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小児科医ママが教える!今日からやってみたくなる「ことば」がのびる「3つの力」の育て方【ママ友ドクター】

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●写真はイメージです 写真提供/ピクスタ 

発達専門の小児科医である西村佑美先生は、12歳の長男、8歳の長女、4歳の二男を育てるママでもあります。コロナ禍をきっかけに起業し“ママ友ドクター”としてSNSやオンラインスクール、コミュニティで、子どもの発達に悩む親をサポートしています。西村先生の短期連載がスタート。1回目は、子育て相談で最も多い「言葉の発達」について。先生自身、長男が1歳半のころに言葉の遅れなどに悩んだことがあるそうです。

第1子長男の育児、2歳ごろになると言葉の遅れが気になり始めて・・・

こんにちは!発達専門の小児科医・西村佑美です。毎日子育てに奮闘するママ・パパを応援するため、さまざまなヒントと私の経験をお伝えしています。

いつ話し始めるのか、発語は順調か・・・、とくに乳幼児期は心配になりますよね。私も長男の言葉の遅れに悩んだ1人です。

わが家の長男の場合、単語で話すことしかできない時期が長くて1歳半ごろからずっと悩んでいました。発語は生後10カ月でしたが、ほかの子のように文章で話せませんでした。3歳児健診のときも「あの子、話し方が赤ちゃんみたい!」とほかの3歳児に言われてしまい、落ち込みました。理解はしているようなのに、話しかけても目がそれて、そして最後まで聞いてくれず途方に暮れたことも。
その後、専門医としてしっかり心理学的に立証された言葉の伸ばし方を学び、今では立派に口げんかができるほどになりました!
言葉の発達には個人差がありますが、ゆっくりな子もそうでない子も、言葉を理解し話す力=「ことば」を伸ばせる方法が心理学の研究でわかっています。それはこれから紹介する「3つの力」をママ・パパが毎日少しずつ意識するだけ。ぜひ参考にしてください。

【1つめの力】0~6歳のころに育てたい「見る力」

言葉の発達には、読み聞かせや話しかけだけでなく、アイコンタクトや表情、ジェスチャーなどの、会話に頼らないやりとり(非言語コミュニケーション)が重要とされています。これらは言葉の土台となるもので、赤ちゃんのころから幼児期までずっと大切なポイント。相手に視線をやり注意を向け、まね(摸倣)をしながらやりとりを学ぶ力があると、コミュニケーション力がはぐくまれます。「見る力」を育てるコツを4つ解説します。

【1】 話しかけるときは目を合わせる

子どもと話すときは、意識して目を合わせましょう。子どもが「見て!」と視線を向けてきたら、笑顔で応えます。視線を交わすときの安心感が、言葉を使ったやりとりに発展する大きなきっかけになります。「目を見て!」と強制したり指で目を指したりしないように気をつけましょう。

【2】 子どもの興味につき合う

子どもがおもちゃや絵本、人や動物などに興味を示したら、「ワンワンがいるね」「この赤い車が好きなんだね!」と声を添えます。子どもが注目している対象を一緒に見ること(共同注視)で、「言葉」と「対象」をつなげやすくなり、コミュニケーション力が伸びていきます。

【3】 遊びや絵本を使って「見る→指さす→言葉にする」を体験させる

おもちゃや絵本を使って「どれが大きい?」「赤いのはどっち?」といった問いかけや、絵本で指さしながら「これ、なんだと思う?」「次はどうなるかな?」と興味を引き出します。子どもが指をさしたり、こちらを見たりしたら、すかさず「ゾウさん大きいね!」などとジェスチャーをつけて言葉を返しましょう。

【4】 目が合ったら笑顔で応える

難しいことを考えず、まず大事なのは、目が合ったときにニコッと応えること。目を合わせながらハグなどスキンシップを増やすだけでもいいでしょう。「ママやパパと目を合わせるとうれしい!」と子どもが学び、少しずつ言葉などの真似ができるようになり自然にコミュニケーションが活性化します。

【2つめの力】0~1歳のころに育てたい「聞く力」

生まれたばかりの赤ちゃんでも、ママ・パパの声を聞いています。乳児期は「話す」より「聞く」ことに重点を置き、言葉の土台作りを進めましょう。「聞く力」を育てる3つの方法を紹介します。

【1】 目を見て話しかける

「おはよう」「いいお天気だね」など、やさしい表情と声で話しかけて。目が合ってにっこり笑うだけでも大丈夫。赤ちゃん言葉も効果的で、リズムがよく覚えやすいので、言語習得を助けます。

【2】 赤ちゃん言葉を使って話しかける

親ならだれもが自然と使ってしまう「わんわん」「ぶーぶー」などの赤ちゃん言葉といわれるものは、赤ちゃんが覚えやすい音のリズムを持っていて、言語習得を助けます。
繰り返し聞かせることで定着しやすく、「ことばって楽しい!」という感覚につながります。ただし、1歳半ごろまでには普通の言葉を使う意識を。

【3】 聞く言葉のバリエーションを増やそう

おむつ替えのときに「気持ちいいね」、お散歩のときに「風が涼しいね」など、赤ちゃんが体験している日常をナレーションするように言葉にしてあげましょう。赤ちゃんは五感を通じて世界を知り、そのときの状況で聞いた言葉のニュアンスを少しずつ吸収します。名詞だけでなく、「ぶーぶー、かっこいいね!」のように形容詞や動詞、擬音語・擬態語も使いましょう。

【3つめの力】1~5歳のころは「話す力」を広げる時期

1歳を過ぎると、子どもは少しずつ言葉を話し始めます。この時期は、言葉の「やり取り」を楽しむことを意識しましょう。「 話す力」を広げる方法を4つ紹介します。

【1】 選択肢を増やして言葉を引き出す

「りんごとバナナ、どっちが食べたい?」など、子どもが自分の意思を言いたくなるよう話しかけます。指さしやアイコンタクトで意思表示出来たらOK。最初は短い返事でも、「そう、バナナね!」と肯定すると、さらに言葉を伝えたいという気持ちが育ちます。

【2】 言葉のモデルを見せたり日常の出来事を言葉にする。

子どもが「ぶーぶー!」と言ったら、「ほんとだね、赤い車がぶーぶー走ってるね!」というように少し長く返してみましょう。たとえば1語文の子どもには1~2語を追加した、二語文や三語文で話しかけると伸びやすいとされています。「鍋がグツグツしてるね」「おふろはあったかいね」など、状況や動作の言葉をかけることで、言葉の意味と音をリンクさせやすくなります。料理や掃除など、日常に隠れた音や動きを言葉にすると、子どもの興味を引き出せます。

【3】 絵本の読み聞かせを活用する

絵本を読むときは、ただ読んで聞かせるだけでなく「この動物は何かな?」「次はどうなるかな?」など問いかけをしてみましょう。子ども自身が「ゾウさん!」と答えたら、「そうだね、ゾウさんは大きいね!」とジャスチャーつきで返したり、ページが進むたびに子どもが予想できるように声かけをすると、やりとりが一層盛り上がります。幼稚園の先生になったつもりで読み聞かせをしてみてください。

【4】おしゃべりの時間を作り、子どもの言葉を尊重する

どうしても毎日忙しいと、子どもとの会話が片手間になりがち。でも、乳幼児期は短い間でもていねいな言葉のやり取りが「ことば」の力を増やします。5分でいいのでおふろ、寝る前、食事中など、意識的にほかのことはしないで子どもとおしゃべりしながら遊んであげる時間をつくりましょう。
たとえ子どもが何を言っているのよくわからないときでも、まず「そっか~!」笑顔であいづちを打ったり「そう思ったんだね」「お話ししてくれてありがとう」と受け止めることが大事。「ママ(パパ)は聞いてくれている」という安心感があると、子どもはもっと話したい気持ちになります。

文・監修/西村佑美先生 構成/たまひよONLINE編集部

子どもの言葉の発達には、親のかかわりが重要です。絵カードなどで一方的に教えるのではなく、今回紹介した「3つの力」を育てるつもりで言葉のやりとりをしてかかわると、子どもの言葉の発達がぐんと伸びます。あせらず、楽しみながら「ことば」の世界を広げていきましょう!

【参考文献・資料】
・Bottema-Beutel, K. (2016). "Associations between joint attention and language in autism spectrum disorder and typical development: A systematic review and meta-regression analysis." Autism Research, 9(10), 1021–1035.
・Rowe, M. L. (2012). A longitudinal investigation of the role of quantity and quality of child-directed speech in vocabulary development. Child Development, 83(5), 1762-1774.
・Hirsh-Pasek, K., et al. (2015). Putting education in “educational” apps: Lessons from the science of learning.
・Rogers, S. J., et al. (2012). Evidence-based comprehensive treatments for early autism. Journal of Clinical Child & Adolescent Psychology, 41*(1), 8-38.
・日本小児科学会「乳幼児の発達における言葉の重要性」 (関連する年代の資料・ガイドライン).
・* 厚生労働省. (母子保健に関する資料).
・WHO(世界保健機関)「Early Childhood Development and Language Acquisition」

●記事の内容は2025年2月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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