SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 「学校に行きたくない」理由探しは意味がない? 小1からの不登校を経験して見えたこと【今じんこ】

「学校に行きたくない」理由探しは意味がない? 小1からの不登校を経験して見えたこと【今じんこ】

更新

小学校に入学してまもない5月から、長男が「学校に行きたくない」と言い出しました。

不登校児童数が増加している今、子どもがもし「学校に行きたくない」と言ったら・・・と考えたことはありますか? 卒園したら小学校に通うのは当たり前で、学校に行かないのは問題と思っているとしたら、それは誤解かもしれません。「たまひよONLINE」でも育児コミックエッセイ『噛みしめ育児スルメ日記』を連載している今じんこさんは、2人の男の子を育てるママ。長男が小1のときに不登校で悩んだことや、心配だったことについて話を聞きました。

「学校に行きたくない」理由より子どもの気持ちを見つめたい

泣いて嫌がる子どもを学校に行かせることに疑問を感じつつ、「行かせません」とも言えなかったそうです。

――じんこさんの長男が「学校に行きたくない」といったとき、その理由についてどう考えていましたか?

じんこさん(以下敬称略) 長男はちょっと心が繊細だったり、音や刺激に敏感だったりしたので、「学校に行きたくない」と言ったときには、きっと人の10倍くらい疲れるんだろうな、と思いました。当時の私は「学校に行けるようになったほうがこの子の人生のためになる」と思い込んでいたので、そこに導こうという頭しかなく、音の敏感さに対処するためにイヤーマフをつけて登校させたりしていました。でも今振り返ると、イヤーマフをつけたからといって長男にとっては学校が楽しい場所になるわけではなかったんですよね。
むしろ長男の学校への拒否感は増すばかりでした。私はよかれと思ってのことでしたが・・・。

当時は私も、「子どもがこんなに青白い顔をして嫌がっているのに連れて行くのはどうなんだろう」と思いつつも、先生から「頑張ってみよう」と言われると「行かせません」とも言えなくて・・・。八方ふさがりになってしまっていました。

――じんこさんは著書『学校に行かない君が教えてくれたこと』で不登校の子を持つ親300人にアンケートをとっています。子どもが学校に行きたがらない理由について見えたことはありますか?

じんこ アンケートの結果、「学校に行きたくない理由はわからない」という人が半数くらいいました。長男に限らず、いじめられているわけじゃないのに学校に行きたくない理由は本人たちもよくわからないことが多いようです。幼くて言語化できないことももちろんあるだろうし、親や教師を納得させられる理由がないこともあるでしょう。否定されたり弱音をポジティブに変換されたりすることで、大人には本当の理由を言えなくなることもあると思います。だからもちろん、親にもわかりません。

行きたがらない理由にフォーカスしようとすると、原因を改善して行かせたくなっちゃうんですよね。それがさらに親子の苦しさのもとになっていく面があります。だから、理由探しを重要視すると大事なことを見失いかねない、と自分の経験から思います。

――子どものために原因を探して改善して学校に行かれるようにしてあげたい、と考えてしまいがちですね。

じんこ 大人だって、心がつらいときに「なんで?理由は?」と聞かれるより「そうなんだ、つらいんだね」と言われたほうが安心しますよね。子どものことになると、親はどうにかして導いてあげたくなって、よかれと思って理由を探したり改善させようとしますが、それによって親子関係がねじれてしまうのが今の不登校の抱える難しい点だと思います。

「なんで学校に行きたくないのか」よりも「何をつらく感じているのか」と、子どもの気持ちに焦点を当てることを大切にするほうがいい気がしています。私も、学校という場所が自分にフィットしていないと感じる長男の気持ちを、そのまま受け止めてあげればよかったと思います。

「助けて」と言い続けて、相談先や仲間とつながろう

かかりつけの小児科医は「無理して行かせなくていい」と親子の気持ちに寄り添ってくれたそうです。

――子どもが学校に行かないことの悩みをだれかに相談していましたか?

じんこ 子どもが学校に行きたくないと言い始めた当時、自分自身ですごくグッジョブだったと思っていることがあります。それは、「助けて」とヘルプを出し続けて相談先や当事者の仲間とつながることを諦めなかったことです。

人に話すのが恥ずかしいとか、うちの子の状態を人に知られたくない、と「大丈夫の鎧(よろい)」を着てしまうと、一気にしんどさは増してしまうと思うんです。最近は、SNSでも気軽につながれたり情報が得られるから、仲間とつながって味方がいるってことを感じられたら、だいぶ違うと思います。

――相談先や仲間など、安心してつながれる場所を見つけるにはどうすればいいでしょうか。

じんこ 個人的には、親子で孤立せず他者とのつながりがあるならそれで十分だと思います。ただ孤独感や悩みが深ければ、かかりつけの小児科医や、住んでいる市町村の教育センター、児童相談所、学校のスクールカウンセラーなどに問い合わせてみるのがいいと思います。ただ、行政の機関は予約から面談まで時間がかかることは多いです。問い合わせても別の相談先を紹介されることもあります。当時は私もそれをつらいと思っていましたが、あきらめずに「助けて」と言い続けた結果、見捨てずにちゃんと少しずつ支えてもらえました。

自分がつらいときって、だれかに相談していても責められてるように感じたり、もう相談したくないと思ったりすることもあります。でもあきらめないでほしいです。不登校の支援や相談は1回相談すればすぐに解決するものではなく、やはり時間がかかります。いろんな種をまいてつながりを作っておくことが大切だと思います。

私の場合は、自分がつらい気持ちになったとき、小児科の先生に励ましてもらったり、フリースクールでつながったママたちに視野を広げさせてもらったりすることで、気持ちが回復していました。そんなふうに味方や仲間が増えると安心できるし、心強いです。親がつらいと子どももつらくなる負の連鎖が生まれてしまいますが、同じような状況の人とつながることで、そこから抜け出せるきっかけになると思います。

家庭での過ごし方は、子どもと相談して考える

――子どもが学校に行かなくなってから、じんこさんが子どものペースでの成長を見守れるようになったのは、じんこさん自身にどんな変化があったからでしょうか。

じんこ 不登校初期は、家でも時間を決めて勉強をやらせようとしていました。でも子どもはつらそうにしていて、自分も子どもに怒ってしまったりしてつらかった。お互いがつらい状態で成長するのかな、と考えたら何か違う気がするな、と。親1人の力でこの子をどうにかしてあげよう、と思うのをやめてもいいかも、と少しずつ思うようになりました。

それであるとき、「家で私が管理したり時間を決めて勉強するのはやめよう!」と宣言しました。そんなふうに手放してみたら、お互いに心が軽くなった気がします。それから1年後くらいに、長男が「あのとき『やめよう』って言ってもらえたことがうれしかった」と教えてくれました。長男がそんなふうに素直な気持ちを言ってくれる関係になれたことがすごくうれしかったです。

――今は息子さんはどんなペースで生活していますか?

じんこ 今は、ある程度生活のルーティンができていて、朝の身支度や家事をして少し運動して、タブレット学習をやったらあとは自由時間、のような過ごし方をしています。でも、これはあくまでわが家の一例。自宅学習をするかしないか、やり方や内容も、子どもや家庭の状況によってさまざまでいいと思います。

――学校に行かない間の、ゲームとのつき合い方についてはどう考えていますか?

じんこ 学校に行かない子どもの中には、ゲームをする時間が必要な子もいます。うちの子どももゲームは好きです。子どもが好きなことを肯定するのは、子どもをまるごと肯定することだと思います。なぜなら、私や夫が子どもと一緒にゲームをしたり、「どんなゲームをやってるの」と話題にしたりすると、子どもはすごくいい顔をしてくれるから。ただ、使い方についてはときどき親子で相談しています。ゲームしかできないくらい傷ついている時期もあるし、子どもの状況次第で各家庭で考えていけばいいと思います。わが家も時期によってゲームとのつき合い方は変化しています。

長男から人と比べない生き方を教わった

――子どもが学校に行かなくなって、親として学んだこと、気づいたことはどんなことですか?

じんこ 自分は子どものことをよく知っているつもり、子どもの気持ちに寄り添っているつもりでいましたが、子どもが学校に行かなくなって、それが大きな誤解だったと気づきました。子どもの人生を生きるのは子どもです。周囲の意見や「〜すべき」といった考え方にとらわれて、子どもの気持ちや本心を見失うべきではないと、長男は私に気づかせてくれました。

長男には、人と比べずに楽に生きる方法を教えてもらったと思います。子どもが学校に行かない生き方を選んだことで、いろんな生き方があると身をもって知ったし、自分と違う個性や生き方も否定せずに受け入れられるようになった気がします。

お話・イラスト/今じんこさん 取材・文/早川奈緒子、たまひよONLINE編集部

「きっと子育ての本当の目的って子どもが自分らしく笑顔で過ごして成長することのはずなのに、そのためには『学校に行く』ことがいいに違いないと思い込んでいた」とじんこさん。
もし今、子どもの不登校で悩んでいるなら、親としての価値観にしばられず、親子で笑顔で過ごせる方法を一緒に探してみるといいかもしれません。

●記事の内容は2023年5月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

今じんこさん

PROFILE
2013年うまれの長男、2016年うまれの次男を子育て中。 フリーのグラフィックデザイナーで夫はコーヒー豆屋。 イカと漫画と音楽が好き。

Instagram

Twitter

Blog

『学校に行かない君が教えてくれたこと』

「不登校」の不安・恐れ・偏見に悩んで迷ってテンパりながら、親子の答えにたどり着くまでをじっくりていねいに描いた実録コミックエッセイ。「不登校の不安が軽くなる弁護士コラム」「学校に行かないお子さんを持つ親300人の本音アンケート」など参考になる情報も盛りだくさん。今じんこ著/1210 円(オーバーラップ)

赤ちゃん・育児の人気記事ランキング
関連記事
赤ちゃん・育児の人気テーマ
新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。