山田ローラ 「日本では無痛分娩がマイナー過ぎる!?妊婦が希望するバースプランを」
ラグビー選手の妻でママである山田ローラさんは、アメリカと日本の育児の違いにとまどいながらも3人の子育てに奮闘中。ハワイで第3子を出産した山田ローラさんは「産後の回復の早さを考えても無痛分娩がもっと日本で広がればいいのに」と言います。今回は山田ローラさんがまわりのお友だちと話している「無痛分娩」についてのお話です。
日本では、まだまだ無痛分娩がマイナー過ぎる
最近まわりに出産を控えている親友が多く、必ずと言っていい程、出産方法の話題で盛り上がっています。とてもインターナショナルなグループなので日本で出産した方もいれば、海外で出産した方も。それぞれの国によって風習や制度が異なるため、勉強になることがたくさんあります。
現在はコロナ禍ということもあり、自国へ帰れずに日本で出産するお友だちが多いのですが、みんなで意見が一致したのが、日本は無痛分娩がまだマイナー過ぎるということでした。
無痛分娩を希望していても出産を予定している産院ではできなかったり、無痛分娩ではなく和痛分娩であったり。
中には無痛分娩も可能な病院なはずなのに、医師から
「出産は病気じゃなくナチュラルなことだから、自然分娩で頑張って」と言われてしまったケースも。言葉の壁がある中での出来事だったので彼女もそのときは言われるがまま自然分娩をし、第2子は絶対に無痛分娩にすると意気込んでいました。
アメリカでは医療費の問題もあり、入院期間は必要最低限
なぜ海外では主流な無痛分娩がこんなにも日本で珍しいことなのでしょうか?
まず海外、とくにアメリカでは医療費がものすごく高いため、入院期間も必要最低限しかありません。経膣分娩だと24時間。帝王切開だと48時間。もちろん何かトラブルがあれば延長されますが、基本かなり短めな入院です。無痛分娩を選択すると、痛みが緩和されると同時に体力の消耗が少なくなるので、すぐ退院してもなんとかやっていけます。
私自身も双子の出産の際、自然分娩と帝王切開のダブルパンチをくらいながらも72時間でのスパルタ退院でした。オーストラリアやニュージーランドでも数日での退院が普通であり、無痛分娩や和痛分娩を選択される妊婦が大半みたいです。
日本だと普通分娩で通常5日間。帝王切開で10日から14日間。長い入院期間の中で体力の回復ができるように手厚いケアを受けられることが可能です。日本の入院期間を考えたら自然分娩も選択肢に入るかもしれないと意見もありました。
妊婦さんの選択肢が増えたら、ストレスも減るのでは!?
しかし日本ではそもそも無痛分娩が受けられる病院が海外に比べると少ない気がします。日本では産院などのクリニックでの出産が多い中、アメリカでは主に総合病院での出産となります。麻酔科医が常に在籍しているため、無痛のための施術がいつでも受けられる体制が整っています。私は夜中に破水したのですが、いつでも麻酔を投与できるように医師がスタンバイしてくれていました。
比べて日本では小規模の産婦人科の個人病院が多く、麻酔科医が限られているため、無痛分娩を希望する方は計画出産。予定前に産気づいてしまった場合は麻酔科医の都合が合わず自然分娩になってしまったケースも少なくはないと思います。
もう少し無痛分娩がメジャーとなり、これから出産を控えている妊婦さんの選択肢が増えたらストレスも少しは緩和されるはずです。
出産は自然なことだし、多少なりでもリスクがある麻酔を使わずに出産できる女性もたくさんいるかと思います。
しかし痛みに耐えられるレベルはみんな違うので、妊婦さんが希望するバースプランを尊重するのも大事だと思います。
文/山田ローラ 構成/ひよこクラブ編集部
山田ローラ
Profile
タレント・コラムニスト。1988年9月23日生まれ。アメリカ・アイオワ州出身の日米ハーフ。アメリカで大学を卒業後、日本でモデルデビュー。2015年3月にラグビー選手の山田章仁さんと結婚、2016年9月に男女の双子を出産。2020年9月に次女をハワイで出産。