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お家で簡単!赤ちゃんのことばを伸ばすパラレルトークとターンテイキング【専門家】

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ぬいぐるみで遊ぶ親子
※写真はイメージです
yamasan/gettyimages

まだ言葉が話せない赤ちゃん。会話にならないからと「言葉かけのやり方がわからない」「何を話してあげればいいのかわからない」と、小さな赤ちゃんへの言葉かけに戸惑うママやパパもいるようです。赤ちゃんへの言葉かけの大切さや、どんな言葉かけをすればいいのかを、言語聴覚士の寺田奈々先生に聞きました。

赤ちゃんは大人の声を聞いておしゃべりの準備をしている

――まだ言葉を話せない赤ちゃんへの言葉かけは、どんな意味があるのでしょうか?

寺田先生(以下敬称略) 0才の赤ちゃんでママやパパの言葉の意味を理解していない段階では、ママの声を聞いて目で追ったり、声の抑揚やリズムを楽しんでいるということもあります。その後、話すことはできなくても、徐々に言葉を理解し始める段階になります。そして理解できる言葉が増えていくと、おしゃべりが始まります。赤ちゃんが言葉を少しずつ理解して、おしゃべりの準備をするために、ママやパパが話しかけてあげることはとても大事です。

子どもの状況と言葉をつなげる「セルフトーク」「パラレルトーク」

――「赤ちゃんに何を話せばいいかわからない」と感じているママやパパに、言葉かけのヒントを教えてください。

寺田 頑張って何か話しかけようとしなくても大丈夫です。何を話せばいいかわからないなら、その時起こっていることを実況中継するのもいいですよ。実況中継には、大人自身のことを話す「セルフトーク」と、赤ちゃんの様子を言葉にしてあげる「パラレルトーク」があります。

「セルフトーク」は、「ママはおなかがすいたなぁ」「鍵はどこかな?」「これからお料理しますよ」など、大人自身の行動や思いを言葉にすることです。目の前で起こっている状況と言葉が一致することで、子どもの言葉のレパートリーが広がります。セルフトークするときのポイントは、できるだけ子どもが理解している言葉を使ってあげることです。

1才代なら、名詞、オノマトペ、簡単な動詞や形容詞、赤ちゃん言葉を使ってあげるといいでしょう。「赤くて丸いりんごだね」「雨がザーザーふっているね」「ごみポイ!しようね」などですね。

2才代なら、数やかたち、色を表す言葉や、体のいろいろな場所、何?だれ?どこ?などの疑問文を使ってもいいでしょう。お買い物のときに「バナナを1本、2本、3本、カゴに入れよう」と数えながら実況中継したり、着替えのとき「〇〇ちゃんのおててはどこにあるかな?」と聞きながらお話ししたりしてあげるのもいいと思います。ただ、これは目安なので、あくまでも子どものペースに合わせてあげてください。

――では、パラレルトークはどのようなものでしょうか?

寺田 「パラレルトーク」は、まだおしゃべりできない赤ちゃんがきっとこんな気持ちだろうと推測して、代わりに大人が言葉にしてあげることです。赤ちゃんが泣いたとき「おなかすいたね」「おむつ替えたいのかな?」、おむつ替えのあとに「さっぱりしたね」「気持ちがいいね」、授乳のときに「おっぱい飲もうね」「おなかいっぱいになったね」など、赤ちゃんがその時感じているだろう気持ちや、体の様子を言語化してあげるんですね。赤ちゃんもきっと「それ、今知りたかった言葉なんだ!」という感じになるでしょう。状況と言葉がマッチすると、その言葉を理解し、覚えることにつながります。

言葉かけのポイントは「ターンテイキング」

――セルフトークやパラレルトークなら、ママやパパも無理なく言葉かけしてあげられそうですね。では、赤ちゃんに言葉かけするときのポイントはありますか?

寺田 まずは、話しかけるときに目を合わせてあげることが大事です。目を合わせていると、しだいに赤ちゃんは「ママがどこを見ているのかな?」とママの視線の先を追うようになります。たとえばママが「わんわん来たね!」と話しかけたとき、ママの視線の先に犬がいると、赤ちゃんは「あれはわんわんだ」と理解します。

逆に、ママが赤ちゃんが見ているものを解説してあげることもできます。赤ちゃんがおもちゃの車を見ているときに「ブーブーだね」と話してあげるのもいいですね。目線を合わせてお話してあげることで、赤ちゃんが注目しているものやママが注目しているものと、言葉が結びついて、言葉の力が発達するのです。

――そんなふうに理解できる言葉が増えていくと、少しずつ会話もできるようになっていくのでしょうか?

寺田 実は、赤ちゃんが0才代のうちから、会話の練習は始まっています。「ことばのキャッチボール」というように、まだ言葉を話せない赤ちゃんでも、声や反応を待ってあげ、“子どもの番”を作ってあげることは重要です。これを「ターンテイキング(順番の交代)」と言います。0才代の赤ちゃんが「アー」「クー」などの声を出したら、「そうなの」「ごきげんだね」などと答えてあげ、次は赤ちゃんの声を待つ、というように「ターンテイキング」を意識するといいでしょう。

また、言葉を覚え始めたくらいの小さな子どもは、言葉を話すときに大人の何倍も準備の時間がかかります。話しかけたあとには、子どもが答える順番を待ってあげましょう。子どもが安心して楽しくお話しできる機会を作ってあげるといいですね。


取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

お話・監修・画像提供/寺田奈々(てらだなな)先生

言葉を話さない小さな赤ちゃんでも、ママやパパの声を聞いて少しずつ言葉を学び始めています。「言葉を伸ばすために話しかけなくちゃ」と無理して気負わなくても、赤ちゃんの気持ちに寄り添って話しかけてあげれば、言葉の力を伸ばすことにつながります。

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