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子育てが終わって寂しい…。3人の子育てが終わった今だからこそ言える、ママたちに伝えたいこと【アグネス・チャン】

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2022年でデビュー50周年を迎えた歌手のアグネス・チャンさん。現在は日本と香港を行ったり来たりする生活をしているそうです。3人の息子はアメリカのスタンフォード大学を卒業し、現在36才・33才・26才。大先輩ママであるアグネスさんの子育て時代のことや、子育て環境やコロナ禍などで悩むママたちへ伝えたいことを聞きました。

長男と2人でのお出かけをきっかけに、子育てに積極的になった夫

――アグネスさんの子育ての時期、パパはどのように3人の息子さんの育児にかかわっていましたか?

アグネス 夫は長男の時の始めのころはあまり子育てをしませんでした。アメリカにいたとき、夫が2才の長男と2人だけでファストフード店に行ったことがあったんです。そうしたら帰宅後、夫は「長男はおれにすごくよそよそしい気がする」って言うんです。
私は「そうだよ。子育てしていなければ当然でしょう」と言いました。「おふろに入れたり、たまに外に遊びに行くぐらいでは子育てじゃない。子育てっていうのは、下着がたりているかとか、そろそろ靴を買い替えなきゃとか、そういうこまかいことまでも考えることよ。もし突然私が交通事故で死んじゃったらどうする?下着がどこにあるかもわからない、それは子育てじゃないのよ」と。

夫は反省したようで、その日から子どもと一生懸命つき合うようになり、2人目からはミルクをあげたりおむつ替えをしたり熱心にやってくれました。私と夫のどっちが先におむつを替えるか、一緒に遊ぶか、など競いながら子育てしましたね(笑)。

子どもをもつと、できないことが増えるのではなく、できることが増える!

次男が0歳の時。だんだん育児にも慣れてきたころ。

――アグネスさんが子育てしていたころと今とでは、子育てのしやすさやママたちの悩みはどんなふうに変わったと感じていますか?

アグネス 私が子育てしていた時は専業主婦の割合が多く、パーフェクトな母親像などを求められることや、仕事をしたくてもなかなか難しい部分があり大変だったと思います。最近のママたちは、また違う問題に直面していますよね。結婚しても働くのは当然だし、女性の社会進出のチャンスも増えて、選択肢が増えたぶん、出産や子育てによる人生設計の変化に不安を持つ人もいると思います。

子どもを持つと独身時代のような自由や時間がなくなったと思うかもしれないし、親になると責任も増えます。でも一方で子どもを持つことは、1人だったらできないことができるようになったということですし、楽しい経験をたくさんできる相棒(子ども)ができたということなんです。自分がコントロールできることが減ったのではなく、増えたんです。

世間の常識やマニュアルから自分を解放して、自分と赤ちゃんの人生がよりよくなるように、今しかない赤ちゃんとの時間を目いっぱい楽しんでほしいです。

子どもを愛することこそ、コロナ禍で生きる勇気になる

――コロナ禍で人とのコミュニケーションが変わる中で、課題に思うことはありますか?

アグネス 今まで誰も経験したことがないようなコロナ禍での活動自粛の状況からのさまざまな影響は、いずれ社会心理学者などが研究することになるでしょう。2年前とは異なり小さい家族の単位での生活が強いられたことがつらいこともあったと思います。
けれど子どもに必要とされ、子どもを愛することは、実は人間のいちばんの生きる力や勇気になると思います。家族が一緒に長い時間過ごせるのは、今だけのチャンスかもしれません。

私はコロナ禍の日本と香港との移動で10回の隔離生活を経験しました。14日間ホテルの部屋で1人で過ごし、だれとも会わないのは本当につらいこと。コロナ禍でいちばん心配なのは、1人で過ごしている人ですよね。

想像力を使って、子どもと一緒にいる時間を楽しく過ごすことができれば、コロナが終わったあとも「あの時期は楽しかったね」という家族のいい思い出になるかもしれません。

――では、今子育てを頑張っているママやパパにメッセージをお願いします。

アグネス 今のママたちに言いたいのは、まず「大好きな人ができて結婚できておめでとうございます」。そして「2人で勇気を持って子どもを産んでくれてありがとうございます」。難しい状況をわかった上で子どもを迎える決心をしたことはすごいと思います。

私は子育てが終わってしまって、今すごく寂しいです。だから、ママたちには今の時期を目いっぱいエンジョイしてほしいし、私が持っている子育ての知識を、若いママたちに少しでも分けて応援したい。ママたちみんながもっと自信を持って「私も結構うまくできてるじゃん」と思えるような手助けをすること、それが私にできる役割の一つかなと思っています。


お話・写真提供/アグネス・チャンさん 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

「長男はまじめで頼もしい、二男はロマンチストで繊細、三男は要領がよくて世渡り上手。同じように育てたと思うけれど3人とも個性が違うし、けんかしたことがないほど仲よしです」とアグネスさん。知識と考え方を工夫して楽しみながら子育てすることが、のちに子どもが生きる上での大切な土台になります。



※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

アグネス・チャンさん

PROFILE
歌手・エッセイスト・教育学博士。
香港生まれ。1972年『ひなげしの花』で日本デビュー。上智大学国際学部を経て、カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。85年に結婚、86年に長男を出産。89年、米国スタンフォード大学教育学部博士課程に留学。留学中の89年に次男を出産。94年に教育学博士号(ph.D)を取得。96年に三男を出産。以降、歌手、エッセイスト、日本ユニセフ協会大使など幅広く活躍。2022年に日本デビュー50周年を迎えた。近著に『0歳教育』(ディスカバー・トゥエンティワン)がある。

『スタンフォード大学に3人の息子を入れた 賢い頭としなやかな心が育つ 0歳教育』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

最初の1年は、成長の黄金期! 子どもの可能性を最大限に引き出す 簡単「声かけ」「スキンシップ」「遊び方」とは?3人の息子を米国名門大学・スタンフォード大学に入学させ、自身もそこで教育博士号を取ったアグネス・チャンさんによる、簡単・気づいたときにすぐできる! 子どもの能力がぐんぐん伸びる「育児のアイディア70」を紹介。

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