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小児白血病治療経験のある四男が新型コロナ感染…!家族感染、どう予防したか?【保健師の体験】

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ひよこクラブの特集の監修でもおなじみの助産師・保健師の平田かおり先生は、4人の男の子がいる6人家族。2022年2月3日に小2の四男が、新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)に感染、家庭内療養を経験したと言います。感染力が非常に強いといわれるオミクロン株の流行下でしたが、家庭内感染は防ぐことができました。わが子に感染が判明したときのことや自宅療養について話を聞きました。
(写真は、自宅療養中の四男の様子)

急に39度の発熱。しかし翌日には36.3度に下がり、あとは無症状

新型コロナの症状は、発熱、せき、鼻水、のどの痛みなどさまざまですが、平田先生のいちばん下の子は夕方、急に39度の高熱が出たと言います。それまでは元気だったとのこと。平田先生の家族構成は男の子が4人いて中3、小5の双子、小2、そして夫婦の6人家族です。

――新型コロナに感染したのは、いちばん下の子とのことですが、初期症状などを教えてください。

平田先生(以下敬称略) 小学校から帰ってきて夕方「寒けがする」と言うので熱を測ったら39度ちょうどでした。発症したのは2022年2月3日ですが、私たちが住む東京都は連日1万人以上の感染者が出ていたときなので、直感的に「新型コロナだろうな…」と思いました。

――症状の経過を教えてください。

平田 熱が出たときは「寒けがする」と言っていたので、ストックしていた解熱剤を服用させました。熱が下がったのは、翌日の夕方です。急に36.3度の平熱になり、せきや鼻水、くしゃみなどの症状はいっさいありませんでした。食欲もあり、元気でした。

――感染経路はわかっているのでしょうか。

平田 感染経路は不明です。ただ子どもなので行動範囲は狭いですよね。家庭と小学校、学童クラブ、習い事の往復です。先生に聞くと濃厚接触者となって休んでいる子はいるけれど、感染者はいないとのことでした。

2歳で急性骨髄性白血病と診断。PCR検査を急いで受けたいけれど、うまくいかず

新型コロナに感染した小2の四男は、2歳のときに急性骨髄性白血病と診断されており、新型コロナに感染すると重症化も考えられます。

――PCR検査は受けたのでしょうか。

平田 長男が中3で高校受験を控えていたことと、いちばん下の子は2歳のときに急性骨髄性白血病と診断され、臍帯血(さいたいけつ)移植をしています。主治医からは「98%再発の可能性はない」と言われていますが、今でも年に数回、定期的に検査をしています。
そのため新型コロナに感染して重症化したら…と心配で、すぐにPCR検査を受けようと思いました。東京都のHPに診療・検査医療機関リストが載っているのですが、そのころはPCR検査を受けられる医療機関が限られていて、第6波のピーク時だったため、近所の医療機関に問い合わせをしても「今すぐPCR検査はできない」と言われたり、「PCR検査は受けられるけれど、検査結果が出るまで5日かかる」と言われたり、「初診の人は受け付けられない」と断られたりしました。また抗原検査しかできない医療機関もあり、これは予想外のことでした。もっとスムーズにPCR検査が受けられると思っていました。

そのため即日検査結果が出るところをいろいろ検索して、バイク便でPCR検査キットが届き、その場で専用キットに唾液(だえき)を入れて渡し、その日には検査結果が出るサービスを見つけました。ただ私が住む地域は対象外で、妹が住む地域だとバイク便が来てくれます。

――妹さんの自宅に行って、PCR検査を受けたのでしょうか。

平田 とにかく早くPCR検査を受けさせたくて、小2の息子を車に乗せて、私が運転して1時間かけて妹の家の前でPCR検査を受けようと思いました。
車で移動中は、親子で不織布マスクをして換気のために窓は全開。2月なので、窓を開けながら車を運転するのはとにかく寒かったです。

――PCR検査の結果は、どうでしたか。

平田 やはり陽性でした。PCR検査機関と提携している医師から電話があり、私たちが住んでいる自治体の保健所に連絡が行くしくみでした。

発熱してすぐ部屋は別に!「勉強部屋」を「隔離部屋」にして、10日間の隔離生活へ

新型コロナ感染者の自宅療養時に、留意すべき点は以下の8つです。
[1]感染者と他の同居者の部屋を可能な限り分ける
[2]感染者の世話をする人は、できるだけ限られた方(一人が望ましい)にする
[3]できるだけ全員がマスクを使用する
[4]小まめにうがい・手洗いをする
[5]日中はできるだけ換気をする。
[6]取っ手、ノブなどの共用する部分を消毒する
[7]汚れたリネン、衣服を洗濯する
[8]ゴミは密閉して捨てる

子どもが発熱したとき、平田先生がまず行ったことが隔離の徹底です。

――家庭内感染を防げたとのことですが、まず初めにとった対策を教えてください。

平田 熱があるとわかったら、すぐに部屋を分けました。いつもは2階のリビングでみんな過ごしていますが、リビングの一角の勉強部屋を閉め切り、感染した四男はそこで隔離をしました。勉強部屋を隔離部屋にした形です。四男も日中は、家族の声がするので寂しくなかったようです。
寝室は1階なので、寝るときは私以外の家族は1階へ。私だけは四男に何かあったときすぐに対応できるように、2階のリビングのソファで寝ていました。
また家族全員、家の中でも不織布マスクは必須でした。子どもたちは全員、不織布マスクの感触を嫌がっていたので、いつも使っている布マスクなどの上から不織布マスクをつけるように言い、私も予防の意味で布マスクの上に不織布マスクをしました。子どもたちはみんな、積極的に協力してくれました。

――新型コロナワクチンは接種していたのでしょうか。

平田 私と夫は3回接種しています。中3の息子は、2回接種しています。小5と小2の息子たちはワクチン接種対象年齢ではなかったので、まだ接種していませんが、5歳〜11歳の接種券が届いたら接種しようと考えています。
感染した小2の息子は1日だけ熱は出たものの、せきやくしゃみといった症状がなく飛沫(ひまつ)感染のリスクが低かったのも、家庭内感染を防げた要因の1つだと思います。

――小2の子は、勉強部屋に何日間いたのでしょうか。

平田 自宅療養が解除されるまでの約10日間です。ちょうど冬季北京オリンピックが開催されていた時期なのに、部屋にはテレビがなく「オリンピックが見たかった」と言われましたが、わがままも言わずよく頑張りました。元気だったので、学校のパソコンでオンライン授業を受けたり、課題をやったり、本を読んで過ごしていました。

――自宅療養が明けるときは、保健所から何か連絡があるのでしょうか。

平田 保健所から連絡はありませんが、発症日の翌日から10日が経過し、何の症状もなかったので2月14日から登校しました。しかし所属しているミニバスケットボールのチームは、14日間は練習に参加できないルールがあり、自宅療養期間が明けたからといってすぐに本格復帰ができる訳ではありませんでした。

お話・監修・写真提供/平田かおり先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

平田先生によると、家族が新型コロナに感染して初めてわかったのは、第6波のような大流行のときはスムーズにPCR検査が受けられないことがあるということ。平田先生も、PCR検査を受けられるところを探すのに時間がかかったそうです。ママやパパには万一に備えて、近所ですぐにPCR検査が受けられるところをリサーチしておいたほうがいいと言います。

※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

平田かおり(ひらた かおり)先生

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