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授乳中は1カ月でフルマラソン7回分のエネルギー消費!産後ダイエットはやりすぎ注意【専門家】

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木製の床と体重計に若い女性の足
※写真はイメージです
west/gettyimages

出産後、なかなか妊娠前の体形や体重に戻らない、と悩む人は多いでしょう。しかし、赤ちゃんとの生活で疲れやすい産後のママは、無理なダイエットをしてしまうと体調を崩してしまいかねません。21年4月下旬に行われた「楽天ママ割」のイベントで、女性健康科学者の本田由佳先生が、産後に健康的に体形を戻すために気をつけたいことについて話しました。その内容をリポートします。

妊婦の体重増加目安が引き上げに。体形戻しの悩みが増える?

2021年3月に日本産婦人科学会は、低出生体重児の増加を受け、妊婦の体重増加の目安を引き上げました。

これにより、妊娠前のBMI(※)値(体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))に応じて、望ましい体重増加量が2〜3kg上がることに。妊娠前にBMI値が18.5未満でやせていた人は、12〜15kgの体重増加が望ましいとされています。

このことについて本田先生は「目安が引き上げられたことで、妊娠中に体脂肪が増加して産後の体の悩みを持つ人が増える可能性がある」と指摘します。

「妊娠中の体重増加が多くなればなるほど、産後の体重や体形は戻りにくくなります。体形の変化を気にするあまり、食べないダイエットをしているママもいますが、産後のママの体には無理は禁物。自分の体のことや、体重コントロールについて、ぜひ正しい知識を持ってもらいたいと思います」(本田先生)

妊娠中の体重増加で気をつけるべきことは、体質や持病など、人によって異なるといいます。自分の体格や体質ならどのようにコントロールするといいのか、医師や助産師に相談をしながら考えるといいようです。

産後ママがダイエットするときに知っておいてほしいこと

妊娠中のママの体形は、10カ月間で大きく変化します。おなかまわりやバスト・ヒップといった見た目の変化とともに、体重も増加します。そのように体が変化する中で「体重増加だけに着目せず、体重の中身を理解することが大切」と本田先生は言います。

「妊娠中の体重増加の幅は人によって大きく異なります。妊婦健診では体重を基準に指導をされると思いますが、まず、その体重の中身が何かを理解しましょう。

体重が11kg増加したママを例に考えると、妊娠中に増加する体重のうち、赤ちゃんと子宮で約4〜5kg、乳腺が400g、体脂肪が3〜4kg、体水分が約2kgとなっています。また、研究データから、体脂肪は妊娠期の前半に急激に増加し、後半の増加はなだらかで、胎児部分が主体ということがわかっています。

出産すると、入院中に多くの人がだいたい5kgくらい体重が落ちると思いますが、これは赤ちゃんや胎盤が外に出た分。体には体脂肪と体水分が残っています。産後はまず体水分から減少し、産後2〜3週間ごろから体脂肪が落ちます。残った体脂肪量にもよりますが、半年くらいをかけてゆっくり戻っていきます」(本田先生)

完母ママの消費エネルギーは1カ月でフルマラソン7回分!

産後すぐには体形は戻らないとわかってはいても、妊娠前のボトムスが入らなかったり、おなかのたるみが気になったりすると、気になるママも多いのではないでしょうか。しかし、産後のママが無理なダイエットを控えたほうがいい理由に、授乳によるエネルギー消費の多さがあるそうです。

「完全母乳の育児で1日に10〜12回授乳をしているママの場合、1日に約700kcalのエネルギーを消費します(赤ちゃんの哺乳量1L/日と仮定)。これは10kmマラソンと同等のエネルギー消費量に相当するんです。

さらに1カ月では、310kmのマラソンと同じということ。なんと、1カ月にフルマラソンを7回走っているようなものなんです。赤ちゃんの飲む量や月齢にもよりますが、飲む量が増えるほどエネルギー消費量は増えます。授乳はとても体力を使うことなんですね。

だから授乳中のママは、食事からエネルギーと栄養をしっかりとり、体を休めることが大切です。完全母乳の場合は、計算上は1カ月で約2kg体重が落ちます。1カ月に健康的に減量する目安はだいたい2kgとされています。また、体脂肪率は20%以下にならないようにすることも大切。完母のママは体形が気になっても、食事制限などで決して無理をしないようにしましょう」(本田先生)

では、授乳をしていないママはどうすればいいのかと聞くと…

「産後に授乳している人としていない人では体重の戻り具合は違います。授乳をしていないママは授乳によるエネルギー消費がないため、食事のコントロールをする必要があります。目標体重から計算して、1カ月2kgくらいのペースでゆっくり体重を落としていってほしいと思います。
授乳中は、しっかり栄養のある食事をとり、授乳をやめたら食事のコントロールを心がけるといいでしょう」(本田さん)

産後ママのヘルシーボディのために

産後のママが健康でいるためには、体重だけではなく、BMI値と体脂肪率の両方に注目することが大事だそうです。

「BMI値は18.5〜24.9くらい、体脂肪率は22%〜27.9%くらいが標準とされています。女性が第2子以降の妊娠を考えているなら、このBMI値と体脂肪率のバランスを見てほしいと思います。

まず、体脂肪率が20%より下になると、無月経や骨粗しょう症などのリスクが高くなり、体脂肪率が28%以上、BMI値が25以上となると、無排卵や糖尿病など疾患のリスクが高くなります。つまりやせすぎも肥満も不妊の原因になってしまうのです。
一方で、ある研究からBMI値が20〜24の女性は排卵障害が起こりにくいことがわかっています。次の妊娠を考えているママは、ゆっくりBMI値20〜24を目指すといいでしょう。

産後は慣れない育児で疲れますし、夜も授乳で眠れず体力を使いますから、体形を気にしすぎる必要はありません。ママ自身の健康や2人目以降の妊娠のために、体脂肪がわかる体重計を活用して、健康的なママボディを目指してほしいと思います」(本田先生)

取材協力/楽天ママ割 ママの学校 オンライン両親学級 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

お話・画像提供/本田由佳先生

赤ちゃんとの生活で疲れやすい産後のママは、体形を気にして無理なダイエットをしないよう注意が必要です。自分の健康や第2子以降の妊娠のためにも、リフレッシュするくらいの適度な運動で、健康的に体形を戻していかれるようにしましょう。

※1 BMI (Body Mass Index , ボディマスインデックス): 肥満や低体重(やせ)の判定に用いる指標として国際的に用いられている体格指数。

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