片付けのプロが語る「衣替え」をしなくてよくなる、衣服の片付けポイント8
今回のテーマは、お洋服のお片付けについて。なかなか手が回らないけれど…。「誰でもできる暮らしを彩るお片付けメソッド」第12回、実践編
■教えてくれたのは…さかもとりえさん。
日本収納検定協会、収育指導士、整理収納アドバイザー、ホームステジャーなど。ときめき片づけインストラクター(旧名称)資格取得後、様々な片付けの手法を学び、講演・セミナーで講師として活躍。日々の現場で、片付けの悩みに寄り添いながら「一人一人に応じた暮らしを彩るためのお片付け方法」を伝えている。ブログ『暮らしを彩るお片付け』が好評。
本当に大切に思える服を残せば”衣替え”のいらないクローゼットに!
季節の変わり目で億劫なのが衣替え。
なかなか手をつけられず、突然の夏日に、収納ケースから慌てて半袖を取り出す、なんていう経験はありませんか?
しかも、季節の移り変わりがあいまいになりつつある近年。
夏でもエアコンで冷え切った部屋では長袖を着たり、逆に暖房で一年中半袖で過ごす人もいます。
”暮らしを彩るお片付け”では、なるべく衣替えをしない収納をお勧めしています。
しっかりとモノと向き合い、本当に大切にできるものだけを残すことで、自分の適正量がわかるようになり、衣替えが必要なくなるケースも多々あります。
今回は、そんな衣替えをしなくてよくなるお洋服の片付けポイントについてお伝えします。
ポイント1 手放す服の行き先を考える
お片付けを始める前に、手放すと判断した後の服の行き先を考えてください。
を入れる袋や箱を用意します。手放すと判断した服は、それぞれの場所に入れていきます。
注意点としては、片付けが終わったらリサイクルショップに持っていく、フリマアプリに出すなど、すぐに行動すること!”今度”や、”ついでの時に”と思っているといつまでも放置した状態になります。
ポイント2 全部出す
自分の衣類は全て出して山積みにしてください。ハンガーにかかっている服も全てです。
一度に全部出すのが難しい場合は、上着、ズボン、下着など、カテゴリー毎に。決して引き出しごとで片付けを進めないでくださいね。
ポイント3 ひとつひとつ「手」に取 る
要不要の判断をする時は必ずひとつひとつ手に取って判断してください。視界に入っているだけでは、正しい判断ができません。
ポイント4 わかりやすいものから判断していく
悩む服は後回し。すぐに判断できる服から選別していきます。モノと真剣に向き合い、判断を重ねていくと、今の趣向や自分にとって何が大切なのかが徐々にわかるようになってきます。すると最初判断が難しかったモノも、見極められるようになります。
ポイント5 判断基準を知る
わかりやすいものから判断していくと、徐々に自分の判断基準ができてきます。判断基準は好み、流行、サイズ感、肌触り、TPO、役割、劣化度合い(痛み、毛玉、伸び、色褪せ、ほころびなど)、顔映り、思い出など。
しっかりと手に取りその服に対してどんな思いがあるのかを自分に問いただします。
よくある迷いどころとしては、痩せたら着ようと思っている服は、日程を定め今すぐ『ダイエットをする!』と宣言できるのであれば残してもOK。『いつか』と思うのならば、いつか痩せた時には、今の服は流行遅れになっているか可能性が大!いつ来るかわからない日のために収納場所を提供するよりも、いまある服は手放し、その時(いつか)に流行っている服を選びましょう。
思い出の服は、服の形をしていますが、すでに服の役割は終わっています。衣類の片付けで判断するのではなく、思い出の品を片付ける時まで置いておきましょう。
ポイント6 迷ったら着てみる
それでも迷ったら実際に着用し、鏡に写してみてください。
去年までヘビロテしていたものでも、実際に着てみると、もう違うね、と感じる服もあります。
逆に、全然着ていなかった服が案外しっくりきたり。鏡に映った自分を見ることで判断がしやすくなります。
お洋服の片付けをするときには、脱ぎ着がしやすい服で行うことをお勧めします。
ポイント7 残す理由を口に出して堂々と言ってみる
なんとくなくやとりあえずで選ぶと、結局は着なかったり存在を忘れたりします。
きちんと残す理由が言えるかどうかは大切な要素。
また、手放すモノには「今までありがとう」と感謝の気持ちを伝えると手放しやすくなります。
声に出すのが恥ずかしかったら、心の中で呟いてみましょう。
ポイント8 理想の暮らしで着ているかどうかをイメージする。
あなたがイメージする理想の暮らしの中で、その服を着ていますか?
片付いたお部屋でその服を着たいと思いますか?想像を巡らせてみると、答えがでてきますよ。
以上、8つのポイントを意識してお洋服のお片付けを進めていくと、無駄な服がなくなり、本当に必要なものだけが残ることになります。
衣替えが必要のないクローゼットを目指すなら、一度、トライしてみてください。
きれいな服だけでは暮らしは成り立ちません。
掃除をする時に汚れても気ならない服も必要だし、見た目はあまり好みではないけれど肌触りが大好きなパジャマも暮らしの中では大切な服。
そいうことも含めて、残したら『絶対に大切するね!』とお洋服と約束してみてください。
お洋服を買ってクローゼットや引き出しに入れるあなたは、バイヤーです。
つまり、クローゼットは大切なコレクションを集めたあなただけのセレクトショップ。
どれを手にしても、着たいと思うものばかり。そんなクローゼットを目指してくださいね。