「コロナで1年間のロックダウン」「ベビーシッターは当たり前?!」ベトナム・ハノイの子育て事情【育児マンガを描くぺぇかあちゃんインタビュー】
もうすぐ3歳になる息子さんとご主人の家族3人で、ベトナム・ハノイで暮らす、ぺぇかあちゃんさん。ユーモアのある漫画とともに、ハノイで起こったさまざまなエピソードをインスタグラムで発信しています。そこで今回は、毎日の暮らしやベトナムの子育て事情をぺぇかあちゃんさんにインタビュー。前編では、ハノイの遊び場事情や幼稚園の話を中心に聞きました。
<プロフィール>
ぺぇかあちゃん
3歳の息子・ぺぇさんを育てるママ。パパの転勤で、2022年1月よりベトナム・ハノイで暮らしている。インスタグラムでは趣味の漫画とともに、ハノイでの暮らしや育児、面白エピソード、ベトナムグルメなどを発信中。(@peee_kaaachan)
子ども向けの屋内施設が超充実!意外なハノイの遊び場事情
――――今は、ベトナムのハノイにご家族3人で暮らしているとのことですが、海外赴任で、小さな息子さんと一緒にベトナムに行くことになったときの気持ちはどうでしたか?
ぺぇかあちゃんさん(以下、敬称略) 実は、そんなに不安だったり、心配する気持ちはほとんどなかったんです。というのも、夫は帰国子女でアメリカ育ちですし、私もイギリスの大学院に2年ほど留学していたりと、二人とも海外生活の経験があったので。ベトナム転勤が決まったときも、不安というよりは楽しみな気持ちの方が強かったですね。息子にとっても、日本とは違う文化に触れることができるなど、いい経験ができるんじゃないかなと思って、夫婦ともにとても前向きでした。
――――お子さんを連れての海外転勤は、誰にでも経験できることではないですよね。ところで、今お住いの場所はどんなところでしょうか。
ぺぇかあちゃん ハノイの街中には商業施設がけっこう充実しているんです。とくによく使っているのが、子ども向けの屋内施設ですね。しかも、日本よりも広くて遊園地並みに遊べるのに、日本の半額ぐらいの料金で利用できるんです。ベトナムの夏はとにかく暑くて、日中に外で遊べる気候ではないので、屋内施設が充実しているのかもしれないですね。もちろん公園もあるのですが、日本と違って、遊具が壊れたままになっていたり……。
――――たしかに、日本の遊具は安全に遊べるようにしっかり管理されていますが、それが当たり前ではない国もあるんですね。育児グッズなどを買いに行けるような、大きな商業施設も近くにありますか?
ぺぇかあちゃん ハノイはベトナムの首都で、程よく都会ですし、お店はけっこう充実しています。少し割高にはなりますが、日本の食材や子育てグッズなどを扱っているお店もあるので、手に入れようと思えばすぐに買えますし。週末で予定のない日は、近くのイオンモールに買い物に行ったり(笑)。そこで食事をしたり、屋内施設で遊んだりと、日本の休日と同じような過ごし方をしたりもします。
ベビーシッターが充実で、働くママにも優しい国
――――ところで、ハノイの保育園や幼稚園事情はどうですか?
ぺぇかあちゃん ハノイには私立の幼稚園はたくさんあって、空きがあって幼稚園が定める最低年齢を超えていれば、自分たちの入りたいタイミングで比較的入園できるみたいです。私も渡航前から、メールでいくつかの幼稚園とやりとりをして入園を検討していたのですが、いざハノイの幼稚園に見学に行ってみたら、新型コロナの影響で1年間のロックダウン中でした……。
――――ハノイはロックダウンが長かったんですね。今はどんな状況ですか?
ぺぇかあちゃん この4月からロックダウンが解除されて、学校や幼稚園も再開しました。ベトナムも“ウィズ・コロナ”の方針に変えて、一気に緩くなりましたね。今ではマスクをしていない人も増えたなという感じ。ワクチン接種に関しては、日本と同じぐらいに進んでいて、4回目を受けたという人がちらほらいますね。
――――1年間もロックダウンしていたなんて、ハノイのママたちは大変でしたね。みなさん、お仕事はどうされていたのでしょうか。
ぺぇかあちゃん ロックダウン中は、とくにベビーシッターさんの需要が高かったようです。もともと、ベトナムはシッター代金が日本と比べると安くて、1時間400〜500円ぐらいで頼むことができるんです。それで私も急遽、シッターさんを探すことにしました。
――――シッターさんを探すのも、渡航した直後では難しかったのではないですか?
ぺぇかあちゃん 駐在ママさんが集まるFacebookやLINEのグループがあって、そこでシッターさん情報を募って、たまたまいいシッターさんに巡り会えたんです。このグループでの情報交換は、とても助かっていますね。ほかにも、現地の病院情報や何か困った時の対処法、育児グッズの物々交換など、駐在家族同士の情報交換の場になっているんです。
――――日本だと、まだまだベビーシッター文化は根付いていないですが、シッターさんが常に家にいることに、抵抗はないですか?
ぺぇかあちゃん それが、あまりなかったですね(笑)。日本にいるときも、少し疲れたなという日は託児所を活用していたというのもあるかもしれません。今のシッターさんは、子どものお世話や料理までしてくれますし、住んでいる住宅にはハウスキーパーとリネン交換もついているんです。シッターさんとの相性もあると思うんですけど、いい方に出巡り会えてラッキーだなと思います。
――――ベトナムの女性は働き者という印象がありますが、ベトナムの子育て事情も関係しているのでしょうか。
ぺぇかあちゃん ベトナムは、オフィスでバリバリ働いている女性が多い印象です。出産したら早めに、シッターさんや幼稚園に赤ちゃんを預けて、すぐに復帰している人が多いようです。子育てや家事をシッターさんに依頼しやすいという点でも、ベトナムは育児がしやすいのかもしれません。
産後早い時期に幼稚園へ入園させたり、ベビーシッターさんに子どもを預けて仕事をしたりと、ベトナムのママはパワフルな方が多いようですね。また、日本と同じように大きな商業施設で子育てグッズなどの買い物ができたり、子ども向けの屋内施設が充実していたりと、ハノイは比較的子育てがしやすい環境のようです。
後編では、ハノイの道路事情やベトナム人との付き合い方についてご紹介します。
取材・文/内田あり