13日からマスク外しますか?妊娠中&子育て中で「マスクを外す」は約1割。「正しい知識で感染予防を」と、専門家
今年2月、政府が「3月13日マスクの着用を個人の判断に委ねる」と発表しました。
実は、政府発表前の今年1月(アンケート期間1月27日~1月31日)、たまひよアプリユーザーの小さなお子さんがいるママ・パパと妊婦さんに「屋内屋外、人込み等問わず全面的に“マスクを外しても良い”と政府が推奨したらマスクを外しますか?」と、質問していました。「外す」と、答えた人はわずか9.4%。
総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務し、助産師であり保健師・看護師の資格をもつ浜脇文子先生に聞きました。
屋内屋外、人込み等問わず全面的に「マスクを外しても良い」と政府が推奨したらマスクを外しますか?
※アンケートは政府がマスクの着用を個人の判断に委ねると発表をする以前の1月に実施。そのため政府が推奨する内容と異なります。
マスクの着用について、これまで政府は「屋外は原則不要、屋内は原則着用」としていましたが、3月13日から「マスク着用は個人の判断が基本」とします。
ただし「医療機関」「高齢者施設の訪問」「通勤ラッシュ時の電車やバス」の場所はマスク着用を推奨し、「高齢者」「基礎疾患を有する方」「妊婦」に該当する人は、マスク着用を推奨しています。
アンケートでは「時と場合によって使い分ける」が過半数を超えました。さらにアンケート対象者の62%は妊婦だったこともあり、「外さない」と、きっぱり宣言している人が25%にもなりました。
「時と場合によって使い分ける」派は「人込みや室内ではするけど、屋外は外したい」
「やはり人込みは怖い。もし自分が感染したら家族に迷惑かけるし、感染させる側になるのも嫌なので」(am)
「室内では感染が怖いからつけたい。夏場の外は熱中症になりそうだから外したい」(あと)
「人が大勢いる場所はまだ怖い。加えて、すっぴんで歩きたい時はマスクをしていたい(笑)」(sugar)
「TPOで判断する事が大切だと思うため」(たまこ)
「本音はマスクをしたくないけど、周りの目が心配」という声も
「子どもたちにはさせないけど、大人は外すとジロジロ見られるから、外したくても外せないと思う」(ゆかこまま)
「まだ外す人は少ないから、自分だけ外すのは気が引ける」(ぴちゃん)
「周りの目が心配」(にの)
一方でこんな意見もありました。
「マスクの装着は個々で決めるものであって、自分ないし周りを守りたいのであればつければいい。不要だと思えば外せばいい。国がどうこういうものではなく、自分で考えることだと思う」(ヌオー)
「必要なタイミングで適切に使うことが大事だと思う。感染症の予防も大事だけど、コミュニケーションに支障が出るのも避けたい」(Yumi)
「外さない」派は「感染症が怖い」とともに「もう癖」という声も
「感染したらと思うと不安だから」(ぴーちゃん)
「感染させる側になりたくない」(まし)
「マスクを推奨している今も感染者はいるし亡くなっている方もいます。新しい型のコロナが発生し続けているのにもし感染したら、『管理能力の問題』と言われる今の情勢を考えると外す選択肢はないかなぁ」(pan)
「周りの人が咳やくしゃみをしたら、すごく気になってしまう性分です。なので、私自身もマスクを外す気になれません」(ゆつか)
「春は花粉、冬はインフルエンザもあるし寒さ対策にもなる。マスクをしていたほうが何かと便利そうです」(Em)
「マスクを外して損することはあるかもしれないが、マスクをしていて損することは少なさそう」(ひよ)
「マスクはもう癖」(もずの)
「衛生面もあるけれど、マスク込みの自分の顔に見慣れてしまって。マスクをしていない方が違和感あります(笑)」(ぴょん)
「外す」派は「そもそもマスクが嫌い」が圧倒的
「マスクがもともと苦手です」(なん)
「マスクで酸欠になりやすいから」(かず)
「マスクをすることによる健康被害(歯周病、肌荒れ、口呼吸など)が心配だから」(アヤハ)
「マスクによって、呼吸が浅くなる方が身体に影響があると考えているから。コロナやウイルスは脅威かもしれないけど、深く呼吸できる事が健康にとても良いと思っているので」(なっちゃん子ちゃん)
「表情がわからないのが嫌」という声も
「人とのコミュニケーションとして、表情を見ることは大切だと思っています。マスクで見られないことが普通になるのが嫌なので外します」(Ri)
「小さい子どもは表情が見える状態でお話ししてあげた方が、わかりやすいし喜ぶと思うから」(ヨウコ)
とはいえ、妊婦さんや小さなお子さんと一緒に暮らすママにとっては「はい、わかりました」とはいかないようです。
マスクの生活について、助産師であり保健師・看護師の資格をもつ浜脇文子先生に聞きました。
「マスク以上に手洗いをしっかりして感染予防を」と、専門家
「妊婦さんや小さなお子さんがいるママは、マスクなしの生活に不安をもつ気持ちはわかります。
ただ私的には、マスク着用の緩和は妥当な判断だと思いますし、感染予防に効果的なのはマスクだけではなく手洗いや消毒だと知ってほしいです。
妊娠後期、妊婦さんの血液量は倍になり、心臓は常にフル稼働な状態になります。さらに赤ちゃんの成長とともに肺が圧迫されて、呼吸が浅くなります。そのうえマスクとなると、息苦しくストレスに感じる妊婦さんもいるかと思います。
近年の研究で、妊婦さんの感情が胎児にも伝わることがわかっています。
人のいない場所やおしゃべりしない時間(ひとりで買い物や散歩)などではなるべくマスクを外し、深呼吸して赤ちゃんに新鮮な空気をたくさん送ってあげてほしいと思います。
乳幼児がいるママも、なるべくマスクを外して接してほしいと思います。
生後間もない赤ちゃんに、間近で舌を出して見せたら、赤ちゃんも真似をしたという研究結果があります。いわゆる模倣です。笑顔も泣き顔も困った顔も、赤ちゃんは周りの表情から学ぶと言われています。
また生後6ヶ月ごろに始まる人見知りは、赤ちゃんがママパパの顔をしっかり認識し他人と区別できるようになった成長の証。このように赤ちゃんは周りの表情から多くのことを学ぶのに、マスクをしていたらその機会を得ることができません。
赤ちゃんに限らず幼児でも、相手の表情を知ることはコミュニケーションのツールとして重要です。
乳幼児期は心の成長が著しい時期であり、人との信頼関係を築く大切な時期でもあります。
正しい知識で感染予防をしながら、育児生活を送ってほしいと思います」
浜脇文子(はまわき ふみこ)
助産師・保健師・看護師。大阪大学招聘准教授。星薬科大学非常勤講師。総合病院・クリニック・助産院など様々な場所に勤務。母と赤ちゃんの笑顔が大好きで、数千人の母子のケアに携わります。産前産後ケアセンターの立ち上げに参加したり、民間企業での事業開発など多方面で活躍。自治体の講演や各種メディア執筆では、ひとりひとりのペースにあわせた母に寄り添う姿勢と、明るく軽快な語り口で人気を博します。
文/和兎 尊美
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※調査は2023 年1月実施の「まいにちのたまひよ」アプリユーザーに実施ししたものです(有効回答数416人)
※記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
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