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「まさか私がお母さんになるなんて」元モーニング娘。中澤裕子さんが振り返るはじめての育児

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モーニング娘。としてアイドルの一時代を築き上げ、2012年に結婚した中澤裕子さん。同年、女児を出産したのち、2014年に夫の仕事の関係で福岡県へ。2015年には男児を出産し、現在は小学生2人のお母さんに。東京から福岡へ移住しての子育てをはじめ、母となってからの心境の変化やはじめての育児での後悔、子育てのモットーについて聞きました。

娘からもらった最初の喜びは“胎動”

――お子さんを妊娠していたころの印象的なエピソードはありますか?

自分が子どもを産むなんて想像もしていなかったので、妊娠がわかったときは「えー! 私お母さんになるの?」みたいな感じでとにかく驚きでいっぱいでした。

元気に生まれてきてくれたらいいなとは思っていましたが、初めて胎動を感じたときはものすごく感動して。仕事に向かうタクシーの中で“ボコッ”て動いて、びっくりして泣いてしまいました。それが娘からもらった最初の喜びでしたね。

――お子さんが生まれて変わったことは?

それまでは自分が一番大事でしたが、自分よりも大切な存在がいるという意識が芽生えました。あと、キッチンに立って料理をするようになりました(笑)。家事に興味がなくて、娘の離乳食が始まるころ頃になっても「どうにかして時期をずらせないか」と思ったほどです。でも、やってみると、意外と料理や家事が嫌いじゃないと気づいたんです。

だから、娘が小学1年生のときに「お母さんが作るご飯が一番おいしい」と言ってくれたときは本当にうれしかったです。学校はお弁当か給食を選べるんですが、「給食よりも、お母さんが作ってくれたお弁当のほうがいい」って言ってくれます。

ワンオペで余裕がなかった。娘についあたってしまい後悔も…

――初めての育児を振り返って

一人目は妊娠も出産も育児も大変でした。夫は仕事が忙しかったので、まさに今で言う“ワンオペ”。まったく余裕がなかったです。ただ、「私が子育てを任せられている」「一生懸命やらなきゃ」という思いはありましたし、もともと東京にいても頼る人がいなかったので、「全部自分でやる」という気持ちでいたら、あっという間に一日が過ぎていました。

とはいえ、一人で全部やろうと思えばイライラもするんですよ(笑)。東京でも福岡でも周りに話せる人がいなかったので、そうした気持ちをぶつける先がなく、そのイライラが娘に向かってしまったこともありました。だから、もしも時間を取り戻せるなら、娘ともう一度向き合ってやり直したいですね。

――お子さんの叱り方で気をつけていることはありますか?

「なんでできないの?」「どうしてこれがわからないの?」と言わないようにしています。実は娘が小さいときに、そういう叱り方をして後悔しているんです。

今思えば、1歳や2歳の子どもが理解できないのは当然のこと。それなのに、娘と一緒に楽しく遊んでいても、気がつくと「なんでわからないの?」と叱ってしまっていて。娘が泣いているのに自分を止められなくて、冷静になってから自己嫌悪に陥っていました。その経験があるので、下の子が生まれてからは、絶対にそんな風に叱るのはやめようと決めました。

――ママ友との付き合い方で注意していることはありますか?

もともと団体行動が苦手だったのもあり、ママ友は上の子が幼稚園に入るまでいませんでした。けれど、それだと子どもが困るんじゃないかと思い直し、入園後は積極的に行事や係の仕事に参加して、自分から周囲に声をかけるようにしました。

娘の親友もできたし、私自身もママ友というくくりではなく、今でも親交を持つ友人ができたので、あのとき頑張って良かったと思っています。これも子育てをして変わったことの1つですが、あくまで基準は子どもであって、どうしたら子どもが気持ち良く人と付き合えるか、安心して過ごせる環境づくりをしたいと常に考え行動できるようになりました。

子育てのモットーはひとりの人間として向き合うこと

――お子さんにはどんな子に成長してもらいたいですか?

まずは人に優しく。夫も「人のために生きるんだよ」といつも言っていて、「人のため=自分につながるから、社会に貢献できる人になってほしい」って。

私は、子どもを産むまでは自分のことを第一に考え生きていたので、子どもたちには自分以外の物事にも目を向けて生きてもらいたいですし、夫の言葉通り、周囲の人だけでなく、環境にもちゃんと意識を持って、社会に貢献できる大人に成長してもらえたらうれしいです。

――中澤さんの子育てのモットーとは?

「子どもと思わず、ひとりの人間として向き合う」です。
私は子どもの命を預かっていると考えていて、子どもは親の所有物ではないと思っているので、幼くても人としてきちんと向き合うよう心がけています。

そういう気持ちを意識して忘れないようにしないと、自分の感情で振り回すことになるとわかっているんですね。

ただ、欲を言えば、将来的にお母さんと一緒に暮らしたいと思ってくれたらいいなぁと(笑)。あと、早く孫が見たい。私が晩婚で出産も遅かったので、娘には好きな人ができたら早く結婚していいよって、孫はお母さんが見るからって言っていて。この発言自体がモットーと真逆かもしれませんが、とにかく人として向かい合って育てていきたいと思っています。


妊娠を機に、時間軸が子ども中心に変わったと話す中澤さん。夫婦で協力して子育てする一方で、お子さんのために、自分からまわりの人たちに積極的に話しかけみたりと、子育てのためにたくさんの愛情を注いできた様子がインタビューで垣間見られました。次回は「移住子育ての楽しみ方」について語ってもらいます。

取材・文/佐藤 文子

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