山口美沙・夫はライセンス藤原。「今のはこうした方がおもろい」面白い方を選ぶのが我が家のスタイル。 みんなと違っていいと伝えたい
お笑いコンビ・ライセンスの藤原一裕さんの妻であり、タレントの山口美沙さん。昨年の4月には第二子となる女の子を4080gで出産し、その壮絶な出産体験をご自身のYouTubeチャンネル『嫁ランドChannel』で配信しています。今回は、親子で登場するYouTube配信について、またお子さんを育てるうえで、ご夫婦で大切にしていることなどを聞きました。
動画を通じて、子育て中の素の自分に誰かが共感してくれたら
――『嫁ランドChannel』では、娘さんたちとの微笑ましい様子が楽しく配信されていますね。どのような思いでYouTubeでの配信をされているのでしょうか。
山口美沙さん(以下、敬称略):動画を配信することで何を伝えていきたいかなどは、深く考えていないんですよ。私の場合、時間がある時に日常の様子を撮影している、という感じです。「この人、なんだか面白いことしてるな〜」とか、「自分と同じことで、四苦八苦してるな〜」など、観ている誰かの共感を得られたらいいかなと。とにかく、いつも素のままです!
私の動画へのコメント欄には、「うちも一緒です!」「うちはこうしてるよ〜」といったコメントがたくさん。顔を見たことはないけれど、同じように子育てをしているお母さん同士の交流の場になっていますね。視聴者さんは20代〜40代の方がメインで、ほぼ100%女性。全然、男性にモテないですよ(笑)。
YouTubeは、私より先に、夫がYouTubeチャンネル『フジワランド』をはじめたんです。夫のチャンネルに私や子どもたちも出るようになって、それからは夫婦二人で普段からよくしゃべるようになりましたね。
「まずは自分で作ってみなよ」夫の言葉で、ものづくりが好きに
――ご夫婦で協力し合って、子育てをされている様子がYouTubeを観ていると伝わってきます。子育ての中で、お二人で大切にされていることはありますか?
山口:娘に伝えているのは、「自分がやられて嫌なことは、人にはしない」ということ。これは、夫も同じ考えのようですね。あとは、基本的なことですが、挨拶はきちんとしなさいと。「元気に挨拶できる子は、いい印象を持たれるよ」といつも話しています。
それから、長女がおもちゃなど欲しいものをおねだりすると、夫は必ず、「欲しいものがあったら、まずは自分で作ってみたら」と伝えています。たとえばこの前は、夫にそう言われて、人形の体に粘土をはりつけて一生懸命に服を作っていましたね。夫はただ言うだけじゃなくて、娘と一緒になって工作もしています。絵も上手だし手先も器用なので、よいお手本になっているんだと思います。そのおかげなのか、長女はいつも何かしら、作ったり描いたりしていますね。
――子育てをする中で、最近、悩んでいることはありますか?
山口:長女からの質問がとにかく多くて、「これってどういう意味?」とよく聞かれるんですが、子どもにも分かりやすく説明することに苦戦しています。この前、北九州市の成人式で派手な格好をしている若者たちのニュースを観ていて、「なんでこの人たちは、こんな派手な格好をしているの?」と聞いてきたんです(笑)。
私は悩んだあと、「それぞれの表現だからかな」と答えました。そうすると、今度は「表現」という言葉が伝わらないんです。さらに最近は、疑問に思う内容が複雑になってきていて…。これは成長の証だからからうれしいことなんですが、今まで自分自身が深く考えたこともなかったことでも、子どもにとっては「?」だらけなんですよね。ニュアンスで覚えてしまっている言葉が多くて、相手に伝えることって本当に難しいなと感じています。
それから最近、長女が小さな嘘をつくようになってきたんですよ。大人が見れば、すぐにバレてしまうようなことなんですが。たとえば、うちの子は文房具がすごく好きなのですが、「筆箱のチャックが外れちゃって閉まらないから、新しいのが欲しいな〜」と言うんです。でも、あからさまに自分で外しているようなんですよね。
こういう嘘を言ってきたときは、基本的には、まずはきちんと話を聞くようにしていますね。それで、1個ずつ確認していくようにしています。「これ、本当かな?ちょっと違うように見えるよ」と言うと、すぐに白状しますけど。最近ちょっとずる賢く、なんだか人間らしくなってきたな〜なんて思っています。成長を感じるとともに、「ちょっと厄介になってきたぞ!」とも思っていますね(笑)。
ずる賢いと言えば、パパとママの呼び方にも。「パパ〜」と呼ぶときと、「ママ〜」と呼ぶときの声色が明らかに違うんですよ。欲しいものなどのお願いごとがあるときは、決まってパパ。きちんと聞いてくれるパパには、明らかに甘えた感じの声で呼びかけていますね。自分のお願いの内容によって、パパとママで使い分けている感じも。よく分かってるな~と思いますね。
迷ったら「面白い方」「おいしい方」を選ぶ!それが藤原家スタイル
――ご主人が芸人さんということで、ご主人らしい、もしくはご夫婦らしい子育てのエピソードがあったら教えてください。
山口:夫は、娘との何気ない会話の中でも、「今の返しは、こうした方がおもろいよ」と教えていることがよくありますね。あと、ボケやギャグを2回3回と繰り返す“天丼”というお笑いの手法を用いて、「今のところは、それをもう一回言うとおもろいよ」とか。
あとは、娘が「幼稚園で笑われた」と落ち込んで帰ってくると、「笑われることは悪いことばかりじゃないんだよ」とよく言っています。こういうところは、我が家らしいアドバイスかもしれないですね。
お遊戯会の役決めの時にも、クラスの女の子がこぞってかわいい役を狙うなかで、「この劇の中だったら、こっちの役の方が“おいしい”に決まってるよ」とアドバイス。さらに、「かわいくない役をいかにかわいく、面白くできるかが大事なんじゃない?」とも話していますね。私も、娘には「迷ったときは、面白そうな方を選べ」と常々言っているので、夫のこういう考え方にはすごく同感するんです。
――山口さんが、子育てをする中で大切にしていることはありますか?
山口:他人に迷惑かけることなく、オリジナリティを磨いて欲しいということですね。長女に、自分の好みで服や靴を選ばせることがあるのですが、これがなかなかのセンスで(笑)。「ママはどう思う?」といちおう聞かれるので、これはと思うときには、「ママはそれ、ダサいと思うよ」と。「でも、〇〇はそれが好きなんでしょ?だったら、自信持って着ればいいんじゃない?誰かに言われてやめるようなら、最初からやめればいいし」と伝えます。それで欲しいと言ったときには、買ってあげるようにしていますね。
たとえば絵を描くにしても、描く人が違えば、それぞれに違った絵が生まれますよね。それと同じで、お友だちと意見が一緒じゃなくても、自分だけ違ってもいいんだよというのは、夫婦でずっと伝えていきたいねと話しています。
写真提供/山口美沙さん、取材・文/内田あり、たまひよONLINE編集部
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2024年2月の情報で、現在と異なる場合があります。
<プロフィール> 山口美沙さん
タレント。1984年生まれ、東京都出身。Eテレ『天才てれびくん』や、日本テレビ系バラエティ番組『伊東家の食卓』などに出演。2014年1月、お笑いコンビ・ライセンスの藤原一裕さんと入籍。2017年5月に長女、2023年4月に次女を出産。