短期記憶の力がつく3歳・4歳。 考える力を伸ばす、親の関わり方とは?
年少さんになると「ひらがなや数を教えたい!」と思うママやパパも。ひらがなや数はもちろん大切ですが、2020年度の教育改革に伴い、今、就学前に伸ばしたい力が少し変わってきています。その1つが“答えが1つでない問題を自分なりに考える力”です。
実は、自分で考える力の芽がぐんぐん伸びるのが年少さんの時期です。“自分で考える力を伸ばす”かかわり方について考えてみませんか。
年少さんは、自分で考える力が伸びる時期!でも、うまくいかないことも…
2歳は、「りんご」「ちょうちょ」など目の前にあるものの名前はどんどん言えるようになっても、頭の中でイメージして考えるのはまだ難しい時期です。
しかし3・4歳になると、一度に覚えられる「短期記憶」の容量が増え、頭の中でイメージする力が高まります。2つのものを見比べて考えるほか、「Aはダメだけど、Bなら成功するかも!」など予想する力もつき始めます。これは自分で考える力が伸びてきている証しです。しかし3歳の子をもつママからは、次のような声も。
●幼稚園に入園してから「なんで?」が多くなりました。説明できるものは、なるべくわかりやすく教えていましたが、「どうしてだろう?ママもわからない」と言って答えを教えないと怒ります。このままでは自分で考えられない子になるのでは!?と不安です。
●幼稚園で「未来のくらし」をテーマにおうちで絵を描いてくださいと言われました。私としては、子どもに考えさせながら楽しく絵を描きたかったのですが、うちの子は自分で考えることができません。まず「未来」がわからないので「将来のことだよ」と教えても理解できず…。「じゃあ大きくなったら、何がほしい?」と聞き方を変えたら、おもちゃの話ばかりされました。子どもに考えさせるって難しいと痛感!
こうした悩みを抱えているママやパパは多いのですが、「年少さんだから、まだ早い!」とはあきらめないで。年少さんに合った方法だと、自分で考える力はぐんぐん伸びます。
年少さんの考える力を伸ばす2つのポイント
年少さんの考える力は、実は遊びの中で伸ばすことができます。おもちゃなどを選ぶときなどは、次の2つのポイントを意識してみましょう。
【Point1】ちょうどいい難しさのものを選ぶ
考える力を伸ばすには、すぐにできる簡単なものや、年少さんには難し過ぎるものはNG。ちょっと頑張ればできるぐらいの、ちょうどいい難しさのものを選んであげて。
【Point2】頭で予想し、手を動かしながら確認できる遊びをする
年少さんになると、頭で考えて予想することができるようになります。また実際にものに触って手を動かし、予想通りにいくか確認することで考える力は伸びます。たとえば凹凸の道をつなげて車を走らせるパズルは、頭で予想し、手を動かしながら組み合わせて確認ができるのでおすすめです。たとえ予想通りにいかなくても「〇〇するとできるかな?××するとできるかな?」と繰り返しチャレンジすることで、考える力はどんどん伸びていきます。
考える力を伸ばすには、パズルやブロック遊びなどもおすすめですが、ちょうどいい難しさのものを選ぶのは意外と難しいもの。もし悩んだときは、年少さんに合った教材を使ってみるのも一案です。
取材・文/麻生珠恵