「先に帰っちゃうよ」は逆効果! 公園から帰りたがらない子どもの心を動かす「でんちゃん先生」の必殺技とは?
ぽかぽか陽気に誘われて子どもと一緒に公園へ行ったとき、「まだ帰りたくない」「もう少しだけ」と言われてしまい困ったことはありませんか? 子どもの気持ちは分かるけれど、そろそろご飯の準備もあるし……。こんなとき、「ママ(パパ)、先に帰っちゃうよ!」の声かけはできれば控えてほしいとでんちゃん先生は言います。
今回は、でんちゃん先生のInstagramでも人気のコンテンツ「ベビーシッターが声かけしてみたシリーズ」から、帰りたがらない子どもに試したい“魔法のような声かけ”を教えてもらいました。
プロフィール
でんちゃん先生
3児の保育士パパ&ベビーシッター
大学卒業後、保育職に就き、保育園・幼稚園・障害児支援施設にて10年間勤務。今年4月より、ベビーシッター業を開始。同時期に始めた育児ノウハウを紹介する(@denchan_family_)では、フォロワー数2.4万人越えの人気インスタグラマーに。プライベートでは6歳の長女、4歳の長男、1歳の二男を育てる。
「スペシャルミッション」成功のポイントは特別感!
公園から帰りたがらない子どもには、「今からすべり台を3回滑らないと帰れないよ」とスペシャルミッションを与えるのが効果的だと話すでんちゃん先生。でも、いつも同じようなミッションでは効果が薄れてしまいますよね?
「スペシャルミッションを成功させるポイントは、最後の1回をスーパースペシャルにすること! たとえば、『最後の1回だけ特別に高い高いするよ』など、最後の一回に特別感を持たせるといいですね。公園から帰る時ではなく、家に着いた時にスペシャルミッションの時間を伝えるのもおすすめです。さらに『すべり台を3回かブランコを50秒、どっちにする?』と選択肢を作ってあげると、子どもが興味を持って取り組んでくれます」。(でんちゃん先生)
実際にでんちゃん先生の動画でも、「やだ」「まだ遊びたい」と駄々をこねていた子どもが楽しそうにスペシャルミッションをこなしています。まだ言葉を理解できない子には、「あ! 公園の外に赤いブーブー(車)走ってるね! 見てみよっか!」「あれ? 今あそこに蝶々飛んでたよ!」など、目に見える別の魅力に気付かせる声かけも効果的だとか。成功の秘訣は、パパ・ママのスペシャルミッションのバリエーションとレパートリーの数にかかっているのかもしれません。
親として避けたい「帰りたい子ども」に対する言動とは?
公園から帰りたがらない子どもに対して、「帰らないなら置いていくよ」「先に帰っちゃうよ」と口にしたことはありませんか? 実はこの声かけは逆効果だと言います。
「本当に公園に置いていくパパやママはいないですよね? そうなると、子どもから『この人の言葉は信用できない』『この人の言葉は聞く価値がない』と思われて、余計言うことを聞いてくれなくなってしまいます。僕は、『料理は体を作る、言葉は心を作る』と思っています。そのくらい親の言葉は大切ですから、常にそのことを意識した声かけが必要だと考えています」。(でんちゃん先生)
たとえ癇癪(かんしゃく)を起こしても、「もっと遊びたかったんだよね」と子どもの気持ちに寄り添い、言葉にしてあげれば必ず気持ちが収まるときがくるとでんちゃん先生は説きます。
たった5分間でも「親が一緒に全力で遊ぶ」だけで帰りたくなる!
どうしても帰りたがらない子どもを「お菓子」や「動画」などのご褒美で釣るのは悪いことではありません。けれど、それは時間がないときや心に余裕がないときに使える“必殺技”としてとっておくべき。「それよりも、もっと効果的な方法があります!」とでんちゃん先生。
「なかなか公園から帰ってくれないときは、帰る直前の5分間だけでもいいので、子どもと一緒に全力で遊んでみてください。親が全力で遊ぶことが家に帰る最速の方法です。『全力おにごっこ』『全力すべり台』『全力お砂場』など、何でもいいので、その子がやっている遊びや興味のある遊びを一緒に全力で行うと、話を聞いてくれることが多いです」(でんちゃん先生)
全力で一緒に遊んだママ・パパが、「もっと遊びたかったけれど、もう帰る時間になっちゃった」「本当はまだ帰りたくないけど、そろそろママ・パパは帰るね。〇〇くん/ちゃんはどうする?」と聞いてきたら、子どもも自然と「一緒に帰る!」と答えたくなるのではないでしょうか。一見遠回りに感じる「一緒に遊ぶ」行為は、子どもがすんなりと帰りたくなる最短ルートなのです。
大切なのは、帰りたがらない子どもの気持ちにそっと寄り添い共感すること。「子どもの考えを否定しない」をモットーに、常に子どもの話に耳を傾ける姿勢を貫くでんちゃん先生のInstagramには、数多くの子育てのヒントがたくさん紹介されています。「困ったな」「どうしよう?」というときは、ぜひ参考にしてみてください。きっと解決のヒントに出会えると思います!
取材・文/佐藤文子