【医師監修】SIDS・乳幼児突然死症候群(にゅうようじとつぜんししょうこうぐん) 「ママ・パパに知っておいてほしい赤ちゃんの病気・症状」
赤ちゃんの病気【SIDS・乳幼児突然死症候群(にゅうようじとつぜんししょうこうぐん)】って?
育児をしているとよく耳にする、気になる「病名」があります。
ここではそんな3つの「病名」のうち、SIDS・乳幼児突然死症候群について解説します。まわりの人への理解を深めるためにも、知っておいてください。
赤ちゃんのSIDS・乳幼児突然死症候群 こんな病気
元気だった赤ちゃんが眠っている間に突然死亡してしまいます
それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息など何の前触れもなく、眠っている間に突然死亡してしまう病気で、事前に予知できないのが特徴です。
日本では平成28年度に109名の赤ちゃんがSIDSで亡くなっており、発症時期は生後4ヶ月前後をピークに生後2ヶ月から6ヶ月が全体の約8割、1歳までが約9割を占めています。
原因は特定されていませんが3つの危険因子が明らかに
SIDSの原因は残念ながらまだわかっていません。
ただ、これまでの研究で、育児環境のなかにその発生率を高める「うつぶせ寝」「家族の喫煙」「人工栄養」の3つの危険因子があることがわかってきています。
しかし、あお向けで寝ている赤ちゃんがSIDSにかかるケースもあり、危険因子がなければ必ず発症しないわけではありません。
また、これらのことはいずれもSIDSの直接の原因ではないので、必要以上に不安を抱くことはありません。
なるべく3つの危険因子を取り除きましょう
原因が特定できていない以上、SIDSを完全に予防することはできませんが、少なくとも3つの危険因子を取り除くことで、発症を減らすことはできます。
赤ちゃんの命を守るために、ママやパパにはぜひ実行してほしいですね。
SIDSを防止する育児の習慣
あお向け寝で育てましょう
うつぶせに寝かせたときのほうが、あお向け寝の場合に比べて発症率が高いことがわかっています。
何か病気があって医師から指導を受けていない限り、あお向けに寝かせるようにしましょう。
うつぶせ寝が好きな赤ちゃんは、だれかが必ず見守り、寝ついたら、あお向けにするといいでしょう。
たばこはやめましょう
両親が喫煙していると、両親が喫煙しない場合の約4.7倍も発症率が高くなります。
赤ちゃんが受動喫煙(たばこの先端から立ちのぼる副流煙と、たばこを吸う人が吐き出す呼出煙とが混ざった環境に、赤ちゃんが置かれること)している状況のほうが、うつぶせ寝にした場合の危険より高いという研究結果もあります。
これでパパやママにも、禁煙の必要性を理解してもらえますね。
できるだけ母乳で育てましょう
母乳のほうが赤ちゃんの免疫力が高まる、ママの乳首から飲むことで赤ちゃんの口腔の発達を促す、スキンシップが密になって赤ちゃんの異常に気づきやすいなどから母乳で育てられている赤ちゃんは、ミルクの赤ちゃんと比較してSIDSが起こりにくいとされています。
ただ、ミルクでも赤ちゃんとスキンシップしながら与えれば問題ありませんから、あまり神経質にならなくて大丈夫です。
●イラスト/いしいゆき
■ママ・パパに知っておいてほしい赤ちゃん・子どもの病気・症状
・発達障害 < 自閉症・注意欠陥多動性障害・ADHD >
・乳幼児揺さぶられ症候群
・SIDS・乳幼児突然死症候群
※表記している、月齢・年齢、季節、症状の様子などはあくまで一般的な目安です。
※この情報は、2019年4月のものです。
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