【まんが・はたらく細胞BABY】おむつかぶれのトラブル、「大腸菌」の侵入で尿路感染症にも要注意
私たちの体内では、この瞬間も目には見えない細胞たちがたくさん活躍しています。赤ちゃんに起こりがちな“あるある”トラブルのとき、細胞たちはどんなはたらきをしているでしょうか。まんが『はたらく細胞BABY』と一緒に、そのしくみを楽しく学んでみませんか?今回は、おむつに触れる部分の皮膚が炎症を起こすトラブル、「おむつかぶれ」について取り上げます。解説をしてくれるのは、5才と3才の男の子のママでもある小児科医の白井沙良子先生です。
※この記事は、『ひよこクラブ』2022年4月号の特集を再編集したものです。
「おむつかぶれ」は排せつ物や汗が刺激になって起こる
長時間のおむつ着用によりおむつ内が汗でむれ、おしりがふやけて傷つきやすくなったところに刺激が加わると、おむつかぶれに。おしっこやうんちが肌に当たる、おむつが肌に合わない、おむつの繊維でこすれる、おしりふきでゴシゴシふく、なども原因になります。炎症はかゆみや痛みを伴い、悪化するとただれて血がにじむこともあります。
悪さをしている菌は「大腸菌」
ほとんどの大腸菌は無害ですが、大腸菌の種類や場所により、感染症などの病気の原因になります。大腸菌が尿路に侵入すると尿路感染症を起こす可能性があります。
血小板が傷口をふさぐ!
悪化してしまったおむつかぶれを治すときにはたらく細胞が血小板です。血液の中には、傷を治すはたらきを持つ血小板という細胞成分があります。おむつかぶれが悪化し、ただれて血がにじむようなときは、血小板の出番。活性化した血小板同士が凝集して、傷口を修復します。また、大腸菌や黄色ブドウ球菌といった細菌などが侵入してしまった場合は、白血球が菌を排除しようとはたらきます。
【はたらく細胞たち】傷口の修復屋「血小板」
血液に含まれる細胞成分。血管が損傷を受けたときに、傷口をふさいで出血を止めるはたらきをします。
【はたらく細胞たち】免疫機能の担い手「白血球(好中球)」
免疫機能を担う血球。体内に侵入した細菌やウイルスなどを排除します。
「おむつかぶれができちゃった!」ときの気をつけたいポイント
赤ちゃんはあせっかきなので、冬でも油断は大敵。暖房の効いた室内で汗をかき、おむつの中がむれて、おむつかぶれができてしまうことも。悪化させないお世話のポイントをまとめました。
【気をつけたいポイント その1】こまめな交換で清潔に
排せつ物が肌に触れる時間を短くすることが大切です。おしっこ・うんちをしたらすぐにおむつを取り替えて。おむつの長時間のつけっぱなしは避けましょう。
【気をつけたいポイント その2】長引く場合は受診を
おむつかぶれと似た、皮膚カンジダ症の可能性も。皮膚カンジダ症は市販薬では治りません。数日間のおうちケアで改善しなければ、小児科や皮膚科を受診しましょう。
【コラム・小児科医白井先生の育児】初めての育児は”孤独”との戦いだった
育児をしているとそれだけであっという間に日々が過ぎていくんですよね。長男を出産してすぐあと、赤ちゃんのお世話をしているだけで1日が終わることに対して、「はあ、しんどい」と深いため息をついたり、「周囲からどんどん取り残されている・・・」と孤独を感じたりしていました。
今思えば、軽いマタニティーブルーズだったのかなと。産後数カ月で職場復帰をしたこともあり、そういった状態は幸いにも長くは続かなかったのですが、やはり日中だけでも自分自身でコントロールできる時間がある、というのはとても大切だと実感しました。
監修/白井沙良子先生 取材・文/高本亜紀、たまひよONLINE編集部
©︎福田泰宏・清水 茜/講談社
どの菌が悪さをしているのか、どの細胞がはたらいているのかを知っておくと、病気や感染症になったときにも慌てず落ち着いて対処できるようになります。
まんが『はたらく細胞BABY』では、聞き慣れない専門用語もわかりやすく解説しています。楽しみながら、病気や細胞への知識を身につけましょう!
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
『はたらく細胞BABY』
小さな赤ちゃんの体内で、懸命にはたらく細胞たちから目が離せない! 話題の『はたらく細胞』シリーズの一つ。 全4巻。著者/福田泰宏 監修/清水 茜 1〜2巻704円、3巻715円、4巻726円(講談社)