力性が上がります。

妊娠線、ここが気になるQ&A

Q 妊娠線ができやすい人っている?

A 多胎妊娠、乾燥肌、細身で筋肉質、以前から肉割れ線がある人

●多胎妊娠…たとえば、双胎妊娠の場合、おなかの大きさが単胎妊娠よりも1.5倍以上に。2人の赤ちゃんがおなかで育っているのですから、おなかの大きくなるスピードも単胎妊娠よりも早まります。多胎妊娠の場合は、できやすいといえます。

●細身で筋肉質…もともとスリム体形の人は、妊娠による急激な体重増加の影響を受けやすいと考えらます。また、筋肉質の人は、皮膚がかたく、伸びにくい傾向にあるようです。

●乾燥肌の人…肌が乾燥していると皮膚の柔軟性があまりないために、皮膚が伸びるときに亀裂が入りやすい可能性があります。乾燥肌の人はもちろん、乾燥しがちな季節は、ていねいなケアを心がけるといいでしょう。

●妊娠前から肉割れができている人…おしりや太ももなどに、白い薄い線が入っていませんか? これは、急激な体重増加だけでなく、身長が急に伸びた人などができる一般的に“肉割れ”といわれている線。肉割れも妊娠線もできる原理は同じです。妊娠前からこのような肉割れ線がある人は注意したほうがいいかもしれません。

Q 妊娠線ができにくい人っているの?

A できにくい体質の人はいます

急激に体重が増加しても妊娠線ができない人はいます。皮膚の柔軟性や弾力性がとてもある人ですが、そういう肌の人には、どんな特徴があるのか、どんな食事をとればそのような肌になれるのかなどは、今のところわかっていません。

Q 年齢は関係ある? 

A 年齢は関係ないようです

年齢と妊娠線のできる・できないは、実はよくわかっていません。年齢が若くてもできる人はいますし、年齢を重ねた人でもできない人はいます。年齢よりも、肌の柔軟性のほうが大きく関わっているのではないでしょうか。

妊娠線ケアコスメの選び方、教えて

保湿力があり、肌の柔軟性が高まるようなものを選ぶといいでしょう。オイルタイプとクリームタイプなどいろいろあるようですが、どれがいいとは言えません。必ずしも専用のものである必要もありません。使いやすいもの、自分の肌に合ったものを見つけることが大事なので、サンプルでもらえる商品があれば、いくつか集めてみましょう。妊娠中は肌も敏感になっていますし、香りの好みも変化している可能性があるので、試してみるのがいちばんです。妊娠中のデリケートな肌に着目しているもの、好みの香りがするもの、または無香料のものを探すといいでしょう。

妊娠線ケアコスメを使う前に

妊娠前は、健康で強い肌と思われていた人でも、妊娠すると肌がデリケートになることがあります。妊娠線ケアコスメを、おなか全体に塗ってしまってから肌荒れしたらとてもつらいですから、まずは、少量を塗って、赤みやかゆみが出ないかを試してください。問題なければ、おなかやそのほかのできやすいところなどに塗っていきましょう。

妊娠線ケアコスメを効果的に使う方法

お風呂上りは、妊娠線ケアコスメが浸透しやすいので、毎日のケアタイムにするといいでしょう。やさしく、ていねいにまんべんなく塗ることがポイント。とくに、おなかが大きくなると見えにくい下腹部は、陰毛の近くまでしっかりと塗りましょう。また、おなかだけでなく、太ももや二の腕、おしりなどもケアしておくと安心ですね。

妊娠線がすでにできちゃったら、ケアしても遅い?

できてしまった妊娠線を元に戻すことはできませんが、これ以上の広がりを最小限にとどめるという点から考えると、遅くはありません。ケアしたからといって、絶対にそれ以上できないというわけではありませんが、あきらめず、自分の体をいたわるつもりでケアしてみましょう。

妊娠線、こんな症状があったら気をつけよう!

むずむずかゆい、チリチリする感じがするなどがあったら要注意。妊娠線は皮膚の断裂ですから、その際にむずがゆさや、痛がゆい感じ、わずかな痛みを感じることが考えられます。こんな症状があったら、保湿力の高いケアコスメなどで保湿しておきましょう。

「ママになるんだから妊娠線なんて気にしなくていいじゃない」そんな言葉をいう人もいますが、女性はいつだってキレイでいたいものです。赤ちゃんも大事だけれど、自分の美容のことを考えるのも素敵なこと。妊娠線ケアの時間を、自分の体と向き合う時間にするのもいいでしょう。妊娠線ケアコスメを塗るときに、おなかの赤ちゃんのことを考えながら、赤ちゃんをなでるつもりでするのも楽しいかもしれません。幸せな気持ちに包まれながら、おなかをいたわりながら気持ちよくケアしてください。もしも妊娠線ができてしまったら、それはそれ。いつか赤ちゃんが大きくなったときに、「ママの勲章よ。あなたがおなかにいた証よ」と笑って教えてあげましょう。
(文/たまごクラブ編集部)

初回公開日 2019/3/14

監修/北島米夫先生

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