1才までは「うつぶせ寝」させちゃダメってホント?
ばあばから「頭の形が悪くなるから、赤ちゃんはうつぶせ寝にしなさい」「赤ちゃんはうつぶせ寝にしないと、将来O脚になるわよ」と言われたこと、ありませんか?
かつては「うつぶせ寝で頭の形がよくなる」「スラッとした脚になる」と、赤ちゃんをうつぶせ寝させることがブームに。
その後、うつぶせ寝がSIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクがあることがわかりました。
とはいっても、何才までうつぶせ寝させちゃダメなのか、うつぶせ寝でどんな危険があるのか、気になりますよね。ひよこクラブ編集部が調べてみました。
「うつぶせ寝」は窒息やSIDSのリスクがある!
消費者庁の調査によると、2014年までの5年間に、就寝中に窒息死した0才児は160人。事故の状況は、「顔がマットレスなどに埋まる」が最多で33件。あお向けに寝ていれば、顔がマットレスに埋まることはまず考えられないので、うつぶせ寝だったことが想像できます。
消費者庁は、
「敷布団やマットレス、枕は子ども用にかためのものを使用する」
「1才になるまでは、寝かせるときはあお向けに寝かせる」ことを呼びかけています。
うつぶせ寝は、SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスク要因としても知られています。SIDSとは、なんの予兆や病歴もないのに、乳幼児が突然亡くなってしまう病気。原因は明らかになっておらず、窒息などの事故とは異なります。日本では乳児の死亡原因の3位を占めています。
厚生労働省は、SIDSの発症を抑えるポイントの一つとして、「1才になるまでは、寝かせるときはあお向けに寝かせること」を挙げています。
米国小児科学会(AAP)は、SIDSの危険因子の多くが、就寝中の死亡原因と共通していることを指摘し、「必ずあお向けで寝かせる」「かたいマットレスなどの上に寝かせる」ことを推奨しています。
赤ちゃんにストレスがかかるときにはとくに注意!
1才までは、あお向けに寝かせたほうがいいことはわかってきました。
けれど、
「もし赤ちゃんが寝返りしてうつぶせ寝になっちゃったら?」
「いつの間にかうつぶせで寝入っていたら?」
という疑問が残ります。ママ・パパが四六時中赤ちゃんの寝ている様子を見るわけにもいかないし、寝ている赤ちゃんをわざわざ起こしてまであお向けにするべきなのか…。
SIDSや小児の救急医療に詳しい、小児科医の市川光太郎先生(北九州市立八幡病院救命救急センター・小児救急センター院長)によると、
「米国では、自在にあお向けからうつぶせ、うつぶせからあお向けの両面の寝返りができるようになったら、途中でうつぶせ寝になっていても、戻す必要はないといわれています」とのこと。
ただ、自在に寝返りができるようになった赤ちゃんでも、まれにうつぶせで亡くなっていた例もあるとか。
「とくに風邪症状があったり、保育園に行き始めるなど環境が変わったりすることで、ストレスがかかるときには気をつけましょう。また、未熟児・早産児の場合はSIDSのリスクも高くなるので、注意してあげるといいでしょう。うつぶせ寝だけでなく、喫煙など、SIDSのほかの危険因子を取り除くことも大切です」
病気のときや初めての環境を経験したときは、寝返りが自在にできる子でも、いつもより気をつけてあげるのがよさそうです。
ママ・パパに負担にならず、赤ちゃんを安全に寝かせるためには、
①赤ちゃんの敷布団やマットレスはかためのものにする
②1才ごろまではあお向けに寝かせる
この2つを守ることが大切だと実感。日本では、約8割の親子が一時的にでも添い寝をしているそう。
親が疲れすぎていると、知らぬ間に赤ちゃんに覆いかぶさってしまうこともあるので、添い寝をしているママ・パパは疲れすぎに気をつけましょう!
赤ちゃんの昼寝中に親も一緒に寝るなど、疲労をためないようにすることも大切です。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
参考/ひよこクラブ2017年3月号「今月のとって出し情報『赤ちゃんのうつぶせ寝について調べました!』」
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
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