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アメリカと日本の育児環境の違いは?夫は日本、2児をつれてアメリカで働くママに聞く

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シリコンバレーはITの最先端でありながら、自然も多い。

アメリカと日本の育児環境では、どんな違いがあるのでしょうか?
子どもを2人を連れて単身で渡米し、カリフォルニア州シリコンバレーでエンジニアとして働く篠 恵理さんに、アメリカと日本の育児環境の違いについて聞きました。シリコンバレーはITの最先端でありながら、自然も多いと言います。

働いていなくても、3歳児、4歳児はプリスクール、それより下の子はデイケアへ

――アメリカで育児をしながら働く場合、子どもはどこに預けるのでしょうか?

篠さん(以下敬称略) 3歳児、4歳児は、プリスクールに通うのが一般的です。それより前の年齢だと、デイケアというところに預けることになります。

プリスクールは、日本でいうところの幼稚園。保育だけでなく、歌や言葉の習得などの学習要素があります。日本と異なるのは、預ける時間や頻度を好きに選べることです。週に2、3日だけ通うことや、昼食後12時半まで、お昼寝後14時半まで、18時までなど時間を選ぶことも可能です。

デイケアは日本の保育園に近い施設です。一般的にはプリスクールに通う前の子どもが通うところですが、3歳児、4歳児も預けられます。大手企業が運営しているところもあれば、ファミリーデイケアのように、個人の家で、少数を預かっているところもあります。

プリスクール、デイケアいずれも親が就労しているかどうかは関係なく預けることができます。また、一時保育のように、その日だけ利用するサービスを提供しているところもあります。

――プリスクールやデイケアで、日本とは異なる部分はありますか?

篠 日本とは違い、州や国からの補助金はいっさいありません。そのため、利用者がお金を払って利用することになります。また、アメリカでは子どもを預けるのに心理的な敷居が低いと思います。日本では、ママが働いていないとなかなか預けにくい状況ですが、アメリカでは、ママが休息を取るためだったり、夫婦でデートしたりするために預けるということもあるようです。

仕事最優先で手厚い保育を提供する日本、融通の利く働き方をするアメリカ

子どもたちとは公園で遊ぶことも。

――日本とアメリカ両方で、仕事と育児を経験していて、両国で異なっていると感じることはありますか?

篠 「保育」という点でいうと、日本はとても手厚いと思います。20時くらいまで延長保育をしている施設もあれば、子どもが熱を出したら病児保育もあります。働くことが最優先になっていて、それをサポートするための保育が充実しているという印象です。
一方で、アメリカは長くても18時までしか預かってもらえません。個人のファミリーデイケアでは、17時には終わってしまいます。延長保育はなく、病児保育もありません。

――もし子どもが熱を出した場合、アメリカではどうするのでしょうか?

篠 子どもが病気になったら、親が家で仕事をしながら面倒を見ることになります。私の住んでいる地域はIT企業が多いこともあり、リモートワークがしやすい環境です。ですから、子どもの調子が悪いときに、無理やり預けるということはあまりないですね。子どもの元気がないときは休ませて、親が在宅勤務するという場合が多いようです。
働く時間も自由なので、途中で子どもを病院に連れていくということもできます。

とはいえ、温暖な気候のせいか、渡米してから子どもが風邪をひかなくなりました。プリスクールでも、体調を崩しているお子さんはあまり見かけません。気候の影響が大きいとは思いますが、軽い症状であれ無理に預けて集団で感染し合うようなことがないことも影響しているのかな、と感じることもあります。

仕事とプライベートのバランスが取りやすいアメリカ

湖で水遊びを楽しむ子どもたち 。

――育児しながら働くのは、アメリカと日本のどちらが働きやすいと思いますか?

篠 私にとってはアメリカのほうが働きやすいです。仕事とプライベートのバランスが取りやすいからです。日本では、「上司がまだオフィスにいるから帰れない」とか、「就業時間中は机に向かっていないといけない」と、まわりの目を気にしたり、暗黙の了解を守らないといけなかったりする働き方が当たり前だと思っていました。

アメリカだと、まわりを気にする感覚もあまりなく、それぞれの仕事をすればいいという感じですね。時間や場所を気にせず、自分の裁量で仕事を進められて効率的です。だから、子どもの用事があっても、その時間は仕事を入れないなどの融通を利かせやすいと思います。

――アメリカでは、働くママはどんな存在でしょうか?

篠 とくに特別視されることもない、ごく普通の存在です。働くパパも、働くママも、それほど変わらないですね。専業主婦の方もいますが、女性が働きながら子育てすることが一般的になっていると思います。

自立しているからこそ、アメリカでの育児を楽しめる

自然のなかでゆったりとした生活を送れるシリコンバレー。

――海外でワンオペで育児をしていて、何か困ったことはありましたか? 

篠 子どもがアメリカのプリスクールの環境や言語の習得に慣れないと悩んだことはありました。そういうときは、ワーキングマザーのコミュニティーで相談するなどしました。

あとは、夫が日本にいるので週末もずっと子どもをワンオペで見ないといけないのは大変です。こういうときは、外に連れ出してほかの家族と遊ばせたりしています。

新しい環境にいるので、いろいろと決断をしないといけないことは少なくありません。悩むときもありますが、夫に相談しています。

日本では夫が忙しかったため、基本的にワンオペ育児でした。育児と仕事をしながらひとりで生活を回せたということが自信になり、アメリカに子どもを連れていくという決断につながりました。先ほどもお話ししたとおり、アメリカは育児しやすい環境です。でも、誰かに頼りたいという依存心があると、今の生活は成り立たせるのが難しかったかもしれないなとも思います。

お話・写真提供/篠 恵理さん 取材・文/齋田多恵、ひよこクラブ編集部

日本とアメリカで育児と仕事をしたからこそ、両国のいい部分が見えている篠さん。「アメリカでは、自分の裁量で仕事を進められる」「仕事でなくても子どもを預けられる」という言葉が印象的でした。仕事とプライベートのバランスが取りやすいとのことですが、自分に自信をもって生活をすることも大切なのかもしれません。

篠 恵理さん(しのえり)

Profile
外資系IT企業に勤務。「海外で働きたい」という夢を実現するため、2018年、夫を日本に残し、子どもを2人連れて単身アメリカへ。現在、カリフォルニア州シリコンバレーでエンジニアとして働いている。

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