赤ちゃんへの絵本の読み聞かせがもたらす3つの効果とは?【専門家】
「赤ちゃんに絵本を読み聞かせるのはいいらしい」となんとなく知ってはいても、まだ言葉もわからない赤ちゃんに、絵本を読み聞かせる意味はある?と思っているママやパパは結構いるかもしれません。赤ちゃんへの絵本の読み聞かせにはどんな効果があるのか、そして、発達時期別にどんな読み聞かせ方がいいのか、保育学・幼児教育学専門家の金元あゆみ先生に聞きました。
赤ちゃんに絵本を読み聞かせると、こんな“いいこと”が!
赤ちゃんに絵本を読み聞かせることでもたらす効果といわれて、すぐに浮かぶのは「言葉への興味」ですが、それだけではありません。金元先生は絵本の読み聞かせには“3つの いいこと”があると言います。
【いいこと1】言葉に興味を持つようになる
赤ちゃんに絵本を読んであげるときには、ママ・パパは自然とゆったりとしたテンポで、抑揚があるやさしい読み方になるでしょう。絵本の中のやさしい言葉が、ママやパパの声で語りかけられることで、赤ちゃんの言葉への興味、基礎がはぐくまれます。
【いいこと2】人とかかわることが好きになる
赤ちゃんは、読み聞かせの言葉のリズムや抑揚を音楽的にとらえていて、「心地いい」「もっと聞きたい」と感じています。こうした、人から語りかけられる心地よさが喜びとなり、人とかかわること自体が好きになっていきます。
【いいこと3】親子で楽しさを共有できる
絵本の読み聞かせをするということは、赤ちゃんとママ・パパが、絵本という同じツールを使って、一緒に同じ時間を過ごすことになります。それにより、楽しさを共有したり、思いを通わせたりすることができ、親子の絆(きずな)が深まっていきます。
【発達時期別】どんな絵本を、どんなふうに読む?
0才代の赤ちゃんにも、絵本を読み聞かせることで、3つの効果があることがわかりました。とはいえ、どんな絵本を選んで、どんなふうに読んであげるのがいいのでしょうか?
そこで、「ねんね」「おすわり・はいはい」「立っち・あんよ」の3つの発達時期ごとに、おすすめの絵本のタイプと、読むときに心がけるといいことを、金元先生に聞きました。
【ねんねのころ】赤ちゃんと一緒に絵を見ましょう
ストーリーはまだ理解できないので、はっきりとした、単純な絵の絵本がおすすめ。赤ちゃんが繰り返し見つめる絵があれば、ママ・パパも一緒に見てみましょう。読むときはゆっくりと抑揚をつけて、赤ちゃんに語りかけるようにしてみて。
【おすわり・はいはいのころ】赤ちゃんとのやりとりを楽しんで
言葉の繰り返しや効果音、オノマトペ(「キラキラ」などの擬態語や「ザーザー」などの擬音語)がある絵本を選ぶと楽しんでくれます。また、やりとりや応答をすることもできてくる時期なので、赤ちゃんに問いかけたり、呼びかけたりするような絵本もおすすめです。
【立っち・あんよのころ】まねっこや、物の名前に興味津々
赤ちゃんが言葉や動きをまねしやすい内容の絵本がおすすめ。また、身近なものが描かれた絵本には、物と名前が一致する楽しさがあります。気になったものを赤ちゃんが指さしたら、一緒に見て、名前を言ってあげましょう。また、絵本を読んでほしがったら、できるだけ応じて。絵本を使って遊んであげる気持ちでOKです。
監修/金元あゆみ先生 取材・文/ひよこクラブ編集部
赤ちゃんに絵本を読んであげると、言葉はまだわからなくても、ちゃんと聞いているということがわかりました。金元先生のアドバイスをもとに、赤ちゃんの発達にあった絵本を選んで、親子で読み聞かせを楽しんでみてはいかがでしょうか。
『ひよこクラブ」2022年1・2月合併号には、おうちの中でも赤ちゃんに刺激を与えられる、室内遊びや絵本を紹介した「赤ちゃんの脳と体をはぐくむ おうち遊び大全」特集があります。
参考/『ひよこクラブ』2022年1・2月合併号「赤ちゃんの脳と体をはぐくむ おうち遊び大全」
※掲載している情報は2021年12月現在のものです。