便利なフリージング離乳食! 注意が必要な食材は?【管理栄養士監修】
1回に食べる量が少ない離乳食では、まとめて下ごしらえして1回分量ずつに分けて冷凍保存しておくと便利です。暑い毎日、キッチンで長い時間火を使いたくないときにもフリージングストックを使えばラクチンです。
とはいえ、どんな食材でもフリージングしていいわけではありません。中には、フリージングすることで大きく食感が変わってしまうため、離乳食で使う際には、注意が必要な食材もあります。
また、フリージングしたあとの栄養のことや上手な解凍のしかたなど、離乳食のためのフリージングで気になることを、管理栄養士の中村美穂先生に聞きました。
フリージングに注意が必要な食材は?
「フリージングすると、水分が多い食材は水分が抜けてしまい、食物繊維が多い食材は、繊維質が壊れて、食感が大きく変わってしまうことも。そのため、そのままフリージングするのは不向きなものがあります」(中村先生)
以下にフリージングをする際に注意が必要な食材を紹介します。
豆腐
離乳食でよく使う食材ですが、水分が多いため、フリージングすると、水分が抜けてスポンジ状の高野豆腐のようになります。食感が大きく変わってしまうため、離乳食用にフリージングした豆腐を使うのは不向きです。
卵
生卵をそのままフリージングするのはNGです。黄身はかたゆでしたままフリージングを。白身は水分が多く、豆腐と同様に解凍加熱時にかたくなるので、フリージングは不向きです。全卵を使った薄焼き卵やいり卵などは、加熱後にみじん切りにしてから、フリージングすればOK。どちらも解凍後はパサつくので、おかゆなど水分が多いものに混ぜるのがおすすめです。
じゃがいも
ゆでたじゃがいもをそのままフリージングすると、水分が抜けてパサパサになり、食感が変わってしまいます。離乳食用には、ペーストやマッシュ状にしてからフリージングするのがいいでしょう。
水分が多い、加熱して食べることが多い野菜
かぶ、大根、なすなど水分が多く加熱して食べることが多い野菜も、そのままフリージングするとスカスカに。適当な大きさに切って下ゆでし、少量のゆで汁と一緒にフリージングしましょう。解凍するとドロッとしてしまうので、ペーストやみじん切り、汁ものの具にするのが向いています。
水分が多い、生で食べることが多い野菜
トマトやきゅうりなどの野菜もとても水分が多く、生のままフリージングして解凍すると、ブヨブヨになってしまいます。ただ、トマトは煮ものやスープにすればよいので、フリージングしておくと便利です。
バナナ
バナナは皮をむいてラップに包んだり、食品保存袋に入れたりしてフリージングできますが、解凍すると水分が出て、ベチャッとした食感になり、茶色く変色してしまいます。そのため、フリージングしたものは加熱してペーストとして離乳食に入れるのがおすすめです。
フリージングすることで栄養が落ちることはある?
栄養の低下は、フリージングすることで起きるというより、加熱を繰り返すことで起きます。
「フリージングした食材を使った離乳食の場合、下ごしらえと食べる直前の解凍調理で、ほとんどが二度加熱することになります。そのため、熱に弱い一部の栄養素は壊れてしまうことがあります。一方で、きのこ類などは、フリージングすることによりうまみがアップするといわれています」(中村先生)
電子レンジ解凍をするとパサつきがち。上手に解凍調理するコツは?
「電子レンジは、機種によって加熱具合が変わるため、加熱時間の調節が必要なこともあります。まずは、レシピ記載の加熱時間よりも10~20秒短めに加熱し、いったん取り出して混ぜ、様子を見ながら10秒ずつ再加熱して、ちょうどいい加熱状態を探って。加熱前に水をふり乾燥を防ぐとよいですが、少しパサついてしまった場合は、水分の多いおかゆや汁ものなどに混ぜて食べさせてみましょう」(中村先生)
監修/中村美穂先生 取材・文/ひよこクラブ編集部
食材によって、フリージング後の食感が大きく変わってしまうものがあるようです。ほとんどの食材は、フリージングの前に下ごしらえすれば、離乳食に使うことはできそうです。解凍後の食材の状態を理解した上で、フリージングを上手に活用しましょう。
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参考/ひよこクラブ』2021年7・8月合併号 別冊付録「フリージングストックで乗りきる カレンダー式離乳食 365日のレシピBOOK」