ベビーベッドは何歳まで使える? 卒業したら次はどこで眠るのがいい? 注意点を聞く【米国IPHI公認・乳幼児睡眠コンサルタント】
「赤ちゃんのねんねで悩んでいることはありますか?」というたまひよONLINE編集部のアンケートに、ママ・パパからたくさんの声が届きました。今回取り上げるのは「ベビーベッド、卒業したらどうする?卒業のタイミングと次のねんねはどこにすればいい?」という悩み。赤ちゃんのねんねの専門家愛波文さんに話を聞きました。
ベビーベッド卒業したらどうする? 卒業のタイミングや次のねんねの場所は?
たまひよONLINE編集部がインターネットで実施したアンケートには、「ベビーベッドのねんねは便利だけど、卒業のタイミングが分からない」という声が。そのいくつかを紹介します。
●ベビーベッドを使用しています。ぐっすりと寝ているとは思うのですが、ベッドが小さいのか、壁にガンガンと足や手をぶつけてしまいます。大丈夫なのかどうか心配です。(10カ月の赤ちゃんのママ)
●生後6か月の今、ミニサイズを使っています。卒業後の寝床をどうするか悩んでいます。(6カ月の赤ちゃんのママ)
●ベビーベッド卒業時期や卒業後の就寝スタイルは、何がベストか分からないこと。(SNSアンケートより)
ベビーベッドの卒業時期や、卒業後の寝床はどこがいいのか…と悩むママやパパは多いようです。
ベビーベッド、卒業のタイミングはいつがベスト? 次はどこでねんねする?
――「ベビーベッドを卒業するタイミングや、次の寝床はどうしよう」と悩んでいる声がたくさんありますね。
愛波さん(以下敬称略) そうですね。私のところにもベビーベッドの相談が来ることがあります。
こちらのデータを見て下さい。インスタグラムでママさんに調査したアンケートがありますので、紹介したいと思います。
ベビーベッドを卒業した年齢は?
愛波 アンケートの結果、ベビーベッドを卒業した年齢は、1歳未満が圧倒的に多いという結果でした。
ベビーベッドを卒業した理由としては
・ミニサイズだったのでサイズアウトした
・寝返りして柵にぶつかって起きるようになった
・睡眠トラブルがあった
などの声が寄せられました。
――ベビーベッドのサイズによっても、卒業するタイミングは違ってくるものでしょうか?
愛波 ベビーベッドのミニサイズ(90cm×60cm)は結構小さいので、寝返りが自由にできなくなってきたら、大きいサイズのベビーベッドへ移行するのがいいでしょう。
通常サイズ(120cm×70cm)の場合は、できれば2歳ぐらいまでは使用して貰えればと思います。
ベビーベッドを卒業した理由は?
愛波 ベビーベッドを卒業した理由は、赤ちゃんの大きさに合わなくなってきたほかに、本人が嫌がったなどの理由が挙げられます。
――ベビーベッドを拒否されたときは、どうすればいいでしょうか?
愛波 ある程度言葉が話せる年齢になると、暗いのが怖いと言ったり、ベビーベッドを嫌がったり…。ママやパパと寝たいと言う子も多いと思います。その結果、ベビーベッドを卒業、セルフねんねも卒業、添い寝になるというケースはよくあります。
親はまだベビーベッドで寝て欲しい、まだセルフねんねしてほしいと思う場合は
・ベビーベッドで寝るメリットを伝える
・ベビーベッドで寝られたら“できたね“シールを貼る
・安心材料になるラビー(ねんねのおとも)を一緒に選ぶ
※1歳以降、自分で寝返りがうてるようになったら
・足元をうっすら照らすナイトライトを使用する
こちらを試してみてください。
――ママ・パパの声にもあった「寝返りすると柵にぶつかって起きる」「柵を乗り越えそうになった」という声も気になりますね。
愛波 実は私の長男も、1歳4ヶ月ぐらいでベビーベッドに登って落ちてしまったんです!ドスン!と 音がしたなと思ったらリビングに現れびっくりしました。
そこでおすすめなのが 愛波スリーパーです。足を包み込む仕様になっている ので、足をバタつかせベビーベッドの柵にあたって痛い思いをしなくて済みますし、柵と柵の間に 足がはさまって起きてしまうことも予防できます。 子どもは急にできることが増えますので、 十分気をつけましょう!
ベビーベッド卒業後の寝床は?
愛波 ベビーベッドを卒業後のねんねの場所は、大人用ベッドの方が約半数いらっしゃいます。
これだけは気をつけて欲しいのですが、大人用ベッドからの転落防止のため、ベッドガードを使用している家庭も多いのではと思いますが、製品安全基準(SG基準)で、生後18カ月未満は使用しないよう定められていますので、注意してください。
日本でもベッドガードとベッドの間に赤ちゃんが挟まって死亡する事故が起きています。どんな製品にも言えますが、使用の際には対象年齢や正しい使い方、定期的な点検をしっかり行い、安全な睡眠環境を作りましょう。
安全なねんねの環境を作る重要ポイント2つとは?
――先生がおすすめする、安全なねんね環境のつくり方などがあれば、教えてください。
愛波 私が乳幼児期におすすめしたいねんねの環境は、以下の2つになります。
布団+サークルでねんね環境を作る
布団をベビーサークルで囲うのは、外のスペースとの境界線が作れるのでおすすめです。子どもは”自分のねんねスペース“があると安心します。あと、夜中に災害(地震)が起きても、子どもがどこで寝ているか、一瞬で親もわかるので親自身も安心して眠れるようになります。
部屋全体を安全にする
布団やキッズベッドなどにすると、勝手に部屋から出てきてしまうことがあるかと思います。
その場合は、ドアの前にゲートをつけるのがおすすめです。そして、部屋の中は転落しそうな家具や触ると危険なものは置かないなど、部屋全体を安全にするようにしてください。
地震大国の日本では、特にねんね環境の安全は守ってほしいと思います。
ベビーベッド卒業時、やってよかったこととは?
――ベビーベッドを卒業し、新しいねんね環境に変わるときに、意識しておいた方がいいことを教えてください。
愛波 急にねんねの環境が変わってしまうと、慣れない環境になかなか馴染めず、寝つきが悪くなることがあるかも知れません。
注意したいポイントはいくつかあります。卒業する時の年齢にもよりますが、理解してくれる年齢なら、ねんねスペースを変えることを伝えて、新しい環境に気持ちを高めてあげる工夫をして欲しいです。
・睡眠の土台を整える
・ねんねの環境を変えること&理由をきちんと説明する
・ねんねのスペースを一緒に作る (家具を一緒に買いに行ったり、好きなキャラクターの寝具を使うなど)
・新しいねんねのスペースを見せる&完成したら 「今日からここが寝るところだよ」と遊ばせる
・不安だったら事前に睡眠コンサルタントにアドバイスをもらう
ベビーベッド卒業のタイミングについて悩まれているママ・パパは是非参考にしてください。
お話/愛波文さん イラスト/うえだしろこ 取材・文/たまひよONLINE編集部
「ベビーベッドは『狭くてかわいそう』という声を聞くことがあります。ただ、赤ちゃんは胎内の狭い空間にいたので、おくるみされて寝る空間は、狭いほうが安心します。
ベビーベッドは一番安全な寝床でもあるので、ぜひ長く使っていただきたいと思います。」と愛波さん。
ベビーベッド卒業時には、愛波さんのアドバイスを参考にしてみてくださいね。
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
【調査概要】
●調査名称 「ベビーベッドに関するアンケート」
●調査期間 2023年2月12日~ 2023年2月13日
●調査対象 愛波あや先生のインスタグラム利用者
●回答者数 860名
●調査項目 ベビーベッドの卒業のタイミング、卒業理由、卒業後のねんねの場所など